1963年に創設された正月開催の名物重賞。2000年に距離が1600メートルに短縮されて以降は、その年のマイル戦線を占う一戦となっている。京都競馬場の整備工事の影響により、昨年に続き今年も中京・芝1600メートルで開催されるが、今回は過去10年のデータを中心に分析していきたい。
過去10年の負担重量別成績では、ハンデの軽い馬よりも、56.5キログラム以上のハンデとなった馬の好走率が高い。2021年は上位3頭がいずれも56キログラムだったが、2013年から2018年にかけては毎年56.5キログラム以上の馬が馬券に絡んでいた。中でも、ハンデ56.5キログラム以上で単勝オッズ9.9倍以下に支持された馬は、過去10年で〔3・3・1・8〕(3着内率46.7%)と安定した成績を残している。〔表1〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
56kg以下 | 7-5-8-106 | 5.6% | 9.5% | 15.9% |
56.5kg以上 | 3-5-2-29 | 7.7% | 20.5% | 25.6% |
過去10年の馬体重別の成績を調べると、479キログラム以下だった馬の3着内率が27.3%であるのに対し、480キログラム以上だった馬は12.1%とやや低調だ。寒さが厳しくなってくる時季であることに加え、年末年始の変則開催の影響もあって、大型馬が仕上がりにくい面があるのかもしれない。〔表2〕
馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
479kg以下 | 6-5-7-48 | 9.1% | 16.7% | 27.3% |
480kg以上 | 4-5-3-87 | 4.0% | 9.1% | 12.1% |
好走率が高いのは前走からのレース間隔が詰まっている馬で、頭数は少ないものの、連闘や中1週で出走してきた馬の3着内率が高い。2016年13番人気2着のテイエムタイホー(連闘)の例もあり、人気の有無にかかわらず要注意である。一方、中7週以上の間隔が開くと3着内率がガクンと下がっている。〔表3〕
間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
連闘 | 0-1-0-2 | 0% | 33.3% | 33.3% |
中1週 | 1-0-2-8 | 9.1% | 9.1% | 27.3% |
中2週 | 1-1-3-27 | 3.1% | 6.3% | 15.6% |
中3週 | 3-3-2-29 | 8.1% | 16.2% | 21.6% |
中4週〜中6週 | 3-5-3-44 | 5.5% | 14.5% | 20.0% |
中7週以上 | 2-0-0-25 | 7.4% | 7.4% | 7.4% |
人気薄での好走が目立つのは前走で1400メートルを使われていた馬である。表にあるように、2021年に12番人気で優勝したケイデンスコール、2020年に14番人気で3着のボンセルヴィーソ、2016年に13番人気で2着のテイエムタイホーなど、1400メートルからの距離延長で穴をあけた馬が目立つ。〔表4〕
年度 | 着順 | 馬名 | 単勝人気 |
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2014年 | 3着 | ガルボ | 5番人気 |
2016年 | 2着 | テイエムタイホー | 13番人気 |
3着 | ミッキーラブソング | 7番人気 | |
2017年 | 3着 | フィエロ | 5番人気 |
2020年 | 3着 | ボンセルヴィーソ | 14番人気 |
2021年 | 1着 | ケイデンスコール | 12番人気 |
距離が1600メートルに短縮された2000年以降、優勝馬は全て4歳から6歳だった。しかも、ここ6年の優勝馬6頭はマイル戦3勝以上、もしくは2勝+マイル重賞2着以内の実績があった。勝ち馬を予想する際には年齢とマイル実績で絞り込みたい。〔表5〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 年齢 | 1600mでの勝利数 | 1600m重賞での主な実績 |
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2016年 | ウインプリメーラ | 6歳 | 2勝 | チューリップ賞2着 |
2017年 | エアスピネル | 4歳 | 2勝 | デイリー杯2歳S1着 |
2018年 | ブラックムーン | 6歳 | 5勝 | なし |
2019年 | パクスアメリカーナ | 4歳 | 3勝 | アーリントンC2着 |
2020年 | サウンドキアラ | 5歳 | 3勝 | なし |
2021年 | ケイデンスコール | 5歳 | 2勝 | 新潟2歳S1着 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。