牡7歳
調教師:安田翔伍(栗東)
前走の東京大賞典(GⅠ・大井・ダート2000メートル)で同レース4連覇の偉業を達成。JRAのレースには2020年平安S1着(京都)以来の参戦となる。阪神は2018年シリウスS1着以来の久々だが、当地は3戦3勝と相性がいい。
3歳時からダートの大舞台で活躍し、2018年東京大賞典(GⅠ・大井・ダート2000メートル)で初のビッグタイトルを獲得。昨年暮れの東京大賞典でGⅠ・JpnⅠ計5勝目を挙げた。これまでの成績は右回りコースが〔10・5・1・1〕、左回りコースが〔0・2・1・3〕と、左右で明暗が分かれている。2020年平安S1着後は全て地方交流競走に出走しており、今回は久々のJRA出走となるが、GⅢなら抜けた存在と言える。8日には栗東CWコースで6ハロン80秒5、ラスト1ハロン11秒7の好タイムをマークしており、7歳になっても活気十分。得意の右回りコースで今年の好発進を決めるのか、注目だ。
牡4歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
半姉マルシュロレーヌ(父オルフェーヴル)が昨年秋のブリーダーズCディスタフ(G1・アメリカ)を制した注目の血統。ダートで快進撃が続く本馬も、ここで重賞初制覇を果たして飛躍の足掛かりとしたい。
芝のデビュー戦は3着に敗れたが、ダート替わりの2戦目で6馬身差の圧勝。その後は休養を挟み、昨年7月の1勝クラス(新潟・ダート1800メートル)を9馬身差で勝つと、12月には2勝クラス(阪神・ダート1800メートル)、3勝クラス・摩耶S(阪神・ダート1800メートル)を2連勝してオープンクラス入りを決めた。今年初戦のオープン特別・総武S(中山・ダート1800メートル)も先手を奪って逃げ切り、2馬身1/2差の快勝。ここまでダートは6戦5勝で、唯一敗れたレース(3着)は不良馬場で時計の速い決着だった。ダートの良馬場なら負けておらず、力の要るコンディションなら4連勝での重賞タイトル獲得も狙えるはずだ。
牡4歳
調教師:大久保龍志(栗東)
昨年の12月からダートに転向して4連勝中。2020年京都2歳S(4着)では1番人気に支持された素質馬が、路線を変えて開花した。それ以来2度目の重賞挑戦になるが、今の勢いなら通用するはずだ。
芝でデビュー勝ちすると、京都2歳S(4着)、若駒S(リステッド・中京・芝2000メートル)3着、すみれS(リステッド・阪神・芝2200メートル)2着とオープンクラスで上位争いを演じた。その後は1勝クラスでなかなか勝ちきれず、昨年12月にダートを試すと一気に素質が開花。馬体重はデビュー当初から30キログラム近く増えており、ダートに対応できる力強さも出てきた。今年初戦のオープン特別・名古屋城S(中京・ダート1800メートル)は、好位から抜け出して2馬身差の快勝。4戦4勝のダートで重賞初制覇に挑む。
せん8歳
調教師:高木登(美浦)
過去3年の本レースは1着、2着、16着。昨年は最下位に敗れたが、もまれ弱さがある馬なので、スムーズに運べるかどうかが鍵になる。昨年のチャンピオンズC3着からも衰えは皆無。得意のレースで復活を期す。
2019年のアンタレスSで重賞初制覇を飾り、翌2020年のダイオライト記念(JpnⅡ・船橋・ダート2400メートル)で重賞2勝目を挙げた。その後もダート重賞で活躍し、昨年12月のチャンピオンズCでは14番人気の人気薄ながら3着に好走。近3走は3着以内に入れていないが、得意舞台に戻れば反撃も可能だろう。半兄のサウンドトゥルー(父フレンチデピュティ)は7歳時の2017年JBCクラシック(JpnⅠ)を勝ち、10歳でも勝ち星を挙げた。長く活躍する血統と言えるだけに、8歳になった本馬もまだまだ走れるはずだ。
