牡2歳
調教師:池添学(栗東)
父モーリスは2015年度のJRA賞年度代表馬で、初年度産駒からスプリンターズS勝ち馬ピクシーナイトを輩出。半姉ディアンドル(父ルーラーシップ)は葵S、福島牝馬Sと重賞2勝の活躍馬。本馬の血統は筋が通っており、先々まで注目したい。
6月18日のメイクデビュー阪神(芝1600メートル)は、中団で折り合いに専念。スローペースで前が残る展開になり、直線は上位馬となかなか差を詰められなかったが、ジリジリと脚を伸ばして5着に入った。前走の未勝利(小倉・芝1800メートル)は、二の脚を利かせて3番手を追走。4コーナーでは抜群の手応えで先頭に並びかけると、メンバー中最速タイとなる上がり3ハロン35秒1(推定)でまとめ、後続勢の追い上げを寄せつけずに完勝した。父モーリスに似た筋骨隆々の好馬体で、将来性は十分。レースを2度使って状態面はさらに上向いており、重賞タイトル獲得を狙う。
牡2歳
調教師:鹿戸雄一(美浦)
父ビーチパトロールはアメリカの芝中距離G1を3勝したが、半兄シゲルタイタン(父マジェスティックウォリアー)はダート1400メートルを勝ってオープンクラス入りを決めており、母系は短距離向き。初戦から200メートルの距離短縮でパフォーマンスが上がりそうだ。
7月3日のメイクデビュー函館(芝1800メートル)は、大外枠からダッシュを利かせて先手を奪うと、2コーナー付近からスピードを緩めてスローペースの逃げ。後続を引きつけて絶好の展開に持ち込むと、ラスト2ハロンを11秒3、11秒4のラップでまとめ、1番人気ルクスグローリアの追い上げを1/2馬身振り切って快勝した。騎乗した浜中俊騎手は「前向き過ぎる面があり、使っていくと折り合いが難しくなりそうなので、距離なども含めて、今後どう成長していくかでしょう」と課題を挙げているが、美浦トレーニング・センターに帰厩後も落ち着きがあり、いい状態で2戦目を迎えられそうだ。
牡2歳
調教師:鹿戸雄一(美浦)
8月21日の未勝利(新潟・芝1800メートル)で初勝利をマーク。連闘での出走で当日の馬体重や気配はポイントになるが、重賞のメンバーに入ってもポテンシャルは互角以上だろう。主役候補の1頭に挙げられる。
7月31日のメイクデビュー新潟(芝1800メートル)はスタートで出負けしたが、二の脚で挽回して好位集団を追走。スローペースの瞬発力勝負で上位馬とは位置取りの差も出たものの、直線はしぶとく脚を伸ばして勝ち馬ダノントルネードから0秒4差の5着ならレース内容は悪くない。前走の未勝利はスタートを決め、スッと控えて後方待機策。じっくり構えて直線勝負に徹すると、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒1(推定)の末脚で突き抜けて快勝した。母ピエナビーナスは重賞勝ち馬(クイーンS)で、父にエピファネイアを配した血統背景は優秀。連闘の疲れがなければ、重賞でも好勝負が期待できそうだ。
牡2歳
調教師:和田勇介(美浦)
デビュー2戦目の未勝利(東京・芝1400メートル)を勝ち上がり、中間は本レースを目標に順調な乗り込みを消化。馬体に無駄がなく、追い切りでは前走時と変わらぬ動きを見せており、力の出せる態勢は整っていそうだ。
6月5日のメイクデビュー東京(芝1400メートル)はスタートで出負けしたものの、すぐに出脚がついて2、3番手を追走。最後はクラックオブドーンとの追い比べでハナ差競り負けたが、直線はしぶとく脚を伸ばし、ラスト100メートルで1度は抜け出しての2着惜敗だった。前走の未勝利は、スッと前に取りついて2番手をキープ。スローペースで逃げたオースピス(2着)をなかなか捕まえられなかったが、最後は力でねじ伏せて快勝した。操縦性が良く、レースセンスに優れており、200メートルの距離延長も問題なさそう。重賞でどこまで通用するのか、注目の一戦になりそうだ。
牝2歳
