今週の注目レース

関屋記念(GⅢ)

新潟競馬場 1600メートル(芝・外)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

イルーシヴパンサー

牡4歳

調教師:久保田貴士(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:イルーシヴキャット
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

4連勝で今年の東京新聞杯を優勝。1番人気に支持された前走・安田記念は初のマイルGⅠの流れに戸惑ったか8着に敗れたが、GⅢのここなら大きく見直せる。新潟・外回りコースで初勝利をマーク。武器の末脚が最大限に生きる舞台と言えそうだ。

前走の安田記念は前半600メートル通過タイム34秒7と、GⅠのマイル戦にしては息の入る流れに。本馬にとって後方待機策はいつも通りの作戦ではあったが、メンバー中最速タイの上がり3ハロン32秒6(推定)を繰り出しても差し届かなかった。騎乗した田辺裕信騎手は「二の脚がつきませんでした。ペースが遅くて動けない位置に入ってしまいました」と敗戦を悔やんだ。破竹の4連勝を挙げたのは全て今回と同じ左回りコースで、新潟・芝1600メートルでは2020年メイクデビュー新潟を勝利した実績がある。今度は差し切ってみせる。馬名の意味は「母名の一部+豹」。

ダノンザキッド

牡4歳

調教師:安田隆行(栗東)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:エピックラヴ
  • 母の父:Dansili
ここに注目!

半兄には2021年阪急杯2着のミッキーブリランテ(父ディープブリランテ)。本馬は早くから才能を示し、2歳時にホープフルSを優勝した。前走・安田記念は大きな差のない6着と、復調ムードが漂う。

6着に敗れはしたが、前走の安田記念は収穫のある一戦。後方からなかなか馬が進まなかった前々走・中山記念(7着)から一転、好位2番手を手応え良く進んだ。最後はなかなか手前を替えることができず伸びあぐねたが、勝ち馬ソングラインから0秒2差ならGⅠ馬の底力は示した形だ。騎乗した川田将雅騎手は「健康に競馬場に来られた分、自分から進んで行く競馬を選択しました。この着順ですが、前走よりもはるかにいい競馬はできました」と収穫を口にした。戦績にムラはあるものの、3走前のマイルチャンピオンシップでは3着に奮闘。今のマイル戦線で一線級の力を秘めているのは間違いない。馬名の意味は「冠名+人名愛称」。

ウインカーネリアン

牡5歳

調教師:鹿戸雄一(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:コスモクリスタル
  • 母の父:マイネルラヴ
ここに注目!

重賞は未勝利だが、すでに6勝をマーク。前々走の谷川岳S(新潟・芝1600メートル)、前走の米子S(阪神・芝1600メートル)とリステッド連勝中の勢いも魅力だ。機動力を生かして前々から粘り込む。

脚元の不安で昨春以降は長期休養を余儀なくされたが、今年3月に復帰。休み明けを使った後はリステッドを2連勝と軌道に乗り直した印象だ。好メンバーが集った前走の米子S(リステッド)は、好位3番手の外から早めに抜け出して快勝。騎乗した三浦皇成騎手は「ゲートの課題はありますが、毎回こなしてくれています。最後は詰め寄られたけど、着差以上の内容でした」と勝利を喜んでいた。この中間は順調な調整を消化。過去に悩まされた爪の不安はなく、追い切りでは機敏な動きを披露している。三冠馬コントレイルが誕生した年の皐月賞4着馬。待望の重賞初勝利へ視界は良好だ。馬名の意味は「冠名+宝石名」。

スカイグルーヴ

牝5歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:エピファネイア
  • 母:アドマイヤセプター
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

曽祖母エアグルーヴから連なる牝系は日本競馬の結晶。近2戦はともに1400メートルの京都牝馬S、京王杯スプリングCで連続2着と、本格化を果たした印象だ。ポイントは久々となるマイルへの距離延長だろう。

前走の京王杯スプリングCは中団後方を追走。直線はスムーズに脚を伸ばして上がり3ハロン33秒5(推定)をマークしたが、実力馬メイケイエールに0秒1差だけ届かなかった。騎乗したC.ルメール騎手は「勝った馬の後ろにつけていい目標だったけど、前が止まりませんでした。いい競馬はしてくれました」と振り返った。母は2012年京阪杯2着のアドマイヤセプター、祖母がエリザベス女王杯連覇のアドマイヤグルーヴ、曽祖母は天皇賞(秋)などを制したエアグルーヴという超良血馬。本馬は近3戦オール連対と本格化を果たした印象を受ける。今なら集中して1600メートルも走れそうだ。馬名の意味は「空に響かせる。母母名、母母母名より連想」。

ピースワンパラディ

牡6歳

調教師:大竹正博(美浦)

  • 父:ジャングルポケット
  • 母:クリアソウル
  • 母の父:アグネスデジタル
ここに注目!

