今週の注目レース

安田記念(GⅠ)

東京競馬場 1600メートル(芝)定量 3歳以上オープン

出走馬情報

シュネルマイスター

牡4歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:Kingman
  • 母:Serienholde
  • 母の父:Soldier Hollow
ここに注目!

NHKマイルCを勝って臨んだ昨年の安田記念は、斤量差があったとはいえダノンキングリー、グランアレグリアに次ぐ3着に好走。秋のマイルチャンピオンシップではグランアレグリアの2着に入った。その2頭が引退して迎える今年はマイル路線の主役と言える存在だ。

昨年の安田記念は直線で1度は先頭に並ぶかという場面もあったが、外のダノンキングリー(1着)がもうひと伸びして、最後は内から追い込んできたグランアレグリア(2着)にも差されて3着だった。秋は毎日王冠から始動。残り200メートル付近で先頭に立ったダノンキングリー(2着)を目がけて一気に追い込み、アタマ差で勝利をもぎ取った。続くマイルチャンピオンシップはグランアレグリア(1着)の末脚に屈したものの、出色と言える上がり3ハロン32秒9(推定)をマークして2着に入り、非凡な脚力をあらためて示した。今年初戦のドバイターフ(G1・UAE・芝1800メートル)は8着。それ以来となる今回は、立て直しての状態がポイントになりそうだ。

ソウルラッシュ

牡4歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:エターナルブーケ
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

前走の読売マイラーズCは、スタートで出遅れて後方から。とても届くまいと思える位置からの追い込み勝ちだった。見た目のインパクトに加えて、破った相手も強力。GⅠを勝てるだけの力を示している。目下4連勝中。一気の頂点奪取も十分ありえる。

マイルに距離を短縮してからの4連勝は、高い適性を示しているうえ、いずれもすごみを感じさせるものだった。初めてのマイル戦だった昨年12月の1勝クラス(中京)は、直線でほとんど追うところなく楽勝。マイル2戦目の2勝クラス・クリスマスC(中山)は、2着馬ウインシャーロットとのマッチレースだったが、脚色は完全に上回っての勝利。続く3勝クラス・春興S(中山)は、ウインシャーロットと再びのマッチレースから、今度は2馬身突き放して快勝した。そして前走の読売マイラーズCでは、ほぼ直線だけでホウオウアマゾン(2着)以下を差し切って優勝。荒削りではあるが、それだけ伸びしろも大きい。マイル戦無敗でのGⅠ制覇があっても不思議はない。

イルーシヴパンサー

牡4歳

調教師:久保田貴士(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:イルーシヴキャット
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

皐月賞10着のあとはマイル路線へ。休養を挟みつつ大事に使われ、4連勝となった東京新聞杯で重賞初制覇を果たした。勢いもさることながら、直線だけでファインルージュ(次走のヴィクトリアマイルで2着)らを差し切った末脚は圧巻の一語。引き続き同舞台で好勝負が見込める。

出世を予感させたのが2勝目となった昨年6月の1勝クラス(東京・芝1600メートル)。スプリングS4着、皐月賞10着という成績ゆえ1番人気に支持され、それに応えた快勝は当然だったとも言えるだろうが、驚かされたのはその勝ち方と時計。後方で脚を温存すると直線は馬群を楽にさばいて悠々と差し切り、最後は流す余裕すら見せた。見た目にも強かったが、勝ち時計の1分32秒0は同開催の安田記念で5着に相当するもの。使用コースの違いはあるが、開催最終週にマークされた分さらに高い評価も可能で、素質の高さが垣間見えた一戦だった。本格化を示す素質馬が5連勝でマイル王に上り詰められるかに注目だ。

サリオス

牡5歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:サロミナ
  • 母の父:Lomitas
ここに注目!

一昨年の毎日王冠以降は勝利こそないが、前々走の香港マイル(G1・香港・芝1600メートル)で3着に入るなど、実力は世界レベル。あのコントレイルを皐月賞で苦しめた馬でもある。15着の高松宮記念は初めての1200メートルだった。主戦場のマイルで復活を期す。

2歳時に朝日杯フューチュリティSを勝って、3歳時は皐月賞と日本ダービーで連続2着。さすがにクラシック三冠を達成したコントレイルは強かったが、皐月賞では1/2馬身差の接戦を演じた。日本ダービー後は中距離・マイル路線へ。勝ち星が2020年の毎日王冠だけというのは物足りない気もするが、能力の高さは多くのファンが知るところ。昨年末の香港マイル(G1)は積極果敢な逃げを打ち、香港の雄ゴールデンシックスティ(1着)に早めにかわされたものの、最後までしぶとい走りを見せての0秒3差の3着。復調の兆しはうかがえた。前走の高松宮記念(15着)の結果からも、3勝を挙げているマイル戦で復活Vを狙いたい。

カフェファラオ

牡5歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:American Pharoah
  • 母:Mary's Follies
  • 母の父:More Than Ready
ここに注目!

