牡7歳
調教師:高橋義忠(栗東)
昨年の新潟大賞典で待望の重賞制覇を達成。秋は天皇賞(秋)で4着、ジャパンカップでも4着に入っており、能力の高さは証明済みだ。約2か月半ぶりの鳴尾記念(3着)を1度使って状態面は上向いており、主役の座は譲れない。
7歳初戦となった京都記念は、アフリカンゴールドがスローペースで逃げ切ったように前が残る展開だったが、4コーナー9番手から懸命に差を詰めて3着に好走。続く金鯱賞は直線で伸びを欠いて7着に敗れたが、約2か月半の休養で立て直された前走の鳴尾記念では、速い時計での決着に対応し、メンバー中最速タイとなる上がり3ハロン33秒6(推定)の末脚を発揮。直線では馬群をさばきながら勝ち馬に0秒1差の3着まで追い上げている。左回りで全5勝中4勝を挙げているが、京都記念のレース内容を踏まえれば右回りに問題はなく、2つ目の重賞タイトル獲得を狙う。
牡6歳
調教師:橋田満(栗東)
6歳初戦の中山金杯で2着に入ると、GⅠ初挑戦となった前走の大阪杯では勝ち馬から0秒5差の6着に健闘し、地力強化は明白。約3か月の休み明けになるが、本レースに照準を合わせて仕上げに抜かりはない。
3走前の中山金杯は、大外枠スタートから外を回るロスがありながらも、4コーナー9番手からしぶとく脚を伸ばして2着に好走した。続く小倉大賞典はスッと控えて後方待機策。スローペースで差し馬に不向きな展開だったが、直線で懸命に追い上げて5着に健闘した。前走の大阪杯は最内枠から脚をためて後方を追走。メンバー中最速タイとなる上がり3ハロン35秒0(推定)の末脚で勝ち馬から0秒5差の6着に入った。父は成長力豊かなハーツクライで、母スプリングサンダーは重賞で2着2回がある活躍馬。伯父には天皇賞(春)を勝ったスズカマンボがいる。重賞制覇に向けて機は熟した。
牡6歳
調教師:宮徹(栗東)
キャリアを重ねながら着実に地力をつけ、昨秋のアルゼンチン共和国杯で2着に入り、前走の目黒記念でも0秒1差の2着に好走。2年連続の函館記念参戦となるが、昨年(8着)以上の結果を期待したい。
前々走の日経新春杯は6着に敗れたが、騎乗した川須栄彦騎手が「1コーナーで挟まるところがありましたし、3コーナーでは力んでいました」と語ったように敗因は明らかで、悲観するレース内容ではない。約4か月半の休養明けとなった前走の目黒記念は、出負け気味のスタートでレース序盤は中団を進むが、スローペースと見るやポジションを上げて進出を開始。直線の追い比べでスッと反応できなかったが、しぶとく脚を伸ばして混戦の2着争いを制している。全5勝中3勝を2000メートルで挙げているように距離はベスト。昨年の札幌記念ではGⅠ馬3頭に次ぐ4着に健闘しており、洋芝適性の不安もない。
牡5歳
調教師:和田勇介(美浦)
4歳時の昨年は1勝クラスから破竹の4連勝を飾り、福島記念でも3着に入って一気に本格化。今春2戦の成績は少し物足りないが、函館コースは2戦2勝と好相性を誇っており、巻き返しが濃厚だ。
昨年11月の福島記念はパンサラッサ(その後ドバイターフ優勝)が別格の強さだったが、4コーナー9番手から追い上げて3着に入った。5歳初戦となった前々走の金鯱賞は、展開も不向きで8着に敗退。前走の都大路S(リステッド・中京・芝2000メートル)は、ハナを奪ってスローペースに持ち込みながらも7頭立ての5着に敗れたが、中間の調整過程で順調さを欠いていたこともあり、度外視できる結果だろう。今回は2か月ほど間隔が空いたが、6月29日の追い切りでは美浦南Wコースでの自己ベストタイムを出し、函館競馬場に移動後もすこぶる順調。今回は本領発揮が期待できそうだ。
牡8歳
調教師:池江泰寿(栗東)
