牡4歳
調教師:安田翔伍(栗東)
末脚に磨きがかかり、前走の3勝クラス・湘南S(東京・芝1600メートル)では、4コーナー15番手から豪快に抜け出して3馬身差の快勝。充実ぶりは目を見張るものがあり、今後のさらなる飛躍が期待される。
前々走の2勝クラス・小豆島特別(阪神・芝1600メートル)は、スッと控えて後方で折り合いに専念。抜群の手応えで直線を向き、鞍上が手綱を持ったままラスト300メートル付近で先頭を捕らえると、最後は後続を突き放して2馬身1/2差で快勝した。前走の3勝クラス・湘南Sも、じっくり構えて後方の2番手を追走。逃げたウインシャーロットが2着に粘る展開だったが、レースの上がり3ハロンタイムを1秒4上回る同32秒9(推定)の豪脚で鮮やかに突き抜けて2連勝を飾った。今回は3歳春のアーリントンC(13着)以来の重賞挑戦だが、競馬を覚えてきた今ならあっさり勝っても不思議はない。
牡6歳
調教師:大竹正博(美浦)
昨年のエプソムCで念願の重賞制覇を飾り、6歳初戦となった前々走の京都金杯でGⅢ2勝目をマーク。今回は58キログラムの斤量を背負うが、左回りの1600メートルから1800メートルはベストの舞台で、目が離せない存在だ。
富士S7着以来約2か月半の休み明けとなった前々走の京都金杯は、スタートで後手を踏み後方待機策。57.5キログラムのハンデを背負っていたが、直線は馬群をさばきながら末脚を繰り出し、ラスト100メートル付近で先頭を捕らえて重賞2勝目を挙げた。前走のダービー卿チャレンジTは10着。騎乗した田辺裕信騎手は「馬場(9レース前まで稍重)が良くなかったのか、ためが利かなかったです」と首を傾げるが、これまでの実績から力負けでないことは明らかだ。中間の調教では好調時と遜色のない動きを見せており、エプソムC連覇を目指す。
牡5歳
調教師:木村哲也(美浦)
3歳時の共同通信杯で重賞タイトルを獲得し、皐月賞(6着)、日本ダービー(13着)に駒を進めた実績馬。度重なる休養で出世は遅れたが、前走のダービー卿チャレンジTで3着に入り、復活をアピールしている。
約2か月半の休み明けだった前々走の洛陽S(リステッド・阪神・芝1600メートル)は、好スタートを決めて好位のインを追走。直線の追い比べで1度は完全に抜け出したが、最後はエアファンディタの強襲を受けてハナ差の2着に惜敗した。1番人気に支持された前走のダービー卿チャレンジTはスタートで出遅れたが、すぐに挽回して中団馬群でじっくり脚を温存。上位2頭の瞬発力に屈したものの、直線はしぶとく脚を伸ばして勝ち馬から0秒2差の3着に入った。約2か月半と間隔は空いたが、本レースを目標に入念な乗り込みを消化。共同通信杯を制した東京・芝1800メートルの舞台で、2つ目の重賞タイトルを狙う。
牡4歳
調教師:奥村武(美浦)
3歳夏のラジオNIKKEI賞で3着に好走し、前走の3勝クラス・アメジストS(東京・芝2000メートル)を勝ってオープンクラス入り。中間は本レースに照準を合わせて熱心に乗り込まれており、仕上げに抜かりはない。
3か月弱の休み明けとなった前走の3勝クラス・アメジストSは、好スタートを決めてすんなり先手を主張。スローペースの逃げに持ち込み、直線半ばまで手綱を持ったままで絶好の手応えを見せた。ラスト100メートルで食い下がるシンボ(3着)を振り切り、最後はグランオフィシエ(2着)の追い上げを寄せつけずに快勝。管理する奥村武調教師は「装鞍所からこれまでにないくらい落ち着きがありました。ゲート練習を積んだことで、駐立もちゃんとしていましたね」と、気性面の成長ぶりに目を細めていた。4歳を迎えて本格化ムード。重賞でも上位争いが濃厚だ。
牡4歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
