注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
今年で68回目を迎える歴史ある3歳以上牝馬の重賞。不思議と4番人気が強いレースで、昨年も4番人気のスカーレットカラーが優勝するなど、過去10年で4勝を挙げている。その反面、1番人気は過去10年で1勝止まり。今年はどんな馬が活躍するのか? 過去10年の結果から探ってみた。
過去10年の枠番別成績は偏っており、1着馬が出ているのは4枠、7枠、8枠の3つだけ。特に7枠と8枠の3着内率が高く、それらの枠の馬がそろって4着以下に敗れた年はなかった。軸馬は7枠か8枠から選びたい。成績が悪いのは5枠と6枠で、2017年2番人気3着のアドマイヤリード(5枠)、2016年1番人気3着のスマートレイアー(5枠)、2013年2番人気4着のマイネイサベル(5枠)のように、直線で鋭い脚を使いながらも差し届かず惜敗というケースがみられた。〔表1〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 0-3-0-12 | 0% | 20.0% | 20.0% |
2枠 | 0-1-1-13 | 0% | 6.7% | 13.3% |
3枠 | 0-2-2-12 | 0% | 12.5% | 25.0% |
4枠 | 3-1-0-15 | 15.8% | 21.1% | 21.1% |
5枠 | 0-0-2-16 | 0% | 0% | 11.1% |
6枠 | 0-0-1-19 | 0% | 0% | 5.0% |
7枠 | 5-0-1-14 | 25.0% | 25.0% | 30.0% |
8枠 | 2-3-3-15 | 8.7% | 21.7% | 34.8% |
夏を休養に充てた馬、夏競馬を使われて秋初戦の馬、ここが秋2戦目になる馬など、様々なローテーションの馬が集うが、主流は夏季開催(6月から9月上旬)にレースを使われてここが秋初戦になる馬だ。夏以降を休養に充てた馬や、すでに秋季開催で出走していた馬の成績はいまひとつで、春の牝馬限定GⅠ・ヴィクトリアマイルからの休み明けでは3着が最上位、秋季開催の京成杯オータムHやオールカマーからの転戦馬は1頭も馬券に絡んでいない。〔表2〕
前走の時期 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
同年春季開催 | 0-0-2-14 | 0% | 0% | 12.5% |
同年夏季開催 | 9-9-8-78 | 8.7% | 17.3% | 25.0% |
同年秋季開催 | 1-0-0-21 | 4.5% | 4.5% | 4.5% |
前走別成績を調べると、クイーンS、新潟記念、札幌記念など、前走で夏の中距離重賞を使われた馬が好成績。頭数は少ないが、関屋記念や米子Sなどマイル戦を使われていた馬の成績も悪くない。ちなみに出走頭数が最も多いクイーンS組の中では、同レースで2着以内だった馬(3着内率37.5%)や、同じく2番人気以内だった馬(3着内率44.4%)の好走率が高いので、クイーンS組はそこでの着順や人気でふるいにかけるのがいいだろう。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
クイーンS | 3-3-2-23 | 9.7% | 19.4% | 25.8% |
新潟記念 | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% | 25.0% |
米子S | 1-1-0-0 | 50.0% | 100% | 100% |
札幌記念 | 1-0-1-6 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
小倉記念 | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% | 小倉日経OP | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
関屋記念 | 0-2-2-2 | 0% | 33.3% | 66.7% |
マーメイドS | 0-1-1-13 | 0% | 6.7% | 13.3% |
安田記念 | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
ヴィクトリアマイル | 0-0-2-10 | 0% | 0% | 16.7% |
その他の重賞 | 0-0-0-17 | 0% | 0% | 0% |
その他のオープン特別 | 0-0-0-7 | 0% | 0% | 0% |
条件クラス | 2-0-2-26 | 6.7% | 6.7% | 13.3% |
地方のレース | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
海外のレース | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
年齢別の成績を見ると4歳馬の勝率が高い。出走頭数が少ない3歳馬を除くと3着内率に年齢差はないように見えるが、直近の3年に限定すると、4歳馬の3着内率が31.8%なのに対し、5歳以上の馬は11.8%にとどまっている。トレンドは4歳馬と言えるだろう。また、4歳馬の中でも2歳重賞で掲示板(5着以内)に載った経験のある馬が有力で、2019年スカーレットカラー(アルテミスS5着)、2018年ディアドラ(ファンタジーS3着)、2017年クロコスミア(アルテミスS3着ほか)と3年連続で優勝している。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-0-2-1 | 0% | 0% | 66.7% |
4歳 | 7-4-3-41 | 12.7% | 20.0% | 25.5% |
5歳 | 3-4-3-53 | 4.8% | 11.1% | 15.9% |
6歳 | 0-2-2-15 | 0% | 10.5% | 21.1% |
7歳以上 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
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