今週の注目レース

新潟記念(GⅢ)

新潟競馬場 2000メートル(芝・外)ハンデ 3歳以上オープン

出走馬情報

エヒト

牡5歳

調教師:森秀行(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ヒーラ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

前走の七夕賞で重賞初制覇。ハンデ差があったとはいえ終始楽な手応えで追走し、早めに動いて後続を突き放す堂々たる勝利だった。新潟・芝の外回りコースは初めてだが、今の充実ぶりなら問題なさそう。重賞連勝を狙う。

これまで1800メートル、2000メートル、2200メートル、2600メートルの距離で勝利を挙げており、戦法にも柔軟性がある。どんな条件でも対応できるタイプで、未経験の新潟・外回りの2000メートルに替わっても問題なく力を発揮できそうだ。抜群に切れるわけではないが、長くいい脚を使うのが本馬の特長であり、日本最長となる658.7メートルの直線をフルに生かす競馬が可能だろう。間隔は空いたものの、1週前には栗東坂路で4ハロン50秒を切る時計をマーク。重賞2勝目、そしてサマー2000シリーズチャンピオンへ態勢は整っている。

ヒートオンビート

牡5歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:マルセリーナ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

天皇賞(春)4着など強敵相手に好走の実績。いまだ重賞勝ちがないのが不思議なほどの実力馬だ。前走の七夕賞は2着だったが、ゴール前の伸びは抜群。末脚をフルに生かせる舞台で待望のタイトル獲得を目指す。

前走の七夕賞は一気の距離短縮。日経賞(3着)、天皇賞・春(4着)と長距離を続けて使っていた影響もあってか行き脚がつかず、後方の位置取りになった。それでもラストはしっかりと脚を使い、勝ったエヒト以外は差し切っての2着。あらためて能力の高さを示す内容だった。今回は続けて2000メートルを使われることに加えて、前半の流れが落ち着きやすい新潟コースなら、もっと前のポジションで競馬ができそう。持続性のある末脚も当舞台向きと言っていいだろう。中間は今年のダービー馬ドウデュースとの追い切りもこなし、さらなるパワーアップも見込める。初重賞奪取へ向けて機は熟した。

フェーングロッテン

牡3歳

調教師:宮本博(栗東)

  • 父:ブラックタイド
  • 母:ピクシーホロウ
  • 母の父:キングヘイロー
ここに注目!

ラジオNIKKEI賞を勝って重賞初制覇。白百合S(リステッド・中京・芝2000メートル)での逃げ切り勝ちが展開に恵まれたものではないことを証明した。半兄がピクシーナイト(父モーリス)。適性距離は違うが、ここをステップに本馬も大舞台での飛躍を期す。

白百合S(リステッド)はスローペースでの逃げ切り。7頭立ての5番人気という人気薄ゆえの勝利にも映ったが、前走のラジオNIKKEI賞は前半中団のポジションから、直線は最内に飛び込んでの差し切り勝ち。目下の地力強化をアピールするとともに、レースぶりも格段に上達していることを印象づけた。初の他世代との対戦になるが、ハンデ差があるうえ、持ち時計からも十分に上位争いができそうだ。3歳での勝利となれば2018年のブラストワンピース以来。そのブラストワンピースは、秋に菊花賞4着から有馬記念を優勝した。本馬もここを勝ってさらに勢いをつけたいところだ。

カイザーバローズ

牡4歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ジェニサ
  • 母の父:Storm Cat
ここに注目!

重賞初挑戦だった新潟大賞典でいきなり2着。しかも推定上がり3ハロンタイムはメンバー中最速だった。前走の鳴尾記念は6着と着順を下げたが、勝ち馬とは0秒4差で、重賞に手が届くところまできている印象だ。新潟大賞典と同じ舞台で巻き返しが可能だ。

3歳2月の東京で新馬勝ち。デビューこそ遅かったが、その後はわずか6戦でオープンクラス入りを果たすなど、父ディープインパクトという良血に違わぬ素質の持ち主だ。オープンクラス初戦に加えて初の重賞挑戦となった新潟大賞典は、スタート後に窮屈になるシーンがあって後方のポジション。並みの馬ならここで万事休すというところだが、本馬は終い勝負に徹して直線は追い出しをぎりぎりまで我慢。大接戦の末、勝ち馬にクビ差及ばなかったものの、重賞を勝つレベルにあることを示すには十分な2着だった。今回は新潟大賞典と同条件でハンデも同じ。当然チャンスだ。

サンレイポケット

牡7歳

調教師:高橋義忠(栗東)

  • 父:ジャングルポケット
  • 母:アドマイヤパンチ
  • 母の父:ワイルドラッシュ
ここに注目!

