今週の注目レース

小倉2歳ステークス(GⅢ)

小倉競馬場 1200メートル(芝)馬齢 2歳オープン

出走馬情報

クリダーム

牡2歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ブーケトウショウ
  • 母の父:サクラバクシンオー
ここに注目!

函館開催の開幕週に勝ち上がると、続く函館2歳Sでも逃げて2着に粘っており、完成度の高さが光る。近2走の洋芝から舞台が替わって、速い時計への対応が求められるが、非凡なスピードは通用するはずだ。

前走の函館2歳Sは好スタートから先手を奪うと、そのまま粘って2着を確保。前半600メートル通過タイムが34秒5のハイペースだったことを考慮すれば、強い内容だった。デビューからコンビを組む武豊騎手は「好スタートを切れたので迷うことなく先手を取りました。振り切ったかと思ったけど、1頭強い馬がいましたね」と回顧した。前走後は涼しい函館競馬場で乗り込み、栗東トレーニング・センターに戻ってきた。8月25日の1週前追い切りでは、同坂路で4ハロン52秒8、ラスト1ハロン11秒9の好時計をマーク。順調に調整されており、遠征の疲れも無さそうだ。

ミカッテヨンデイイ

牝2歳

調教師:堀内岳志(美浦)

  • 父:イスラボニータ
  • 母:ボルティモア
  • 母の父:ステイゴールド
ここに注目!

未勝利馬によるオープン特別・フェニックス賞(小倉・芝1200メートル)Vは、昨年の小倉2歳Sを優勝したナムラクレアと同じ。本馬も勢いは通用するはずだ。前走でマークした1分07秒7の持ち時計は今回のメンバー中で最速。連勝で重賞タイトルを狙う。

デビューからの2戦は差し届かずに連続3着。未勝利ながら挑戦した前走のオープン特別・フェニックス賞は、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒7(推定)の末脚で鮮やかに差し切った。3戦連続でコンビを組んだ今村聖奈騎手は「新馬戦の時からすごくいい脚を使ってくれていました」と、パートナーを信じた騎乗で見事Vにエスコート。前2戦から4キログラム増えた54キログラムの斤量にも難なく対応した。デビュー前の6月末から小倉競馬場に約2か月間の長期滞在。小柄な牝馬ではあるが、馬体は維持できている。一戦ごとに力をつけており、次は重賞制覇に挑む。

プロトポロス

牡2歳

調教師:西村真幸(栗東)

  • 父:War Front
  • 母:キャヴァルドレ
  • 母の父:Sunday Break
ここに注目!

前走は好位から鋭く伸びて3馬身1/2差の快勝。センスの光る勝ち方だった。中京デビュー組は2015年シュウジ、2017年アサクサゲンキ、2018年ファンタジスト、2019年マイネルグリットが本レースをV。本馬も初めての右回りに対応できればチャンスはありそうだ。

6月12日のメイクデビュー中京(芝1200メートル)は、直線でゴーサインが出るとウメムスビ(2着)を並ぶ間もなく差し切って3馬身1/2差の快勝。上がり3ハロンタイムはメンバー中最速の33秒8(推定)だった。騎乗した福永祐一騎手が「レースでは上手に走れましたし、期待通りです。次は重賞に挑戦してもいいと思います」と絶賛するほどの勝ち方だった。その後はじっくりと間隔を空け、ここまでスタンバイ。8月25日の1週前追い切りでは、栗東CWコースでラスト1ハロン10秒9の好時計をマークした。センス光る初戦の走りから、舞台替わりもクリアできそうだ。

メイショウコギク

牝2歳

調教師:南井克巳(栗東)

  • 父:サトノクラウン
  • 母:メイショウミソラ
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

今回と同舞台の前走は1秒0差をつける楽勝。過去10年、小倉・芝1200メートルのメイクデビュー(九州産馬限定戦を除く)で0秒6以上の差をつけて勝った馬は、小倉2歳Sで〔2・1・2・2〕と結果を出している。

8月13日のメイクデビュー小倉(芝1200メートル)は、外枠(7枠12番)からジワッと先手を奪う形。直線手前では1度ライバルに並び掛けられそうになったが、そこから圧巻のパフォーマンスを見せた。後続をグングン引き離し、最後は流して6馬身差の快勝。騎乗した和田竜二騎手は「調教通り、芝の乗り味が良かったです。最後は物見をしていたぐらい余裕がありました。馬がどんどん良くなってきているので、まだまだ楽しめそうです」と伸びしろを評価した。1分08秒6の勝ち時計はそこまで目立たないが、余裕のある勝ち方からまだまだ詰められそうだ。

ロンドンプラン

牡2歳

調教師:宮本博(栗東)

  • 父:グレーターロンドン
  • 母:パッションローズ
  • 母の父:アフリート
ここに注目!

