牝3歳
調教師:長谷川浩大(栗東)
初めての他世代相手となった前走の函館スプリントSを2馬身1/2差で快勝。古馬との斤量差があったとはいえ、あらためて能力、スプリント適性の高さを証明した。秋の大舞台につながる走りが期待される。
昨年のオープン特別・フェニックス賞(小倉・芝1200メートル)では、未勝利の身ながら1/2馬身差のV。続く小倉2歳Sでも、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒9(推定)をマークして2馬身差の快勝を見せた。今春もフィリーズレビュー2着、桜花賞3着とクラシック路線の中心として活躍した。小倉は昨夏に出世の足掛かりとしたように、縁深い競馬場だ。1200メートルのレースでは3戦3勝といまだ負け知らず。この距離なら、現役時代にマイルGⅠを2勝し、スプリントGⅠでも2着2回があった父ミッキーアイル譲りのスピードを存分に生かせるだろう。
牝3歳
調教師:五十嵐忠男(栗東)
前走のCBC賞で格上挑戦ながら重賞初制覇を果たした。48キログラムのハンデが生きた感もあっただけに、斤量増となる今回が試金石となりそう。前走と同じ小倉・芝1200メートルで行われる点は心強い。
先行策から最後までしっかりと脚を使えるので、展開に左右されにくいタイプ。これまで7戦して、連対を外したのは1400メートル戦だったフィリーズレビュー13着と、スタート直後につまずくシーンがあった葵S11着。敗因がしっかりとある2戦で安定感は抜群だ。小倉・芝1200メートルは昨年のメイクデビュー小倉の勝利をはじめ、4戦3勝、2着1回と最も相性のいいコースと言っていいだろう。唯一の2着だったオープン特別・フェニックス賞では、今回もライバルとなるナムラクレアに敗れており、リベンジのチャンス。連勝中の勢いに乗って、さらに成長した姿を見せたい。
牡5歳
調教師:西村真幸(栗東)
1200メートルのレースに限れば、7戦連続でメンバー中3位以内の推定上がり3ハロンタイムをマーク。確実に終いの脚を使えるタイプだけに、今回も展開が鍵を握るだろう。重賞でもまれた豊富な経験も見逃せない。
今回と同じ舞台で行われた前走のCBC賞では、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒5(推定)の末脚を披露し、2着まで追い上げた。勝ち馬テイエムスパーダには3馬身1/2差をつけられたものの、9キログラムの斤量差があっただけに“負けてなお強し”を印象づけた。京王杯2歳S、アーリントンCと重賞2勝の実績馬。朝日杯フューチュリティSでも2着に入ったように、能力はGⅠでも通用するものがある。10日には栗東CWコースで4ハロン51秒5(ラスト1ハロン11秒2)をマーク。前走後も順調に調整を進められており、しっかり力を発揮できるだろう。
牡7歳
調教師:池江泰寿(栗東)
3月の高松宮記念(11着)以来となる復帰初戦を迎える。7月半ばから入念に乗り込まれ、8月3日には栗東坂路で4ハロン51秒4をマーク。11日にも同51秒4を記録し、順調な調整ぶりを見せている。休み明けでも態勢は万全だろう。
昨年の北九州記念では1番人気の支持を受けたが7着。ただ、勝ち馬ヨカヨカから0秒4差と着順ほど負けておらず、ゴール前の伸びは目を引くものがあった。小倉・芝1200メートルはそれ以来の2戦目となるが、決して不向きな条件とは言えないはずだ。前々走のオーシャンSで重賞2勝目を挙げると、前走の高松宮記念も11着とはいえ、直線で1度は先頭に立つ見せ場十分の内容。血統的にも半兄ファリダット(父Kingmambo)が7歳時にプロキオンSで3着と息の長い走りを見せており、本馬もまだまだ活躍できるだろう。
牝3歳
調教師:佐々木晶三(栗東)
