毎年この時期の京都開催で行われてきた牝馬重賞。かつては芝1600メートル戦だったが、2016年からは芝1400メートルで行われ、今年は京都競馬場整備工事のため阪神・芝1400メートルで開催される。距離や開催場は違っていても、春の飛躍を目指す古馬牝馬がそろうことに変わりはない。ここでは過去10年のデータから傾向を調べてみた。
過去10年で1番人気は5勝2着3回で連対率は80.0%と、かなり高い数値が出ている。しかも、距離が芝1400メートルに短縮された2016年以降の1番人気馬は5戦4勝の成績で、勝率が大幅にアップしている。ちなみに、1番人気が3着以下に敗れた年は、2019年が3連単153万馬券、2015年が3連単286万馬券と、いずれも大波乱になった。今年も1番人気を信用するのか、それとも思い切って大穴を狙うのかの二択で考えてみたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-3-0-2 | 50.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
3番人気 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20.0% |
4番人気 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
5番人気 | 1-0-3-6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
6番人気以下 | 2-5-5-100 | 1.8% | 6.3% | 10.7% |
過去10年では4歳馬が6勝と最も多く優勝しており勝率も高い。しかし、3着内率では4歳から6歳の間にそこまで大きな差は出ていない。3着以内に入った6歳馬には下位人気の馬が多く、2020年には13番人気のメイショウグロッケが3着、2015年には15番人気のゴールデンナンバーが2着、2013年には10番人気のベストクルーズが3着に入って高配当を演出している。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 6-3-2-47 | 10.3% | 15.5% | 19.0% |
5歳 | 3-5-2-36 | 6.5% | 17.4% | 21.7% |
6歳 | 1-2-5-40 | 2.1% | 6.3% | 16.7% |
7歳 | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
8歳 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
京都牝馬Sは、収得賞金1600万円毎に斤量が1キログラム増える別定戦なので、実績がズバ抜けた馬の出走が少なく、実力が拮抗したメンバーになりやすい。前走別成績を見ると、好走例が多いのは前走GⅢ組で、なかでも京都金杯から転戦してきた馬が〔2・1・2・3〕と活躍が目立っている。また、前走が2勝クラスや3勝クラスだった馬が通用している点にも注意が必要だ。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 1-1-0-10 | 8.3% | 16.7% | 16.7% |
GⅡ | 1-0-0-8 | 11.1% | 11.1% | 11.1% |
GⅢ | 5-4-4-45 | 8.6% | 15.5% | 22.4% |
オープン特別 | 1-2-0-44 | 2.1% | 6.4% | 6.4% |
3勝クラス | 0-3-6-18 | 0% | 11.1% | 33.3% |
2勝クラス | 2-0-0-6 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
海外のレース | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
前走の条件(牝馬限定戦か否か)と着順別に成績を調べると、勝率が高いのは前走が牝馬限定戦で2着以内だった馬、3着内率が高いのは牡馬との混合戦で2着以内だった馬。どちらにしても軸馬は前走2着以内の馬から選びたい。なお、穴をあけることが多いのは牡馬との混合戦で3着以下に敗れていた馬で、牝馬限定戦に替わって激走するケースがよくある。2019年に9番人気で勝利したデアレガーロも、牡馬との混合戦を3連敗し人気を落としての出走だった。〔表4〕
(姫園 淀仁)
前走条件と着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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牝馬限定戦2着以内 | 4-1-0-13 | 22.2% | 27.8% | 27.8% |
牝馬限定戦3着以下 | 1-2-2-43 | 2.1% | 6.3% | 10.4% |
混合戦2着以内 | 2-4-5-15 | 7.7% | 23.1% | 42.3% |
混合戦3着以下 | 3-3-3-61 | 4.3% | 8.6% | 12.9% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。