夏の新潟開催の最終週に行われる重賞が新潟記念。サマー2000シリーズの最終戦であるため、シリーズチャンピオンの座をかけて、長い直線で熾烈な追い比べが繰り広げられる。多頭数で混戦模様になりやすいハンデ戦だけに、過去の傾向も参考にしたいところ。過去10年の結果を中心に傾向を探ってみた。
新潟外回りの芝2000メートルは直線部分の長い外回りコースを使ったコーナー2回のレース。大型で器用さを欠くタイプでも走りやすいためか、馬体重が重い馬の成績が良くなっている。出走頭数は少ないものの、馬体重521キログラム以上の馬は〔3・0・1・5〕という好成績を残している。まずは馬体重をチェックだ。〔表1〕
馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
470kg以下 | 2-1-2-50 | 3.6% | 5.5% | 9.1% |
471kg以上 | 8-9-8-89 | 7.0% | 14.9% | 21.9% |
ハンデ戦であるため出走各馬の斤量差が大きくなるが、その中でも軽すぎず重すぎずのハンデとなった馬が有力で、特に56キログラムから57キログラムの好走率が高く出ている。53キログラム以下の軽ハンデ馬は2013年を最後に連対しておらず、57.5キログラム以上の馬も連対が2例にとどまっている。〔表2〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
53kg以下 | 1-0-3-35 | 2.6% | 2.6% | 10.3% |
54kg〜55kg | 4-2-4-53 | 6.3% | 9.5% | 15.9% |
56kg | 4-3-0-22 | 13.8% | 24.1% | 24.1% |
56.5kg | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
57kg | 1-2-3-14 | 5.0% | 15.0% | 30.0% |
57.5kg | 0-1-0-10 | 0% | 9.1% | 9.1% |
58kg | 0-1-0-5 | 0% | 16.7% | 16.7% |
騎手の所属別の成績では、栗東所属のジョッキーの成績が良くなっている。ジョッキー個別の成績では、M.デムーロ騎手が“ミスター新潟記念”と呼んでも差し支えないような成績で、過去10年で6回騎乗して2着以内が5回ある(2015年1着パッションダンス、2017年2着アストラエンブレム、2019年・2020年2着ジナンボー、2021年1着マイネルファンロン)。〔表3〕
騎手の所属 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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美浦 | 3-5-7-108 | 2.4% | 6.5% | 12.2% |
栗東 | 6-5-3-30 | 13.6% | 25.0% | 31.8% |
海外 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
前走別の成績を見ると、新潟記念はサマー2000シリーズの最終戦にあたるだけに、前走でもシリーズの対象レースに出走していた馬がよく馬券に絡んでいるようだ。ちなみに、前走が同シリーズの対象レースである表の3レース(小倉記念、函館記念、七夕賞)のいずれかで、そこで2着以内に入っていた馬の成績は〔4・2・1・10〕(3着内率41.2%)となっている。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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小倉記念 | 3-1-4-20 | 10.7% | 14.3% | 28.6% |
函館記念 | 2-2-0-10 | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
七夕賞 | 1-3-1-14 | 5.3% | 21.1% | 26.3% |
日本ダービー | 1-0-0-4 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
天皇賞(春) | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
クイーンS | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
常総S | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
新潟記念は長い直線を生かした差し・追い込み馬の台頭が多い重賞だが、近年の優勝馬の多くは前走では4コーナーを7番手以内で通過していた。また血統に注目すると、父か母の父にディープインパクトかキングカメハメハを持つ馬が多くなっている。〔表5〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走の4コーナー通過順 | 父 | 母の父 |
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2014年 | マーティンボロ | 5番手 | ディープインパクト | Nureyev |
2015年 | パッションダンス | 5番手 | ディープインパクト | ジェイドロバリー |
2016年 | アデイインザライフ | 7番手 | ディープインパクト | サクラバクシンオー |
2017年 | タツゴウゲキ | 5番手 | マーベラスサンデー | Singspiel |
2018年 | ブラストワンピース | 4番手 | ハービンジャー | キングカメハメハ |
2019年 | ユーキャンスマイル | 7番手 | キングカメハメハ | ダンスインザダーク |
2020年 | ブラヴァス | 4番手 | キングカメハメハ | ディープインパクト |
2021年 | マイネルファンロン | 先頭 | ステイゴールド | ロージズインメイ |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。