昨年の新潟大賞典の勝ち馬。その後は勝ち星から遠ざかっているが、その間に天皇賞(秋)4着、ジャパンカップ4着とGⅠでも健闘している。GⅢでは間違いなく力上位。得意の新潟で久しぶりの美酒となるか、注目だ。

新潟・外回り2000メートルはこれまで3回走っており、2着、3着、1着。2着は条件クラス時のものだが、3着は一昨年の新潟記念、1着が昨年の新潟大賞典と、関西馬ながら明確に得意舞台と言える。今年はここまで4戦。最高着順は京都記念と鳴尾記念での3着だが、4戦いずれもが強敵ぞろいのレースだった。舞台も条件も異なっており、とりわけ前走の函館記念は重馬場のうえ、57.5キログラムのトップハンデで5着。大崩れしないところが能力の高さの証だろう。今回もトップハンデを背負うが、結果を残している舞台。一変の可能性は十分にある。

スカーフェイス

牡6歳

調教師:橋田満(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:スプリングサンダー
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

追い込み一手だが、近5走は重賞で5着、2着、5着、6着、3着と安定。6着の大阪杯も推定上がり3ハロン最速タイの末脚で上位に迫った。展開に左右されがちとはいえ、終いの脚は一級品。持ち味を生かせる条件で差し切りを狙う。

オープンクラス入りに時間を要したものの、昇級後掲示板(5着以内)を外したのはGⅠの大阪杯のみ。競馬場を問わず確実に脚を使えるタイプだ。前走の函館記念もいつものように後方から。道中はインで我慢し、4コーナーから直線にかけて大外へスムーズに進路を取った。2着とは少し差のある3着だったがレースの形は良く、完成されてきた印象がある。大阪杯に続いて騎乗した岩田康誠騎手も、現在の本馬を手の内に入れているようだ。芝2000メートルの走破タイムは1分58秒9が最速で、時計面が鍵になりそうだが、新潟は連続開催の最終日。タフさを求められる競馬になれば躍進があってもいい。

ディアマンミノル

牡5歳

調教師:本田優(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:イソノスワロー
  • 母の父:デヒア
ここに注目!

前々走のオープン特別・大阪―ハンブルクC(阪神・芝2600メートル)は最後方から追い込んで勝利。前走の目黒記念は上がり3ハロン最速(推定)の脚で差のない4着に入った。ここにきて末脚の鋭さが増している印象。初の新潟外回りコースだが、願ってもない好条件かもしれない。

驚かされたのが前々走のオープン特別・大阪―ハンブルクC。かなりのスローペースのなか、4コーナーを回ったところでもまだ最後方。直線に入ってジワジワと伸び、最後は先に抜け出していた馬をきっちり捕らえての鮮やかな追い込み勝ちだった。10頭立ての頭数に加えてハンデも手ごろだったとはいえ、非凡な瞬発力を見せつけた。続く目黒記念はその前々走を上回る強烈な末脚を見せ、直線だけの競馬で4着。遅い流れでこそ力を出せる追い込み馬という印象で、新潟外回りは最適条件の可能性がある。2000メートルはやや距離不足かもしれないが、追走に手間取らなければ好勝負になりそうだ。

カラテ

牡6歳

調教師:辻野泰之(栗東)

  • 父:トゥザグローリー
  • 母:レディーノパンチ
  • 母の父:フレンチデピュティ
ここに注目!

3連勝で昨年2月の東京新聞杯を制覇。今年2月の中山記念(2着)では次走でドバイターフを勝つパンサラッサに肉薄するなど、力はここでも上位だ。2020年4月以来の芝2000メートル起用がポイントになる。

以前は好位からの競馬で活躍していたが、強烈な追い込みを見せた今年初戦のニューイヤーS(リステッド・中山・芝1600メートル、1着)から差し馬としてモデルチェンジ。道中のためが利くようになり、より鋭い脚を使えるようになった。ここ2戦の内容は物足りないが、今回が辻野泰之厩舎へ転厩しての3戦目。そろそろ環境に慣れてくるころで、リフレッシュした効果も見込める。この中間は栗東トレーニング・センターのCWコースと坂路で軽快な動きを披露。これまで以上に動ける態勢が整っている印象だ。久々の2000メートルが鍵だが、1800メートルの中山記念(2着)で問題なく走れていたあたり、克服は十分に可能だろう。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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