2019年青葉賞3着、2021年京都金杯2着を含め、全13戦で3着以内が11回という堅実型。早くから秘めるポテンシャルは評価されていた。ここは脚部不安による長期休養明けになるが、得意の左回りのマイルで復活を期待したい。

昨年1月の京都金杯は好位4、5番手を追走。直線は鋭く追い上げたものの、前で運んだ勝ち馬に0秒1差だけ及ばなかった。しかし、2020年ポートアイランドS2着(リステッド・中京)、キャピタルS1着(リステッド・東京)に続く芝1600メートルでの好走。高い距離適性を感じさせる一戦となった。京都金杯で騎乗した福永祐一騎手は「これからもっと良くなるし、力をつければ重賞でも」と期待を寄せた。だが、その後に左前脚の屈腱炎を発症し、長期の休養を余儀なくされた。ここは約1年7か月ぶりの実戦。能力、適性は示しているだけに、直前の仕上がりはしっかりチェックしたいところだ。馬名の意味は「冠名+楽園(仏)」。

リアアメリア

牝5歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:リアアントニア
  • 母の父:Rockport Harbor
ここに注目!

2019年メイクデビュー阪神(芝1600メートル)、アルテミスSを連勝し、阪神ジュベナイルフィリーズ(6着)では1番人気に推された逸材。近走は歯がゆい競馬が続いていたが、久々の前走・マーメイドSで4着に入って復活の兆しを見せている。

前走のマーメイドSであらためて底力を証明した。大外枠からスーッと加速すると好位2番手を確保。最後は勝ち馬から0秒4差の4着に敗れたものの、約8か月ぶりを踏まえれば上々の内容だった。騎乗した幸英明騎手は「道中は折り合いに苦労しましたが、最後までしっかりと頑張ってくれました」とねぎらった。もともと不安があったスタートを決め、好位から正攻法の競馬を披露。行く気が強い馬だけに、マイルへ距離が短縮されるここは自分のリズムをキープできそうなのがいい。1週前追い切りでは素軽い走りで併走馬に先着しており、休み明けを使った効果も大きそうだ。馬名の意味は「母名の一部+“愛されるもの”を意味する女性名」。

ワールドバローズ

牡4歳

調教師:石坂公一(栗東)

  • 父:ディスクリートキャット
  • 母:ポーシア
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

オープンクラス入り後の重賞2戦目となった前走・京王杯スプリングCは、直線で強烈に伸びて4着。勝ち馬とは0秒2差で、前々走・東京新聞杯(7着)からの前進を示した。新潟の長い直線が合いそうなタイプだけに、ここでの初タイトル奪取は十分にあり得る。

先を見据えた一戦となった前走の京王杯スプリングC。それまでの9戦は徹底してマイル戦を使われていたが、久々の1400メートルに参戦した。レースは後方からメンバー中最速の上がり3ハロン33秒2(推定)の末脚を繰り出し、勝ち馬から0秒2差の4着に健闘。速い流れを経験させたいという思惑があった陣営も手応えを感じる内容だった。騎乗した和田竜二騎手は「休み明けの1400メートルでついて行けない場面はあったけど、最後はいい脚を使ってくれました」と評価した。ここであらためて主戦場のマイルへ。前走がいい刺激になっていれば、勝負しやすいポジション取りにつながるはずだ。馬名の意味は「世界+冠名」。

ザダル

牡6歳

調教師:大竹正博(美浦)

  • 父:トーセンラー
  • 母:シーザシー
  • 母の父:Lemon Drop Kid
ここに注目!

2021年エプソムC、2022年京都金杯で重賞を2勝。実績はここに入っても上位だ。前走のエプソムC(6着)は、得意とは言えない重馬場でもしっかりと脚を伸ばして上位を脅かした。良馬場ならもっと切れる。

前走のエプソムCは当日に大雨が降る不運。全6勝が良馬場の本馬にとっては走りのバランスをキープするのが難しい馬場状態(重)となった。それでも直線はしぶとく脚を伸ばして勝ち馬から0秒2差の6着。騎乗したD.レーン騎手は「しっかりと脚を使ってくれましたが、良馬場ならもっとやれたと思います」と肩を落とした。中京で行われた今年1月の京都金杯を見事な末脚で差し切っており、左回りの1600メートルに不安はなし。重賞2勝で58キログラムの斤量を背負うのはポイントとなるが、はね返すだけのポテンシャルは秘めている。馬名の意味は「世界一の夕日が見られるクロアチア西部の都市名。父名、母名より連想」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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