小倉・芝1200メートルでは小倉2歳S、前走のCBC賞と重賞を2戦して、ともに3着と相性の良さを見せている。3勝クラスに在籍しており、今回も格上挑戦とはなるが、舞台はベストに近いと言えるだろう。
フィリーズレビュー(3着)など、先行策から粘り込むレースぶりが光っていたが、前々走の2勝クラス・由比ヶ浜特別(東京・芝1400メートル)では中団で脚をためる競馬。東京の長い直線で、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒4(推定)というそれまでと異なる決め手を発揮して差し切り、3馬身差の快勝を飾った。前走のCBC賞でも3着を確保。全兄リトルクレバーはじわじわと力をつけ、5歳となった今年、3勝目をマーク。成長力の豊富な母系の出身で、本馬も着実にパフォーマンスアップを見せている。10日には栗東坂路で4ハロン54秒1(ラスト1ハロン12秒2)を記録し、調整も順調だ。
牡6歳
調教師:西村真幸(栗東)
今回と同舞台で行われた昨年のCBC賞では、当時のJRAレコードとなる1分06秒0のタイムで重賞初制覇。2着ピクシーナイトがのちにスプリンターズSを制したように、能力は相当高い。きっかけひとつで巻き返しが可能だろう。
約3か月ぶりの休み明けとなった前走のCBC賞は、前々で運んだものの12着に敗れた。かなり速いペースだったことも影響しただろうし、前で運びながら上位に残った馬たちは軽ハンデだっただけに、56キログラムを背負った本馬は見直せるはずだ。前々走の高松宮記念も9着(同着)とはいえ、勝ち馬から0秒3差と大きくは離されなかった。11日には栗東坂路でラスト1ハロン11秒9(4ハロン53秒1)を一杯に追われてマークし、併せ馬で2馬身ほど先着。休み明けを1度使われた上積みを感じさせる調教を披露しており、前走と違った姿が見られるだろう。
牝5歳
調教師:木原一良(栗東)
芝に転じてからの2戦はオープン特別・韋駄天S(新潟・芝1000メートル)3着、アイビスサマーダッシュ2着としっかり結果を残している。今回は200メートルの距離延長となるが、ダートとはいえ1200メートルで2勝を挙げており、克服できるはずだ。
父サウスヴィグラスは現役時代にダート重賞を8勝し、種牡馬としてもダートでの活躍馬を多数出している。一方、母ジェネロシティーは芝で勝ち星を挙げており、血統的には芝・ダートを問わず活躍する下地があったと言えるだろう。前走のアイビスサマーダッシュはスピード自慢が集まったなか、ハナを奪ってそのまま2着に粘り込んだように、ダッシュ力は重賞のメンバーに入っても上位の存在だ。今回も同型馬がそろい展開面が鍵を握るが、直線の短い小倉コースは合っているはず。近2走は新潟で結果を出しており、直線が平坦という点もよさそうだ。
牡5歳
調教師:今野貞一(栗東)
母は2009年のフローラSで3着に入り、重賞でも活躍。近親には重賞2勝のマキシマムドパリや福島牝馬Sを勝ったキンショーユキヒメなどがいる優秀な母系の出身だ。本馬も素質は重賞で通用していいものがあるだろう。
今年1月の1勝クラス(小倉・芝1200メートル)でJRA初勝利を挙げたのを皮切りに、2勝クラス・周防灘特別(小倉・芝1200メートル)、3勝クラス・淀屋橋S(阪神・芝1200メートル)と3連勝で一気にオープンクラス入りを決めた。昇級後はまだ結果が出ていないが、前走の函館スプリントSでも5着を確保しているように、徐々にオープンクラスのペースにも慣れてきたはず。小倉・芝1200メートルは2戦2勝と実績を残しており、舞台替わりも歓迎だ。11日の1週前追い切りでは、栗東坂路で4ハロン52秒8(ラスト1ハロン12秒0)をマーク。調教もしっかり積んでいる。
(山口 大輝)
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