2020年の京王杯2歳Sは、単勝オッズ3.0倍(2番人気)のモントライゼが優勝を果たしたものの、2着に単勝オッズ57.5倍(9番人気)のロードマックスが、3着に単勝オッズ18.5倍(5番人気)のユングヴィが食い込んだこともあり、3連単11万5050円の高額配当決着となった。3連単の配当が10万円を超えたのは2012年以来で、1万円を超えたのも2016年以来だった。もっとも、2006年から2012年に7年連続で3連単の配当が10万円を超えるなど、波乱の決着となったことも決して少なくない。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみよう。
過去10年の3着以内馬30頭中21頭は、所属が栗東だった。一方、美浦所属の馬は3着内率11.1%とやや苦戦しており、地方馬は3着以内に入っていない。栗東所属の関西馬を重視した方がよさそうだ。〔表1〕
所属 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
美浦 | 3-2-4-72 | 3.7% | 6.2% | 11.1% |
栗東 | 7-8-6-30 | 13.7% | 29.4% | 41.2% |
地方 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
なお、美浦所属で3着以内に入った9頭のうち6頭は、“JRAの1勝クラス以上のレースにおいて3着以内、かつ上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以内”となった経験のある馬だった。新馬戦や未勝利戦でしか好走したことがない関東馬は、過信禁物とみておきたい。〔表2〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 2-1-3-17 | 8.7% | 13.0% | 26.1% |
なし | 1-1-1-55 | 1.7% | 3.4% | 5.2% |
過去10年の3着以内馬30頭中27頭は、前走の4コーナーの通過順が5番手以内だった。一方、6番手以下だった馬は3着内率6.3%と苦戦している。前走で先行していた馬を高く評価すべきだろう。〔表3〕
前走の4コーナーの通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5番手以内 | 7-10-10-59 | 8.1% | 19.8% | 31.4% |
6番手以下 | 3-0-0-45 | 6.3% | 6.3% | 6.3% |
過去10年の3着以内馬30頭中25頭は、通算出走数が2戦か3戦だった。一方、1戦だった馬は3着内率が13.3%に、4戦以上だった馬は3着内率が8.3%にとどまっている。キャリア2戦、3戦の馬は比較的信頼できるようだ。〔表4〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 2-0-0-13 | 13.3% | 13.3% | 13.3% |
2、3戦 | 7-9-9-58 | 8.4% | 19.3% | 30.1% |
4戦以上 | 1-1-1-33 | 2.8% | 5.6% | 8.3% |
過去5年の3着以内馬15頭中10頭は、前走がJRAの重賞だった。前走がJRA重賞だった馬は3着内率も47.6%と優秀な水準に達している。〔表5〕
前走の条件 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRAの重賞 | 4-4-2-11 | 19.0% | 38.1% | 47.6% |
JRAの重賞以外 | 1-1-3-34 | 2.6% | 5.1% | 12.8% |
一方、前走がJRAの重賞以外だった馬のうち、前走の着順が2着以下、もしくは前走が1着で2着馬とのタイム差が0.3秒以下だった馬は、3着内率5.9%と苦戦している。そのような馬は評価を下げるべきだろう。〔表6〕
(伊吹 雅也)
前走の着順ならびに前走の2着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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1着、かつ2着馬とのタイム差が0.4秒以上 | 1-0-2-2 | 20.0% | 20.0% | 60.0% |
2着以下、もしくは1着で2着馬とのタイム差が0.3秒以下 | 0-1-1-32 | 0% | 2.9% | 5.9% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。