牡6歳
調教師:西村真幸(栗東)
昨年は中京で重賞2勝。連覇を狙った前走の東海Sも2着と左回りでの好走が目立つが、阪神でも3勝と相性はいい。重賞2勝は重馬場と不良馬場で挙げており、今回も脚抜きのいい馬場になればチャンスだ。
2020年秋以降はオープンクラスで〔4・1・0・4〕の成績。連対を外した4戦のうち3戦はGⅠとJpnⅠだった。2020年ベテルギウスS(リステッド・阪神・ダート1800メートル)では、のちに2021年のチャンピオンズCを圧勝するテーオーケインズ(2着)を抑えて勝利。昨年の平安Sではマルシュロレーヌ(3着)を寄せつけず、6馬身差のコースレコードVを飾った。強敵を負かした実力を発揮できれば、久々の重賞制覇も狙えるはずだ。ここに向けて、栗東CWコースの調教では好タイムを連発。7日には6ハロン77秒4をマークした。約3か月ぶりでも好仕上がりで臨めそうだ。
せん10歳
調教師:佐々木晶三(栗東)
2020年の本レース勝ち馬。今年で10歳になったが、昨年は5戦して休み明けのプロキオンS(7着)以外は4着以内に好走。長期休養を挟みながら大事に使われており、自慢の末脚はまだまだ健在だ。
2018年夏からダート路線に転向して素質が開花。条件クラスを2連勝してオープンクラス入りすると、同年のチャンピオンズCは追い込んで2着に好走した。年齢を重ねても切れ味は衰えておらず、前走の東京大賞典(GⅠ・大井・ダート2000メートル)は2年連続の3着。4連覇を飾ったオメガパフュームとのタイム差は一昨年の0秒1から0秒5に開いたが、走破タイムは2秒4も縮めた。もともと休み明けは苦にしないタイプだが、今年の始動戦に向けて栗東坂路でじっくり乗り込まれており、出走態勢は整いそう。2年前の本レース以来となる勝利を目指す。
牡6歳
調教師:村山明(栗東)
昨年夏以降は〔3・2・0・2〕の成績で、本格化ムードが漂う。昨年の本レースは最内枠から先手を主張するも、激しく競り合って14着に敗れた。外めをスムーズに先行できれば、リベンジ可能だろう。
オープンクラス昇級後は苦戦が続いたが、昨年夏のオープン特別・阿蘇S(小倉・ダート1700メートル)が10番人気ながら目の覚めるような圧勝劇。好位から抜け出し、後続に5馬身差をつけた。騎乗した藤岡康太騎手は「能力はあるけど気難しさのある馬。大外枠でもまれなかったのがよかったです」と勝因を挙げた。近3走の交流重賞でも積極的な立ち回りで2着、1着、2着と好走。前走の名古屋大賞典(JpnⅢ・名古屋・ダート1900メートル、2着)は実力馬クリンチャーとアタマ差の接戦を演じた。ここも自分の形に持ち込むことができれば好勝負可能だろう。
牡8歳
調教師:新谷功一(栗東)
昨年の本レースはテーオーケインズに続く2着。マーチSからの臨戦過程も1年前と同じだ。その前走・マーチS(3着)は昨年の2着から着順を1つ落としたが、走破タイムは0秒2短縮。8歳でも衰えはなさそうだ。
5歳の2019年暮れに出走した3勝クラス・摩耶S(阪神・ダート1800メートル)を勝ってオープンクラス入りを果たした遅咲きホース。オープンクラスでの勝ち星は2020年仁川S(リステッド・阪神・ダート2000メートル)の1つだけだが、重賞でも堅実に走っている。特に本舞台の重賞は2020年みやこS2着、2021年アンタレスS2着と好走。さらに、前走に続いてコンビを組む内田博幸騎手とは昨年の本レース2着を含め、重賞に3回騎乗して〔0・2・1・0〕と相性がいい。今年3戦目となるが、順調に乗り込まれて好調をキープ。実績のある舞台で念願の重賞タイトルを狙う。
(寺下 厚司)
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