レパードSは2009年に創設された3歳限定のダート重賞で、後に史上初のジャパンカップダート(現チャンピオンズC)連覇を成し遂げるトランセンドや、ダートのGⅠ・JpnⅠを10勝したホッコータルマエなどがここで重賞初制覇を飾っている。古馬との戦いが本格化する前に箔を付けておきたい3歳馬が集う一戦の特徴を探るべく、過去10年の結果を分析する。
過去10年の単勝オッズ別成績を見ると、1.0倍から4.9倍の馬が6勝を挙げているが、2017年以降に限れば該当馬は〔0・2・1・5〕と勝ち切れておらず、2019年ハヤヤッコ(24.0倍)、2020年ケンシンコウ(22.3倍)とここ2年は単勝20倍台の馬が優勝している。2017年には単勝66.3倍のローズプリンスダムと同87.1倍のサルサディオーネがワンツー・フィニッシュを決めるなど、近年は波乱の決着が目立つことも覚えておきたい。〔表1〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1.0〜4.9倍 | 6-4-3-8 | 28.6% | 47.6% | 61.9% |
5.0〜9.9倍 | 0-3-0-19 | 0% | 13.6% | 13.6% |
10.0〜19.9倍 | 1-1-1-18 | 4.8% | 9.5% | 14.3% |
20.0〜29.9倍 | 2-0-4-6 | 16.7% | 16.7% | 50.0% |
30.0〜49.9倍 | 0-1-0-15 | 0% | 6.3% | 6.3% |
50.0〜99.9倍 | 1-1-1-20 | 4.3% | 8.7% | 13.0% |
100倍以上 | 0-0-1-32 | 0% | 0% | 3.0% |
過去10年の出走馬について、JRAのオープンクラスのレースで3着以内に入った経験の有無を調べてみると、3着以内馬30頭中17頭はこの経験を持つ馬だった。この経験を持つ馬は過去10年で毎年連対していることも踏まえると、これらの馬から軸を選ぶのが得策だろう。また、経験ありの馬には単勝オッズ20倍以上の低評価を覆して優勝したローズプリンスダムとケンシンコウが含まれており、オープンクラスのレースで好走経験を持つ馬は単勝オッズに関わらず軽視禁物だろう。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-5-4-21 | 21.1% | 34.2% | 44.7% |
なし | 2-5-6-97 | 1.8% | 6.4% | 11.8% |
過去10年の前走別成績を見ていくと、前走がジャパンダートダービーだった馬は45.5%と高い3着内率を示している。また、前走がユニコーンSだった馬は2着と3着がないもののジャパンダートダービー組に並ぶ4勝を挙げている。なお、前走が2勝クラスのレースだった馬は好走率こそいまひとつだが、同クラスを勝って臨んだ馬に限れば〔1・3・2・16〕と3着内率は27.3%まで上昇するだけに、該当馬はマークしておいた方がよさそうだ。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
ジャパンダートダービー | 4-3-3-12 | 18.2% | 31.8% | 45.5% |
ユニコーンS | 4-0-0-17 | 19.0% | 19.0% | 19.0% |
その他のJRA重賞 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
オープン特別 | 1-1-0-7 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
3勝クラス | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
2勝クラス | 1-4-2-44 | 2.0% | 9.8% | 13.7% |
1勝クラス | 0-2-0-25 | 0% | 7.4% | 7.4% |
その他の地方のレース | 0-0-3-8 | 0% | 0% | 27.3% |
海外のレース | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
過去6年の優勝馬はいずれも前走がオープンクラスのダート戦もしくは地方競馬のダートグレード競走で、勝ち馬とのタイム差が0.5秒以上で敗れていた。さらに、2走前が地方競馬のダートグレード競走、JRAのオープンクラスもしくは1勝クラスのレースで1着だったという共通点もある。この2点に該当する馬が出走してきたら勝ち馬の候補といえそうだ。〔表4〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 前走の着順と勝ち馬とのタイム差 | 2走前の着順 |
---|---|---|---|
2015年 | クロスクリーガー | ジャパンダートダービー2着(0.5秒) | 兵庫チャンピオンシップ1着 |
2016年 | グレンツェント | ユニコーンS3着(0.5秒) | 青竜S1着 |
2017年 | ローズプリンスダム | ジャパンダートダービー8着(1.6秒) | 鳳雛S1着 |
2018年 | グリム | ユニコーンS9着(1.2秒) | 青竜S1着 |
2019年 | ハヤヤッコ | 青竜S8着(1秒) | 1勝クラス1着 |
2020年 | ケンシンコウ | ユニコーンS3着(1.1秒) | 1勝クラス1着 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。