2019年の日経新春杯で重賞初制覇を果たしたグローリーヴェイズは、同年の香港ヴァーズを勝ってGⅠウイナーの座に上り詰めた。また、2017年の日経新春杯が重賞初制覇だったミッキーロケットも、翌2018年の宝塚記念で優勝を果たしている。さらに、2016年の日経新春杯で自身初の重賞連対(2着)を果たしたシュヴァルグランは、翌2017年のジャパンカップを制した。当レースは芝中長距離戦線における、遅れてきた素質馬の登竜門と言えるかもしれない。今年は京都競馬場整備工事のため中京・芝2200メートルで行われるが、京都・芝2400メートルで行われた過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中28頭は、通算出走数が「25戦以内」だった。一方、「26戦以上」だった馬は3着内率3.6%と苦戦している。比較的キャリアが浅い馬を重視したいところだ。〔表1〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
25戦以内 | 10-9-9-60 | 11.4% | 21.6% | 31.8% |
26戦以上 | 0-1-1-53 | 0% | 1.8% | 3.6% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は、前走の着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0秒5以内だった。一方、前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0秒6以上だった馬は、3着内率4.8%と苦戦している。まずは前走好走馬に注目すべきだろう。〔表2〕
前走の着順と1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0秒5以内 | 8-10-8-34 | 13.3% | 30.0% | 43.3% |
2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0秒6以上 | 2-0-2-79 | 2.4% | 2.4% | 4.8% |
過去5年の3着以内馬15頭中13頭は、前走との間隔が「中8週以内」だった。一方、「中9週以上」だった馬は3着内率8.3%と苦戦している。近年の傾向を重視するならば、前走との間隔が比較的短い馬を高く評価したいところだ。〔表3〕
前走との間隔 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中8週以内 | 3-5-5-31 | 6.8% | 18.2% | 29.5% |
中9週以上 | 2-0-0-22 | 8.3% | 8.3% | 8.3% |
なお、前走との間隔が「中9週以上」だった馬で3着以内に入った2頭は、いずれも前走が「菊花賞」だった。「菊花賞」から直行してきた4歳馬でない限り、休養明けの馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表4〕
前走のレース | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
菊花賞 | 2-0-0-5 | 28.6% | 28.6% | 28.6% |
菊花賞以外 | 0-0-0-17 | 0% | 0% | 0% |
過去5年の3着以内馬15頭中12頭は、前走の単勝人気が「5番人気以内」だった。一方、「6番人気以下」だった馬は3着内率8.1%と苦戦している。臨戦過程を比較する際は、前走での単勝人気にも注目してみたい。〔表5〕
前走の単勝人気 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5番人気以内 | 4-5-3-19 | 12.9% | 29.0% | 38.7% |
6番人気以下 | 1-0-2-34 | 2.7% | 2.7% | 8.1% |
過去10年の優勝馬10頭は、いずれも前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が5位以内だった。前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が6位以下だったにもかかわらず優勝を果たしたのは、2009年のテイエムプリキュアが最後である。前走の上がり3ハロンタイム(推定)が6位以下だった馬は評価を下げた方がよさそうだ。また、この10頭は通算出走数が17戦以内だった点も共通している。〔表1〕で挙げたように通算出走数も重視すべきだろう。〔表6〕
(伊吹 雅也)
年次 | 優勝馬 | 前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 | 通算出走数 |
---|---|---|---|
2011年 | ルーラーシップ | 5位 | 8戦 |
2012年 | トゥザグローリー | 2位 | 17戦 |
2013年 | カポーティスター | 5位 | 9戦 |
2014年 | サトノノブレス | 4位 | 9戦 |
2015年 | アドマイヤデウス | 4位 | 8戦 |
2016年 | レーヴミストラル | 1位 | 8戦 |
2017年 | ミッキーロケット | 4位 | 11戦 |
2018年 | パフォーマプロミス | 2位 | 11戦 |
2019年 | グローリーヴェイズ | 1位 | 6戦 |
2020年 | モズベッロ | 1位 | 10戦 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。