前走は直線でエンジンが掛かると力強く伸びて、2馬身差のV。この時の3着馬がミカッテヨンデイイだった。母パッションローズは1200メートル以下の距離で4勝を挙げており、血統的にも短距離が合う。

夏の小倉開幕週に行われたメイクデビュー小倉(芝1200メートル)は好スタートを決めるも、道中は気合をつけながらの追走。直線でしっかり伸びて差し切った。騎乗した松山弘平騎手は「少し忙しい感じはありましたが、最後まで脚を使ってくれていい走りだったと思います」と評価。500キログラムを超える大型馬だけに、1度使った上積みはあるはずだ。8月24日の1週前追い切りでは、栗東CWコースでオープンクラスの3歳馬に先行先着。馬なりのままラスト1ハロン11秒3の好時計をマークした。これなら、初戦以上のパフォーマンスを見せてくれそうだ。

アウクソー

牝2歳

調教師:安田隆行(栗東)

  • 父:サトノアラジン
  • 母:ヴィリエルバクル
  • 母の父:Sea The Stars
ここに注目!

福島へ遠征したデビュー戦は好位から抑え切れない手応えで先頭に立ち、5馬身差をつけて圧勝した。前走・福島で勝利した馬の小倉2歳S参戦は2016年2着のダイイチターミナル以来2頭目で、初Vなるか注目だ。

1番人気に支持されたメイクデビュー福島(芝1200メートル)は、大外枠から好スタートを決め、先行する馬を見ながら好位をキープ。勝負どころで前との差を詰めて行くと、直線は軽く仕掛けた程度で5馬身突き放した。馬体重410キログラム台の小柄な牝馬ながら、ダイナミックなフォームは迫力満点。騎乗していた戸崎圭太騎手は「行きっぷりが良かったですけど、我慢が利いていて、最後の反応も良かったです。いい内容だったと思います」と評価した。前走の勝ち時計1分11秒0から、速い時計の出やすい小倉に替わって対応できるかが鍵になるだろう。

ニシノトキメキ

牝2歳

調教師:北出成人(栗東)

  • 父:リアルスティール
  • 母:レッドアシェット
  • 母の父:ダイワメジャー
ここに注目!

初戦は控える形で3着、前走は逃げて後続を完封した。キャリアの浅い2歳馬同士の戦いにおいて、自在性のある脚質は強みだ。未勝利勝ちからの臨戦で本レースを制覇すれば、2017年アサクサゲンキ以来となる。

今回の舞台となる小倉・芝1200メートルで2戦のキャリアを積み、レースぶりも良化。初戦は道中で追走に戸惑い、直線で追い上げるも3着に敗れた。2戦目だった前走は14キログラム減の馬体重で出走。実戦を1度使ったことで馬体が引き締まっていた。スタートしてスッと先手を奪い、先頭をキープ。勝負どころで2番手の馬が並び掛けてきたが、二枚腰を発揮してそのまま逃げ切った。初戦からタイムを0秒8短縮しており、まだまだ伸びしろもありそうだ。新種牡馬リアルスティールのJRA初勝利を飾った本馬が、産駒初のJRA重賞挑戦でタイトルをつかみ取るか、注目だ。

シルフィードレーヴ

牝2歳

調教師:西園正都(栗東)

  • 父:アメリカンペイトリオット
  • 母:キモンクイーン
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

牝馬限定戦の前走・メイクデビュー小倉(芝1200メートル)は、10番人気の低評価ながら好位から力強く抜け出してV。管理する西園正都厩舎は2001年タムロチェリー、2012年マイネルエテルネルに続く本レース3勝目を狙う。

デビュー前の調教ではそこまで目立った動きをしていなかったが、実戦に行って一変。メイクデビュー小倉(芝1200メートル)はコーナーリングで若さを見せながらも、直線で先頭に立って押し切った。10番人気で勝ち、波乱を演出。騎乗していた幸英明騎手は「強かったですね。3、4コーナーで外に張るところはありましたが、最後までしっかり伸びてくれました。まだ伸びしろもありそうです」と感心する勝ち方だった。管理する西園正都厩舎は今年の2歳世代から4頭が勝ち上がり(8月28日終了時点)。好調厩舎が、ここで2歳重賞制覇に挑む。

(寺下 厚司)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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