昨年は単勝10番人気馬が2着に入り、馬連の配当が2万円を超える波乱となった。2019年は14番人気馬が3着、2018年は15番人気馬が2着と、直近の3年は10番人気以下の伏兵馬が好走している波乱傾向の強い一戦だ。ここでは過去10年の結果から、好走馬に共通するポイントを探っていく。
過去10年の年齢別成績を調べると、4歳馬と5歳馬がそれぞれ3勝と勝利数は若い世代が優勢だ。ただ、3着内率はわずかながら7歳馬が上回っており、8歳以上の馬も3頭が3着以内に入るなど年長馬の好走例も少なくない。ちなみに、7歳馬は中4週以内だと〔2・4・2・8〕という成績で、3着以内馬は全てこのケースに当てはまっていた。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 3-1-2-18 | 12.5% | 16.7% | 25.0% |
5歳 | 3-1-5-28 | 8.1% | 10.8% | 24.3% |
6歳 | 2-2-0-36 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
7歳 | 2-4-2-22 | 6.7% | 20.0% | 26.7% |
8歳以上 | 0-2-1-21 | 0% | 8.3% | 12.5% |
過去10年の負担重量別成績を見ていくと、58キログラムの馬は延べ4頭と頭数こそ少ないものの半数が連対を果たしている。57キログラムから57.5キログラムの馬も32.1%と3着内率が高く、これには2020年カデナ、2019年スティッフェリオと直近2年の優勝馬も含まれている。一方、54キログラム以下は3着以内馬の頭数、好走率ともいまひとつ。ハンデが軽めの馬は割り引きが必要だろう。〔表2〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
53kg以下 | 0-2-1-22 | 0% | 8.0% | 12.0% |
54kg | 1-1-0-26 | 3.6% | 7.1% | 7.1% |
55kg | 3-1-4-28 | 8.3% | 11.1% | 22.2% |
56kg、56.5kg | 2-2-2-28 | 5.9% | 11.8% | 17.6% |
57kg、57.5kg | 3-3-3-19 | 10.7% | 21.4% | 32.1% |
58kg | 1-1-0-2 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
ハンデは過去の実績を元に決められる。過去10年の小倉大賞典ではハンデが重めだった馬の成績が良好であることを踏まえ、前年以降のJRA重賞において3着以内に入った経験の有無別成績を調べてみた。すると3着以内馬延べ30頭中21頭にはその経験があった。また、この経験を持つ馬は過去10年のうち9回で優勝しており、優勝を逃した2018年も2着と3着に入っている。近走の重賞で好走している馬は、軸として信頼できる存在と言えそうだ。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-7-5-54 | 12.0% | 21.3% | 28.0% |
なし | 1-3-5-71 | 1.3% | 5.0% | 11.3% |
冒頭で触れたように近年は波乱傾向にあるが、過去10年の優勝馬は単勝6番人気以内の馬に限られており、候補は人気面からある程度は絞れそうだ。また、2016年のアルバートドックを除く9頭は前走が芝2000メートル以上のレースだった点も共通していることから、さらに絞り込む際には前走から距離を短縮してきた馬を重視するといいかもしれない。〔表4〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 単勝人気 | 前走の距離 |
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2011年 | サンライズベガ | 6番人気 | 芝2200m |
2012年 | エーシンジーライン | 5番人気 | 芝2000m |
2013年 | ヒットザターゲット | 6番人気 | 芝2000m |
2014年 | ラストインパクト | 1番人気 | 芝2400m |
2015年 | カレンブラックヒル | 3番人気 | 芝2000m |
2016年 | アルバートドック | 2番人気 | 芝1600m |
2017年 | マルターズアポジー | 4番人気 | 芝2500m |
2018年 | トリオンフ | 1番人気 | 芝2000m |
2019年 | スティッフェリオ | 3番人気 | 芝2000m |
2020年 | カデナ | 4番人気 | 芝2000m |
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