春の新潟開催唯一の重賞が、この新潟大賞典だ。ハンデキャップレースでもあり、予想する際にはさまざまな切り口があるだろう。ここでは、過去10年の結果から、好走馬に共通するポイントを探っていこう。
過去10年の単勝人気別成績では、1、2番人気が共に0勝ということに注目したい。しかも、2番人気は3着以内が1回だけと、かなりの苦戦傾向にある。その一方で、6番人気以下の3着以内馬が延べ15頭と、伏兵馬の台頭が多い点に注目したい。ハンデ戦だけあって、下位人気馬にもチャンスがある重賞だといえそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 0-2-3-5 | 0% | 20.0% | 50.0% |
2番人気 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
3番人気 | 3-2-0-5 | 30.0% | 50.0% | 50.0% |
4番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
5番人気 | 3-0-0-7 | 30.0% | 30.0% | 30.0% |
6〜9番人気 | 2-2-4-32 | 5.0% | 10.0% | 20.0% |
10番人気以下 | 2-3-2-60 | 3.0% | 7.5% | 10.4% |
過去10年の前走別成績を見ると、出走馬のほとんどがGⅡ、GⅢ、オープン特別のいずれかに出走していたが、その中でもGⅡ組の3着以内馬が最も多く、3着内率でもGⅢ組やオープン特別組を上回っている。また、GⅠ組も出走数は5頭と少ないながら2頭が連対している。まずは前走で格の高いレースに出走していた馬を上位に評価すべきだろう。その一方で、前走が3勝クラスだった馬も14頭が出走し、5頭が3着以内に入っているが、その5頭はいずれも前走で勝利を挙げていた。条件クラスを勝ち上がってきた馬の勢いも軽視できない。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 1-1-0-3 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
GⅡ | 1-5-3-30 | 2.6% | 15.4% | 23.1% |
GⅢ | 3-2-2-49 | 5.4% | 8.9% | 12.5% |
オープン特別 | 3-1-3-36 | 7.0% | 9.3% | 16.3% |
3勝クラス | 2-1-2-9 | 14.3% | 21.4% | 35.7% |
過去10年の出走馬の近走の成績を調べると、過去3走で3着以内に1回以上入っていた延べ83頭の成績は〔8・7・8・60〕で、3着内率は27.7%となっている。これに対し、過去3走で3着以内に1回も入っていなかった馬は延べ74頭が出走し、3着内率9.5%と劣勢だ。また、勝率と連対率では3着以内の回数が多いほど数値が高くなっている。近走の成績を比較する際は、過去3走での3着以内の回数に注目したい。〔表3〕
回数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3回 | 3-2-2-9 | 18.8% | 31.3% | 43.8% |
2回 | 3-2-1-20 | 11.5% | 19.2% | 23.1% |
1回 | 2-3-5-31 | 4.9% | 12.2% | 24.4% |
0回 | 2-3-2-67 | 2.7% | 6.8% | 9.5% |
2017年以降の優勝馬5頭の過去2走の着順と、勝ち馬とのタイム差、単勝人気を見ると、いずれも過去2走の着順が6着以内、かつ勝ち馬とのタイム差が0秒6差以内だった。さらに、いずれかのレースで2着以内に入った経験も有していた上、前走・前々走共に単勝7番人気以内に支持されていた。今年の出走馬にこれらの条件を満たした馬がいる場合は、大いに注目してみたい。〔表4〕
(河野 道夫)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前々走の着順(タイム差)、単勝人気 | 前走の着順(タイム差)、単勝人気 |
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2017年 | サンデーウィザード | 1着、1番人気 | 3着(0秒2)、1番人気 |
2018年 | スズカデヴィアス | 2着(0秒0)、4番人気 | 3着(0秒6)、4番人気 |
2019年 | メールドグラース | 1着、1番人気 | 1着、3番人気 |
2020年 | トーセンスーリヤ | 3着(0秒1)、6番人気 | 1着、1番人気 |
2021年 | サンレイポケット | 2着(0秒1)、2番人気 | 6着(0秒2)、7番人気 |
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