中山大障害は1934年に創設された歴史ある障害の重賞で、かつては春秋の年2回開催だったが、1999年に春の開催が中山グランドジャンプに変更されたため、以降は年1回の開催となっている。障害の難度は高く、全馬が完走するだけで、スタンドには拍手が巻き起こる。そんなJ・GⅠ中山大障害の傾向を過去10年のデータから探ってみた。
前走で大敗した馬の巻き返しはあまりないレースで、過去10年の前走の着順別成績では、前走で3着以内だった馬の3着内率が44.8%あるのに対し、4着以下に敗れていた馬は5.0%と、かなり大きな開きが出ている。ちなみに2014年以降は、前走で3着以内に入っていた馬が7連勝中である。軸馬は前走で3着以内に入っていた馬から選びたい。〔表1〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 9-8-9-32 | 15.5% | 29.3% | 44.8% |
4着以下、競走中止 | 1-2-1-76 | 1.3% | 3.8% | 5.0% |
中山大障害は4コーナーで好位にいないと連対が難しいレース。過去10年の連対馬延べ20頭のうち19頭は、4コーナーを4番手以内で通過していた。4コーナーを好位で回れるか否かは、前走の4コーナーの通過順から判断したい。前走で4コーナーを4番手以内で通過した馬の3着内率が35.4%あるのに対し、5番手以下だった馬は低調な数値になっている。これだけ好走率に大きな開きがあるので、前走の4コーナーの通過順はチェックしておきたい。〔表2〕
前走の4コーナーの通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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4番手以内 | 9-7-7-42 | 13.8% | 24.6% | 35.4% |
5番手以下 | 0-3-3-64 | 0% | 4.3% | 8.6% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭のうち24頭は、同年の障害・オープンクラスのレースで勝利経験があった。なお、同年の障害重賞勝利馬に限定すると、〔7・4・6・12〕(3着内率58.6%)と好走率はさらにアップする。参考までに、今年障害重賞を制しているのは、メイショウダッサイ、マーニ、スマートアペックス、トゥルボー、アサクサゲンキ、ラヴアンドポップ、ケンホファヴァルトの7頭である。〔表3〕
優勝経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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あり | 9-5-10-37 | 14.8% | 23.0% | 39.3% |
なし | 1-5-0-71 | 1.3% | 7.8% | 7.8% |
障害レースといえば年齢を重ねていても活躍できるイメージがあるかもしれないが、過去10年の中山大障害においては、4歳馬と5歳馬の勝率が高い。もちろん6歳以上の馬の好走例もたくさんあるのだが、勝率はそこまで高くない。狙ってみたい4歳馬や5歳馬がいれば、思い切って1着に固定してみるのもアリかもしれない。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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3歳 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 3-0-1-10 | 21.4% | 21.4% | 28.6% |
5歳 | 4-4-1-31 | 10.0% | 20.0% | 22.5% |
6歳 | 1-3-5-20 | 3.4% | 13.8% | 31.0% |
7歳以上 | 2-3-3-46 | 3.7% | 9.3% | 14.8% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。