2017年のチャレンジCを優勝。脚部不安で約1年5か月の長期休養を余儀なくされたこともあってか、一時期は成績も低迷していたが、前走のオープン特別・巴賞(函館・芝1800メートル)で勝ち馬から0秒2差の3着に入り、復調の兆しを示した。
約4か月半の休み明けだった前々走オープン特別・メイS(東京・芝1800メートル)は、道中で脚を使う形になって12着と大敗。函館記念の前哨戦とも言える前走のオープン特別・巴賞は、内枠を生かして中団のインを追走。直線はホウオウピースフル(1着)と併せるように脚を伸ばし、ゴール寸前で2着馬に寄られるシーンがありながらも3着に好走した。騎乗した斎藤新騎手は「フットワークが力の要る馬場向きで、洋芝が合うと思っていました。最近では一番いいレース内容でした」と走りを高く評価している。2017年チャレンジC以来約4年7か月ぶりの勝利を目指す。
牡7歳
調教師:藤原英昭(栗東)
3歳時のNHKマイルCで2着に入り、2021年の金鯱賞を鮮やかに逃げ切って重賞2勝目を挙げている。7歳夏を迎えたが、前々走の鳴尾記念で4着に入ったように地力は健在。今回も侮れない存在だ。
7歳初戦の佐賀記念(JpnⅢ・佐賀・ダート2000メートル)は初ダートで力を発揮できず大きく離された6着。続く金鯱賞は先行策から直線でしぶとく粘って5着に健闘した。約2か月半の休養を挟み、前々走の鳴尾記念はスッと前に取りついて3番手のインを追走。上位馬の瞬発力に屈した格好だが、直線は狭いスペースから抜け出して見せ場十分の4着に入った。前走の宝塚記念は直線で伸びを欠いて10着に敗れたが、豪華メンバーがそろっていたことを踏まえれば、悲観するレース内容ではない。成績がムラでアテにしづらいタイプだが、7歳馬でも馬体は若々しく、今回のメンバーなら有力候補に挙げられる。
牡6歳
調教師:国枝栄(美浦)
2019年のレパードSで重賞タイトルを獲得。約3年5か月ぶりの芝出走となった前々走の日経賞では勝ち馬から0秒4差の5着に健闘している。前走の天皇賞(春)は15着と大敗を喫したが、距離短縮であらためて注目したい。
前々走の日経賞は内枠を生かして中団のインを追走。スローペースで前が残る展開だったが、直線はしぶとく脚を伸ばして勝ち馬タイトルホルダーの5着に善戦した。ダートで活躍を続けていた馬だが、騎乗した大野拓弥騎手は「いいポジションで運べましたし、久しぶりの芝でも頑張ってくれました」と、本馬のレースぶりに称賛を送っている。前走の天皇賞(春)は15着に敗れたが、手綱を取った武豊騎手が「ラスト800メートルあたりで力尽きた感じでしたね」と振り返ったように、距離が敗因の一つだろう。ダートで培ったパワーがあり、洋芝の函館なら軽視はできない。
牝6歳
調教師:西村真幸(栗東)
2020年の中山牝馬S、福島牝馬Sで重賞2勝をマーク。6歳を迎えた今年は2戦続けて着外に敗れているが、3走前のターコイズSでは56キログラムのハンデを背負いながら4着に入っており、年齢的な衰えはなさそうだ。
今年初戦の中山牝馬Sは14着に敗れたが、騎乗した三浦皇成騎手が「下がってくる馬の後ろになり、前が壁になってさばけませんでした」と振り返ったように敗因は明白で、度外視できる結果だろう。前走の福島牝馬Sは8着。他馬より1キログラム重い55キログラムの斤量を背負い、4コーナー14番手からジワジワ差を詰めて勝ち馬から0秒7差なら、レース内容は悪くない。今回は約3か月の休み明けになるが、6月中旬から時計を出し始めて熱心な乗り込みを消化。函館で行われた昨年のクイーンSで勝ち馬から0秒2差の4着に入っており、コース適性の高さは証明済みだ。牡馬相手でも能力は引けを取らない。
(京増 真臣)
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