注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
牡5歳
調教師:安田隆行(栗東)
ここまで重賞5勝の実績はメンバー中でもトップクラスで、そのうち4勝が芝1200メートルと、距離適性の高さも疑いようがない。今回も主役候補の1頭となることは間違いなく、念願のGⅠ初制覇に向けて、前哨戦のここで弾みをつけたいところだ。
前走の安田記念は14頭立ての大外枠からスピードの違いでハナを奪うと、自らの逃げでペースを作った。直線半ばまで先頭をキープしたが、後続にかわされて最終的には8着でゴール。ただ、2年1か月ぶりのマイル戦に加え、グランアレグリア(1着)、アーモンドアイ(2着)、インディチャンプ(3着)など強敵相手のGⅠだったことを考えれば、決して悲観する内容ではないはずで、この経験を今後に生かしたいところだ。今回は走り慣れた1200メートル戦。3走前の高松宮記念はスピードのそがれる重馬場もこたえて10着に敗れただけに、週末の天気は気になるところだが、開幕週の馬場はプラスだろう。
牡3歳
調教師:中竹和也(栗東)
半姉ブランボヌール(父ディープインパクト)は芝1200メートルの重賞を2勝。半兄エントシャイデン(父ディープインパクト)、半姉アフランシール(父ハーツクライ)もオープンクラスまで出世しており、血統的なポテンシャルは高い。本馬もさらなる活躍が期待できる。
前走の葵Sは、二の脚を利かせて先頭に躍り出ると、後続を1馬身ほどリードしながら余力十分に直線へ。その後も突き放す力強い粘りを見せ、ゴール前で2着馬のレジェーロにクビ差まで迫られたものの、着差以上の強さを感じさせる完勝だった。前半600メートル通過タイム33秒5という速いペースを刻んでおり、あらためて高いスピード能力も証明した形だ。3走前の朝日杯フューチュリティSは7着、前々走のファルコンSは9着と敗れているが、1200メートル戦では4戦して3勝、2着1回とほぼパーフェクトな成績を誇る。他世代との初対戦でも期待は高まる。
牡4歳
調教師:藤沢則雄(栗東)
母は現役時代にダート戦とはいえ、1000メートルで2勝、1200メートルで1勝を挙げ、高い短距離適性を示していた。父も名マイラーのモーリスを送り出すなど、高いスピードを産駒に伝えており、本馬も1200メートル戦の出走回数は多くないが、しっかりとこなせるだろう。
初めての1200メートル戦だった3走前の高松宮記念は、スタートから抜群のダッシュを見せて先行集団に取りつくと、徐々にポジションを押し上げ、手応え十分に4コーナーを3番手で回り直線を向いた。そしてラスト200メートル過ぎから鋭く伸び、逃げるモズスーパーフレアを捕らえ、1位で入線。結果的に、直線で進路妨害があり4着降着となったが、GⅠ級の能力があることは証明できた。前々走のCBC賞(12着)は、トップハンデの58キログラムを背負い、直線も窮屈になる場面があった。前走の関屋記念(18着)も、4戦ぶりのマイル戦が敗因の一つだろう。条件が好転する今回は、仕切り直しの一戦となる。
牡5歳
調教師:野中賢二(栗東)
昨年12月の阪神C(7着)で芝に転じてから5戦して、そのうちの4戦で掲示板を確保(5着以内)しており、芝もこなせることを示している。展開に左右されやすい面はあるものの、ラストは確実に伸びる馬。今回も流れが向けば好走が期待できそうだ。
前走の函館スプリントSは、後方からレースを進め直線勝負にかけ、馬群の外から猛然と追い込んだが5着まで。とはいえ、先行した2頭がそのまま1、2着に残ったように流れが不向きだったことは確か。そのなかで、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒5(以下推定)をマークしての掲示板(5着以内)確保は価値があるだろう。前々走の高松宮記念でも、メンバー中最速タイとなる上がり3ハロン33秒1の末脚を発揮。結果は5着も、初めてのGⅠ挑戦ならば大健闘だったと言えるはずだ。今回と同じ舞台で、しかも重馬場での結果。馬場コンディションを問わない点は強みと言えるだろう。
牡5歳
調教師:藤原英昭(栗東)
中京・芝1200メートルは、昨年の高松宮記念でGⅠ初制覇を成し遂げた思い出の舞台。セントウルSは例年なら阪神開催となるだけに、この条件替わりは本馬にとって歓迎材料だろう。GⅠ制覇以来しばらく白星から遠ざかっているが、久々の勝利を飾りたい。
前走の安田記念は、3歳時のNHKマイルC以来となるマイル挑戦だった。スタートから積極的にポジションを取りに行き、前々でのレース運び。直線も半ばまでは粘りを見せたが、最後は失速して11着でゴールした。前々走のJBCスプリント(JpnⅠ。浦和・ダート1400メートル)も、久しぶりのダートが響いたのか6着。ただ、近2戦は明確な敗因が考えられるだけに、見限るのは早計だろう。3走前のスプリンターズSは、外々を運びながら直線で1度先頭に並びかける勢いで、見せ場たっぷりの4着と地力をアピール。条件さえはまれば巻き返しが可能で、GⅠタイトルを獲得した高松宮記念と同じ舞台で行われる点もプラスに働くはずだ。
牡5歳
調教師:高橋康之(栗東)
伯母に3歳牝馬ながらスプリンターズSを制した快速馬アストンマーチャンがいるように、牝系が伝えるスピードは相当なものがある。本馬は1200メートルから1600メートルをこなしているが、ベストはやはり芝1200メートル戦。今回も堅実な走りが期待できるだろう。
前走の北九州記念は、3枠5番のスタートから道中は内々を回りながら5、6番手でレースを進めた。直線は追い込み勢にかわされ6着でゴールしたが、レースセンスの高さはあらためて示した。今回も枠順は鍵を握りそうだが、開幕週の馬場コンディションならば持ち前の競馬のうまさが生きるはずだ。前々走のオープン特別・福島テレビオープン(福島・芝1200メートル)では、同クラス初勝利を1馬身1/4差の完勝で挙げているように、5歳ながら成長力を見せており、重賞初制覇に手が届いていい。今回は初めての左回りコースがどうかだが、克服できれば上位争いも可能だろう。
牡6歳
調教師:渡辺薫彦(栗東)
ここまで3度の重賞挑戦があり、最高着順は3着だが、半兄サトノノブレス(父ディープインパクト)が重賞4勝をマークしたように、血統的なポテンシャルは高い。芝1200メートル戦も今回が3戦目と慣れが見込めるだけに、上位争いも可能だろう。
前々走のオープン特別・福島テレビオープン(福島・芝1200メートル)は、中団前めからレースを運び、手応えよく直線を向くと内をついて差し脚を伸ばした。結果は6着とはいえ、勝ち馬トゥラヴェスーラとは0秒2差、2着以下とはタイム差なしで走っており、着順ほど内容は悪くなかった。前走の北九州記念も、後方待機からメンバー中最速となる上がり3ハロン34秒1(推定)の目を引く伸びで猛追し、4着(同着)まで追い上げた。1200メートルへ転じた近2戦で距離への適性を見せているだけに、ここも展開次第でチャンスは十分にありそうだ。
(山口 大輝)
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