調教師:西園正都(栗東)
デビュー時の馬体重が418キログラムと小柄な馬体だが、柔軟性に富んだフットワークで、ポテンシャルは相当。父ブラックタイドはキタサンブラック(2016、2017年度のJRA賞年度代表馬)を送り出しており、本馬も距離延長は歓迎材料だろう。
7月3日のメイクデビュー福島(芝1200メートル)は、軽く促して好位集団を追走。外枠だったが、馬群の中に入れて直線は前の馬の間を突き、押し切りを図るパルフュメ(2着)をゴール寸前できっちり捕らえて初陣を飾った。騎乗した石橋脩騎手は「返し馬で物見をして、外に行こうとする感じだったので、レースでは前に馬を置く形で走らせました。集中して走ることができました」とコメント。若駒らしい幼さを見せていたようだが、実戦を1度経験した上積みは十分に見込めるだろう。1200メートルで勝ち上がったが、一介のスピード馬ではなく、距離延長の今回は今後を占う意味でも重要な一戦になりそうだ。
牡2歳
調教師:角田晃一(栗東)
父デクラレーションオブウォーは本年度期待の新種牡馬。マイルから中距離で活躍してイギリスのG1を2勝した。本馬はメイクデビュー小倉(芝1200メートル)を勝ち上がったが、血統背景からも400メートルの距離延長はプラスに働く公算が大きい。
7月9日のメイクデビュー小倉は好スタートを決め、最内枠のストリンジェンド(5着)を行かせて2番手をキープ。4コーナーで先頭に躍り出ると、直線はネイキッドの追い上げをクビ差しのいで初陣勝ちを飾った。騎乗した角田大河騎手はレース後に「素軽い感じではありませんでしたが、ゲートを出て2番手につけられ、いい走りを見せてくれました。距離はもっと幅が出てくると思います」と高評価を与えていた。500キログラムを超える大型馬だけに、実戦を1度使った上積みは大きそう。レースセンスが良く、重賞でも遜色のない競馬ができそうだ。
牡2歳
調教師:大和田成(美浦)
メイクデビュー東京(芝1600メートル)では16頭中16番人気の低評価を覆して勝ち馬から0秒1差の3着に入り、前走の未勝利(福島・芝1800メートル)は3馬身差の快勝。レースセンスに優れて操縦性が高く、重賞でも侮れない。
6月19日のメイクデビュー東京は好スタートを決め、鞍上が促して先行集団を追走。正攻法のレース運びから、ラスト200メートル付近で1度先頭に立つシーンを作った。最後はわずかに競り負けたが、見せ場十分の3着だった。前走の未勝利は、ポンと好スタートを決めて先手を主張。後続を引きつけてスローペースに持ち込むと、直線はタイセイサンダー(2着)以下を突き放して鮮やかな逃げ切り勝ちを決めている。父ダノンバラードは海外から逆輸入されて再び日本で種牡馬生活を送っているが、父の評価を高めるためにも、本馬が産駒初のJRA重賞制覇を目指す。
牡2歳
調教師:嘉藤貴行(美浦)
父マジェスティックウォリアーはアメリカのダート1400メートルでG1制覇を飾り、産駒もダートでの活躍馬が多い。母メジェルダはファンタジーS2着と母系は短距離色が強く、芝1600メートルの今回は試金石の一戦になりそうだ。
1番人気に支持された7月2日のメイクデビュー福島(ダート1150メートル)は、スタート、二の脚ともに速く、先手を主張した。道中はマイペースに持ち込んで手応え十分。直線は3頭の追い比べからしぶとい二枚腰を発揮し、後続をハナ差しのいで勝利を飾った。騎乗した戸崎圭太騎手は「追い切りではいい動きをしていましたが、終いが甘いところもありました。レースでもそんな感じでしたね」と辛口のジャッジだったが、中間の調教では美浦南ウッドチップコースの時計を詰めており、レースを使って成長していることは明らかだ。芝の重賞挑戦となるが、スピードは引けを取らない。
(京増 真臣)
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