かつては「皐月賞の東上最終便」と言われた重賞で、遅れてきた大物がここで賞金を加算してクラシック出走を目指す、という位置付けだった。近年も2017年の優勝馬アルアインは次走で皐月賞を優勝、2021年の優勝馬シャフリヤールも次走で日本ダービーを制しているように、春のクラシックレースの前哨戦という位置付けは変わらない。今年もここからクラシックホースが誕生するのか。過去10年のデータから好走馬の傾向を探ってみた。
過去10年の毎日杯では、地方競馬デビューの馬を除いて3勝以上挙げていた馬の出走はなく、2勝馬と1勝馬による争いとなっている。その2勝馬と1勝馬で成績が良いのは2勝馬の方で、過去10年で2勝馬が連対しなかったのは2015年の1度だけ。1勝馬は馬券に絡んだ馬の半数以上に、重賞で5着以内に入った実績があった。〔表1〕
勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2勝 | 7-5-4-27 | 16.3% | 27.9% | 37.2% |
1勝以下 | 3-5-6-58 | 4.2% | 11.1% | 19.4% |
過去10年の出走馬の成績を、デビュー戦の時期別に調べると、3着以内馬の多くは秋競馬でデビューしていた。特に、2016年以降は連対馬全てが秋デビューの馬だった。近年は早期デビューの馬が注目を集めることもあるが、夏以前にデビューした馬は好走率が低く、2016年以降は1頭も馬券に絡んでいない。〔表2〕
時期 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
夏以前 | 2-1-2-37 | 4.8% | 7.1% | 11.9% |
秋競馬 | 8-7-7-40 | 12.9% | 24.2% | 35.5% |
年明け以降 | 0-2-1-6 | 0% | 22.2% | 33.3% |
地方競馬デビュー | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
毎日杯はとにかくディープインパクト産駒が強く、2021年に3着以内を独占するなど、過去10年間で5勝を挙げている。さらにその中でも2番人気以内に支持された馬が好成績で、〔5・5・2・2〕(3着内率85.7%)と好走率も非常に高くなっている。〔表3〕
父 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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ディープインパクト | 5-6-6-12 | 17.2% | 37.9% | 58.6% |
ディープインパクト以外 | 5-4-4-73 | 5.8% | 10.5% | 15.1% |
一般的に関西で行われる重賞は関西馬の成績が良くなりがちだが、毎日杯に関しては関東馬の好走率が高い。クラシックレースへの出走を目指し、関東から実力馬や素質馬が賞金の加算を狙って遠征してくるケースが多いようだ。関東馬の出走があれば要注目だ。〔表4〕
(姫園 淀仁)
所属 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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美浦 | 3-3-1-11 | 16.7% | 33.3% | 38.9% |
栗東 | 7-7-9-73 | 7.3% | 14.6% | 24.0% |
地方競馬 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
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