初勝利に4戦、2勝目にも4戦を要したが、格上挑戦となった前走の3勝クラス・飛鳥S(阪神・芝1800メートル)で連勝を飾ってオープンクラス入り。本格化を遂げている1頭で、重賞でも遜色のない競馬ができそうだ。
前々走の1勝クラス(阪神・芝1800メートル)を5馬身差で快勝すると、前走の3勝クラス・飛鳥Sは、脚をためて中団やや後方を追走。直線は馬群の中で追いづらくなるシーンもあったが、残り200メートル付近で進路を確保すると、弾けるように突き抜けて2連勝を飾った。騎乗した川田将雅騎手が「いい背中をしていますし、これから経験を積んでいけば、もっといい走りができそうな雰囲気があります」と高評価を与えたように、重賞のメンバーに入っても素質は互角以上だろう。父ディープインパクト譲りの瞬発力を秘めており、東京コースでさらにパフォーマンスが上がりそうだ。
牝6歳
調教師:斎藤誠(美浦)
昨年の府中牝馬Sでは、レースの上がり3ハロンタイムを1秒3も上回る同33秒1(推定)の豪脚で鮮やかに差し切って重賞タイトルを獲得。近況の成績は今ひとつだが、GⅢでは有力候補に挙げられる。
6歳初戦となった前々走の金鯱賞は直線で伸びを欠いて12着に敗れた。前走のヴィクトリアマイルは、スッと控えて後方待機策。平均ペースで差しづらい展開のなか、メンバー中最速タイとなる上がり3ハロン32秒9(推定)の末脚でじわじわと差を詰めて勝ち馬に0秒6差の9着なら、レース内容は悪くない。騎乗した坂井瑠星騎手は「終い勝負にかけて、しっかり脚を使ってくれました。展開や相手次第でまだまだやれる馬です」とコメントした。今回のメンバーならGⅡ勝ちの実績は一枚上。東京・芝1800メートルはベストの条件で、巻き返しが可能だろう。
牡4歳
調教師:戸田博文(美浦)
今春のダービー卿チャレンジTで待望の重賞タイトルを獲得。安田記念への出走がかなわず、エプソムCにスライドとなるが、引き続き好調をキープしている。3歳時の京成杯で2着の実績があり、距離も2000メートルまでは守備範囲だろう。
前々走のダービー卿チャレンジTは、じっくり脚をためて後方2番手を追走。直線に入ってから大外へ持ち出すと、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒7(推定)の末脚を繰り出し、ゴール寸前でまとめて前を捕らえて重賞制覇を達成した。前走の京王杯スプリングCも、例によって後方待機策。落ち着いた流れで上位2頭とは位置取りの差も出たが、ゴール前は目立つ伸び脚を見せて勝ち馬から0秒2差の3着に好走した。母は桜花賞馬キストゥヘヴンで、父にロードカナロアを配した血統背景は一級品。良血馬が軌道に乗り、もうひと皮むけても不思議はない。
牡5歳
調教師:上原博之(美浦)
一昨年はスプリングSで重賞制覇を飾り、皐月賞では3着に好走。昨年のエプソムCは順調さを欠いて12着に敗れたが、今年は休み明け2戦目で状態面は上向いている。3歳時の実績からも侮れない存在だ。
脚部不安で約8か月半の休み明けとなった前々走の中山記念は、脚をためて後方待機策。パンサラッサ(次走・ドバイターフ優勝)がハイペースで飛ばして消耗戦になったが、直線でしぶとく脚を伸ばして4着まで追い上げ、あらためて地力の高さをアピールした。前走の都大路S(リステッド・中京・芝2000メートル)は、ゲート入りを嫌がり、直線の伸びを欠いて7頭立ての6着に敗れたが、勝ち馬から0秒3差なら悲観する内容ではない。4歳以降は脚元の不安などがあって順調に使えず、2年以上勝ち星から遠ざかっているが、本来のパフォーマンスを発揮できれば、ガラリ一変が期待できそうだ。
(京増 真臣)
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