注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
2014年にいちょうSの名称で創設された2歳限定のマイル重賞で、翌年から現在のレース名で行われている。過去6回の優勝馬のうち4頭が後にGⅠ制覇を成し遂げているという、とんでもない出世レースである。今年も年末の2歳GⅠや翌年のクラシックを見据えた素質馬たちが、府中の芝1600メートルでしのぎを削る必見の重賞だ。
過去6回の優勝馬は全て前走で新馬戦か未勝利戦を勝ち上がっていた馬だった。特に最近は6月の東京や阪神の新馬戦を勝利した後、目標をここに絞って調整してきた馬が3年連続で優勝している。一方、1勝クラス(旧500万下)のレースを経由した馬は11頭いて全て4着以下に敗れている。また、前走が重賞だった馬もあまり成績はよくない。馬券の軸には前走が新馬・未勝利勝ちの馬を、中でも6月の新馬戦勝ち馬を狙ってみたい。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
重賞 | 0-0-1-10 | 0% | 0% | 9.1% |
オープン特別 | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
1勝クラス | 0-0-0-11 | 0% | 0% | 0% |
新馬 | 3-5-2-8 | 16.7% | 44.4% | 55.6% |
未勝利 | 3-0-3-18 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
前項で新馬・未勝利勝ちの馬に着目したが、この時期の2歳重賞であるため前走が新馬・未勝利勝ちだった馬はたくさんいる。そこでチェックしたいのが2着馬とのタイム差である。表にあるように、前走で2着馬に0秒3以上の差をつけていた馬の好走率が高いのに対し、0秒2以下だった馬は好走率が低くなっている。初勝利を挙げたレースである程度のパフォーマンスを披露していた馬が活躍しているようだ。〔表2〕
タイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
0秒6以上 | 2-2-1-3 | 25.0% | 50.0% | 62.5% |
0秒3〜0秒5 | 4-1-1-5 | 36.4% | 45.5% | 54.5% |
0秒1〜0秒2 | 0-1-2-8 | 0% | 9.1% | 27.3% |
タイム差なし | 0-1-1-10 | 0% | 8.3% | 16.7% |
さらに、前走欄でもう一つ確認しておきたいのが単勝人気だ。過去6回のこのレースでは素質馬や評判馬の活躍が多く、それらの馬は前走でも上位人気に支持されていた。中でも前走で1番人気だった馬の3着内率が66.7%とかなり高い数値になっている。なお、前走で5番人気以下だった馬が3着以内に入ったことは一度もない。〔表3〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-4-5-6 | 16.7% | 38.9% | 66.7% |
2番人気 | 3-0-0-12 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
3番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 0-1-0-2 | 0% | 33.3% | 33.3% |
5番人気以下 | 0-0-0-22 | 0% | 0% | 0% |
東京競馬場は直線が長く瞬発力が問われるコースである。鋭い末脚を持つ馬の方が有利にレースを運べる。それはデータにも顕著に出ており、過去6回の連対馬は、全て前走での上がり3ハロンタイム(推定)順位が2位以内だった。〔表4〕
(姫園 淀仁)
順位 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 5-4-4-21 | 14.7% | 26.5% | 38.2% |
2位 | 1-2-0-8 | 9.1% | 27.3% | 27.3% |
3位 | 0-0-1-5 | 0% | 0% | 16.7% |
4位、5位 | 0-0-0-7 | 0% | 0% | 0% |
6位以下 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
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