今年初戦のフェブラリーSで連覇を達成し、東京・ダート1600メートルは4戦4勝。よほど条件が合っているのだろう。芝では昨年の函館記念9着があるのみだが、今回はコーナー通過2回の東京・マイル戦。好時計勝ちの前走・フェブラリーSからも戦える素地はありそうだ。

今年のフェブラリーSは前年以上の完勝。スタートを決めてサッと好位を取り終始スムーズに運ぶと、直線は抜群の反応で抜け出した。中山・ダート1800メートルの新馬戦や、中京・ダート1900メートルのシリウスSでの勝利があり、コースを1周する競馬でも実績は残しているが、とにかく東京のダート1600メートルではレースぶりが一変する。加えて今年のフェブラリーSはコースレコードと同タイム。レースのラスト3ハロンはいずれも11秒台のラップが並んでおり、芝でも通用するだけのスピードを示している。ほぼ同様のコース形態と言える東京・芝1600メートルなら、好勝負が可能だろう。

ファインルージュ

牝4歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:キズナ
  • 母:パシオンルージュ
  • 母の父:ボストンハーバー
ここに注目!

前回のヴィクトアマイルは直線でつまずき、立て直しての猛追。大接戦での2着確保は力を再認識させるものだった。牡馬相手の重賞経験は前々走の東京新聞杯(2着)だけだが、コースレコード決着だった昨年の桜花賞で勝ち馬から0秒1差の3着。時計勝負への不安はない。

距離不適に映ったオークス(11着)を除く8戦は全て3着以内。重賞はフェアリーSと紫苑Sで2勝。さらには桜花賞3着、秋華賞2着、東京新聞杯2着、ヴィクトリアマイル2着の成績を残しており、舞台を選ばぬ好走は能力の高さに他ならない。特に前走のヴィクトリアマイルは、直線でつまずいて完全にスピードが落ちたうえ、馬群の中に入る進路取りを余儀なくされたが、そこからグングン加速。勝ち馬には届かなかったが、ゴール前の伸びは出走馬中一番と言ってもよく、スムーズならと思わせるものだった。メンバーは強くなるが、互角に戦えるだけの末脚の鋭さと精神力の強さを備えている。

ナランフレグ

牡6歳

調教師:宗像義忠(美浦)

  • 父:ゴールドアリュール
  • 母:ケリーズビューティ
  • 母の父:ブライアンズタイム
ここに注目!

高松宮記念でGⅠ初制覇。芝で1400メートルを超える距離は走ったことがないが、引き続き脚をためる競馬ならこなしてもよさそう。これまで以上に良いポジションで走れる可能性もある。いずれにしろひと皮むけた感があり、未経験の舞台でも軽視はできない。

高松宮記念は直線で内を突いての差し切り勝ち。騎乗した丸田恭介騎手のレース後の涙も印象的だった。もともと末脚に定評はあったが、昨年秋のオパールS(リステッド・阪神・芝1200メートル)から5戦連続で3着以内に入っているように、ここにきての充実ぶりは本物と言える。デビューから29戦しているが、芝のマイルを使うのは今回が初めて。距離が最大の焦点になりそうだが、終い一手のタイプだけに直線にかけるレーススタイルなら対応可能だろう。むしろ左回りで直線の長いコースは得意としている条件。目下の勢いと充実ぶりを思えば軽視はできないはずだ。

ヴァンドギャルド

牡6歳

調教師:藤原英昭(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:スキア
  • 母の父:Motivator
ここに注目!

昨年2着だったドバイターフ(G1・UAE・芝1800メートル)で、今年も存在感を示す3着。着順こそ下げたが、1着同着で連覇となったロードノースとの差は3馬身からハナまで縮まった。海外連戦でさらに力をつけた様子。国内GⅠでは6着が最高だが、それ以上の結果が期待できる。

2年連続でドバイターフ(G1・UAE)を好走。今年は歴史に残る大接戦の末の3着だったが、昨年より走破時計を大幅に短縮したうえ、内容も格段に良化した。昨年はブリーダーズカップマイル(G1・アメリカ・芝1600メートル、12着)、香港マイル(G1・香港・芝1600メートル、6着)と海外を転戦。その経験が本馬をひと回り成長させたようだ。国内のGⅠは、2018年ホープフルSと2020年マイルチャンピオンシップの6着が最高着順だが、マイルチャンピオンシップは勝ったグランアレグリアから0秒5差。5着サリオスとは1/2馬身差で、相手と着差を思えば十分に評価できる。さらに唯一の重賞勝ちが今回と同条件の2020年富士S。海外で蓄えた力を発揮できる舞台だ。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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