世代初のマイル重賞であり、将来のGⅠを狙う2歳馬がここをスプリングボードに活躍することも多い。2013年の1着馬ハープスターが桜花賞優勝、2着馬イスラボニータが皐月賞優勝と、上位馬がともに翌年のクラシックを制したこともあった。そんな素質馬が集う2歳重賞を、過去10年のデータから分析していく。
過去10年の3着以内馬の7割はキャリア1戦で臨んできた馬だった。キャリア2戦の馬は8頭が3着以内に入っているが、キャリア3戦になると連対した馬はおらず3着が1回あるだけ。3着以内馬のほとんどがキャリア2戦以下の馬となっている。〔表1〕
キャリア | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 7-7-7-71 | 7.6% | 15.2% | 22.8% |
2戦 | 3-3-2-44 | 5.8% | 11.5% | 15.4% |
3戦 | 0-0-1-13 | 0% | 0% | 7.1% |
過去10年の前走別成績を見ると、前走でオープン特別を使われていた馬は26頭いて全て4着以下に敗れている。そのうち20頭を同じ新潟競馬場で行われるダリア賞組が占めているが、ダリア賞は内回りコースの芝1400メートル、新潟2歳Sは外回りコースの芝1600メートルで行われるため、内回りコースと外回りコースで求められる適性が違うことから、このような結果になっているのかもしれない。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅢ | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
オープン特別 | 0-0-0-26 | 0% | 0% | 0% |
新馬 | 7-7-7-71 | 7.6% | 15.2% | 22.8% |
未勝利 | 3-3-2-31 | 7.7% | 15.4% | 20.5% |
過去10年の勝ち馬は全て前走で1着だった。3着以内馬で見ても30頭中29頭が前走1着となっている。2着以下に敗れていた馬は23頭が出走し、馬券に絡んだのは2015年3着のマコトルーメンだけ。出走馬のほとんどが前走1着馬となりそうだが、2着以下だった馬は割り引きたい。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 10-10-9-106 | 7.4% | 14.8% | 21.5% |
2着以下 | 0-0-1-22 | 0% | 0% | 4.3% |
続いて、前走で1着だった馬についてそのレース内容を調べてみると、2着馬に大きなタイム差をつけていた馬の好走率が高くなっている。0.6秒以上のタイム差をつけて勝っていた馬は勝率が23.1%、3着内率は53.8%もある。逆に2着馬とタイム差がなかった馬は33頭いて1着がない。軸馬には前走をある程度のタイム差をつけて勝っていた馬を選びたい。〔表4〕
2着馬とのタイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
0.6秒以上 | 3-2-2-6 | 23.1% | 38.5% | 53.8% |
0.3秒〜0.5秒 | 3-0-2-25 | 10.0% | 10.0% | 16.7% |
0.1秒〜0.2秒 | 4-5-3-47 | 6.8% | 15.3% | 20.3% |
タイム差なし | 0-3-2-28 | 0% | 9.1% | 15.2% |
さらに絞り込むため前走の上がり3ハロンタイム(推定)の順位を調べてみると、前走の上がり3ハロンタイムが3位以下だった馬は、46頭いて全て4着以下に敗れている。長い直線が控えていることでスローペースの上がり勝負となることが多いので、鋭い瞬発力を披露して勝ち上がってきた馬が狙い目となりそうだ。〔表5〕
上がり3F(推定)順位 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 9-7-5-55 | 11.8% | 21.1% | 27.6% |
2位 | 1-3-5-27 | 2.8% | 11.1% | 25.0% |
3位以下 | 0-0-0-46 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬は、「キャリア2戦以内」、「前走が新馬戦か未勝利戦」、「前走1着」、「前走の2着馬とのタイム差が0.1秒以上」、「前走の上がり3ハロンタイム2位以内」の全てを満たしていた。また、それ以外にも単勝人気が4番人気以内、前走が全て左回りコース(新潟6頭、中京3頭、東京1頭)という共通点があった。これらを全て満たす馬がいれば勝ち馬の候補として注目したい。〔表6〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 単勝人気 | 前走の周回方向 |
---|---|---|---|
2011年 | モンストール | 4番人気 | 左回り |
2012年 | ザラストロ | 3番人気 | 左回り |
2013年 | ハープスター | 1番人気 | 左回り |
2014年 | ミュゼスルタン | 3番人気 | 左回り |
2015年 | ロードクエスト | 1番人気 | 左回り |
2016年 | ヴゼットジョリー | 3番人気 | 左回り |
2017年 | フロンティア | 3番人気 | 左回り |
2018年 | ケイデンスコール | 1番人気 | 左回り |
2019年 | ウーマンズハート | 1番人気 | 左回り |
2020年 | ショックアクション | 2番人気 | 左回り |
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