2021年最初のGⅠとなるフェブラリーSは、春のダート王者を決める戦いとなる。2019年の勝ち馬インティ、2016年の覇者モーニンは、前年秋にはまだ3勝クラスに出走していたが、そこから一気に頂点まで上り詰めた。2021年のダート界を牽引するのはどの馬になるのか、ここでは過去10年のデータを分析する。
過去10年の出走馬について前走別の成績をまとめると、優勝馬は根岸S・東海S・チャンピオンズC・オープン特別のいずれかに出走していた。その中でもGⅠのチャンピオンズCから臨んだ馬は3着内率で40.0%を叩き出している。また、前走が川崎記念・東京大賞典という地方競馬のダートグレード競走だった馬は1着こそないものの、3着内率の数値は25%以上になっている。この辺りは予想する上で参考にできそうだ。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
根岸S | 4-2-2-48 | 7.1% | 10.7% | 14.3% |
東海S | 3-1-1-13 | 16.7% | 22.2% | 27.8% |
チャンピオンズC | 2-2-2-9 | 13.3% | 26.7% | 40.0% |
オープン特別 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
川崎記念 | 0-3-1-12 | 0% | 18.8% | 25.0% |
東京大賞典 | 0-2-3-12 | 0% | 11.8% | 29.4% |
武蔵野S | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
その他のレース | 0-0-0-24 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の年齢別成績では、優勝馬はいずれも4歳から6歳で、7歳と8歳以上の2組はともに連対率10%未満となっており、8歳以上は3着内率でも10%を下回っている。好走率・3着以内馬の数で勝る6歳以下の馬を重視したほうがよさそうだ。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 3-1-1-22 | 11.1% | 14.8% | 18.5% |
5歳 | 4-3-4-23 | 11.8% | 20.6% | 32.4% |
6歳 | 3-2-3-30 | 7.9% | 13.2% | 21.1% |
7歳 | 0-3-1-32 | 0% | 8.3% | 11.1% |
8歳以上 | 0-1-1-21 | 0% | 4.3% | 8.7% |
過去10年の単勝人気別成績をまとめると、1番人気組が3着内率で80.0%という高い数値を記録している。しかも、1番人気馬はここ7年連続で3着以内に入っている。なお、過去7年で3着以内に入った6番人気以下の馬は5頭だけだが、そのうち2頭が16頭立ての16番人気だった。〔表3〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-2-2-2 | 40.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気〜9番人気 | 1-1-4-34 | 2.5% | 5.0% | 15.0% |
10番人気以下 | 1-1-0-66 | 1.5% | 2.9% | 2.9% |
過去10年の馬番別成績では、真ん中から外寄りの馬番の成績が上位になっている。前項で単勝16番人気の2頭が3着以内に入っていることに触れたが、その2頭は13番(2014年1着コパノリッキー)、15番(2020年2着ケイティブレイブ)と共に外寄りの馬番だった。その他に2012年に7番人気で優勝したテスタマッタも馬番は16番だった。外寄りの馬番となった馬は、少し評価を上げてみるのも面白そうだ。〔表4〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番〜4番 | 3-2-2-33 | 7.5% | 12.5% | 17.5% |
5番〜8番 | 1-2-2-35 | 2.5% | 7.5% | 12.5% |
9番〜12番 | 3-1-6-30 | 7.5% | 10.0% | 25.0% |
13番〜16番 | 3-5-0-30 | 7.9% | 21.1% | 21.1% |
過去8年の優勝馬延べ8頭について、年明け初戦の成績を調べると、6頭は東海Sか根岸Sに出走して1着だった。また、残る2頭は年明け初戦がこのフェブラリーSで、前年最後のレースでは共に9着以下に敗れていた。勝ち馬の候補を絞り込む際は、東海Sか根岸Sで1着だった馬と、前走が前年のレースだった馬が狙い目と言えそうだ。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 年明け初戦の着順 |
---|---|---|
2013年 | グレープブランデー | 東海S1着 |
2014年 | コパノリッキー | 年明け不出走 |
2015年 | コパノリッキー | 東海S1着 |
2016年 | モーニン | 根岸S1着 |
2017年 | ゴールドドリーム | 年明け不出走 |
2018年 | ノンコノユメ | 根岸S1着 |
2019年 | インティ | 東海S1着 |
2020年 | モズアスコット | 根岸S1着 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。