注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
京都競馬場の整備工事に伴い、今年の京阪杯は阪神・芝1200メートルで行われる。京都・芝1200メートルで行われた2010年から2019年の京阪杯は、3着以内馬延べ31頭中23頭(2016年は3着同着)が1枠から4枠の馬だった。圧倒的に内枠優勢なレースがコースの変更によってどう変わるのかも、見どころの一つと言えそうだ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
2010年から2020年に阪神・芝1200メートルで行われた、3歳以上もしくは4歳以上のオープンクラスのレース(2010年から2019年のセントウルS、2011年の高松宮記念、2011年・2020年のCBC賞、2017年から2019年のタンザナイトS)における枠番別成績を調べると、「1枠から3枠」が「4枠から8枠」よりも高い3着内率をマークしている。〔表1〕
枠番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠〜3枠 | 8-6-8-58 | 10.0% | 17.5% | 27.5% |
4枠〜8枠 | 8-10-8-134 | 5.0% | 11.3% | 16.3% |
なお、2010年から2020年に阪神・芝1200メートルで行われた、3歳以上もしくは4歳以上オープンクラス、かつ出走頭数が15頭以上のレース(2010年から2012年・2014年・2015年・2018年のセントウルS、2011年の高松宮記念、2011年・2020年のCBC賞、2017年から2019年のタンザナイトS)における枠番別成績を調べると、「1枠から3枠」が3着内率31.3%だったのに対し、「4枠から8枠」は同12.5%とやや苦戦している。阪神・芝1200メートルで行われる今年も、特に多頭数となった場合は、内寄りの枠に入った馬を重視すべきだろう。〔表2〕
枠番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠〜3枠 | 7-6-8-46 | 10.4% | 19.4% | 31.3% |
4枠〜8枠 | 5-6-4-105 | 4.2% | 9.2% | 12.5% |
過去10年の3着以内馬延べ31頭中22頭は、前走の着順が「4着以内」だった。一方、「5着以下」だった馬は3着内率8.8%と苦戦している。基本的には前走好走馬が強いレースだ。〔表3〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 7-8-7-47 | 10.1% | 21.7% | 31.9% |
5着以下 | 3-2-4-93 | 2.9% | 4.9% | 8.8% |
なお、前走の着順が「5着以下」だった馬のうち、前走の4コーナーの通過順が「6番手以下」だった馬は、3着内率が3.1%にとどまっている。前走の5着以下、かつそのレースで先行していなかった馬は、評価を下げるべきかもしれない。〔表4〕
前走の4コーナーの通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5番手以内 | 2-2-3-30 | 5.4% | 10.8% | 18.9% |
6番手以下 | 1-0-1-63 | 1.5% | 1.5% | 3.1% |
過去10年の3着以内馬延べ31頭中25頭は、同年6月以降のJRA重賞において8着以内となった経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率8.7%と苦戦しており、2015年以降の過去5年に限れば〔0・1・1・32〕(3着内率5.9%)とさらに好走率が下がっている。大敗が続いている馬はもちろん、今年の夏以降に重賞のレースを使われていない馬も、上位に食い込む可能性は低いと見るべきだろう。〔表5〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 7-9-9-77 | 6.9% | 15.7% | 24.5% |
なし | 3-1-2-63 | 4.3% | 5.8% | 8.7% |
なお、同年6月以降のJRA重賞において8着以内となった経験がなかった馬のうち、前走の着順が「2着以下」だった馬は3着内率2.0%とさらに苦戦している。前記した経験がない上、直近のレースで敗れていた馬は、思い切って評価を下げた方がよさそうだ。〔表6〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 3-1-1-15 | 15.0% | 20.0% | 25.0% |
2着以下 | 0-0-1-48 | 0% | 0% | 2.0% |
過去5年の3着以内馬延べ16頭中13頭は、牡・せん馬だった。一方、牝馬は3着内率9.4%と苦戦している。2019年は3着以内馬3頭中2頭が牝馬だったものの、近年の傾向を重視するならば、牝馬は過信禁物と見ておくべきかもしれない。〔表7〕
(伊吹 雅也)
性 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 5-4-4-40 | 9.4% | 17.0% | 24.5% |
牝 | 0-1-2-29 | 0% | 3.1% | 9.4% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。