注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
条件クラスを勝ち上がってきた上がり馬、サマースプリントシリーズのチャンピオンを目指す馬など、スプリンターズSを見据えて出走してくる馬など、様々な目標を持った馬が交錯する短距離重賞。2014年に3連単395万馬券、2017年に同107万馬券、2012年にも同99万馬券が飛び出した荒れる重賞を、過去10年のデータから解析してみた。
距離が1200メートルに短縮された2006年以降、単勝1番人気で勝利したのは2008年のスリープレスナイト1頭のみとなっている。過去10年で見ても、表にあるように1番人気は連対率と3着内率もさほど高くない。また、2番人気から4番人気の好走率も高くはないので、上位人気馬の取捨には注意が必要だ。データ的には5番人気から9番人気あたりの馬に妙味がありそう。中でも8番人気は過去10年で4勝を挙げている。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 0-2-1-7 | 0% | 20.0% | 30.0% |
2番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気 | 2-0-2-6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
7番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
8番人気 | 4-0-0-6 | 40.0% | 40.0% | 40.0% |
9番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
10番人気以下 | 0-3-2-73 | 0% | 3.8% | 6.4% |
過去10年の北九州記念の前後半3ハロンのタイムを比較すると、ほとんどの年において前半3ハロンは32秒台の速いペースで流れて、後半3ハロンで2秒前後タイムが落ちているのがわかる。スピード自慢がそろい多頭数になる北九州記念はハイペースになる確率が高いようだ。昨年も9番人気のダイメイプリンセスがハイペースに乗じて差し切り勝ちを決めている。〔表2〕
年 | 前半3F | 後半3F | 優勝馬の4コーナー通過順 |
---|---|---|---|
2010年 | 32秒1 | 35秒0 | 10番手 |
2011年 | 32秒4 | 34秒8 | 9番手 |
2012年 | 32秒2 | 34秒7 | 12番手 |
2013年 | 32秒2 | 34秒5 | 10番手 |
2014年 | 33秒1 | 34秒4 | 3番手 |
2015年 | 32秒7 | 34秒6 | 4番手 |
2016年 | 33秒6 | 34秒9 | 10番手 |
2017年 | 32秒8 | 34秒7 | 2番手 |
2018年 | 32秒4 | 34秒2 | 6番手 |
2019年 | 32秒7 | 35秒5 | 8番手 |
ハンデ戦の北九州記念において、過去10年で好走率が高くなっているのは52キログラムと55キログラムの馬。昨年も55キログラムのダイメイプリンセスが優勝、52キログラムのディアンドルが2着に入っている。なお、ハンデが50キログラム以下の馬や、56.5キログラム以上の馬は、過去10年で1頭も3着以内に入っていないので、データ的には軽視することができそうだ。〔表3〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
50kg以下 | 0-0-0-14 | 0% | 0% | 0% |
51kg | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
52kg | 2-4-1-10 | 11.8% | 35.3% | 41.2% |
53kg | 2-2-2-27 | 6.1% | 12.1% | 18.2% |
54kg | 1-0-3-26 | 3.3% | 3.3% | 13.3% |
55kg | 4-3-0-19 | 15.4% | 26.9% | 26.9% |
55.5kg | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
56kg | 1-1-2-20 | 4.2% | 8.3% | 16.7% |
56.5kg以上 | 0-0-0-13 | 0% | 0% | 0% |
北九州記念では、レース間隔を空けずに夏場のレースを使われていた馬が優勢。中でも前走から中2週の間隔で出走した馬が、2019年ダイメイプリンセス、2017年ダイアナヘイロー、2015年ベルカント、2014年リトルゲルダ、2012年スギノエンデバーと過去10年で5勝を挙げている。〔表4〕
間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
連闘 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
中1週 | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
中2週 | 5-6-3-29 | 11.6% | 25.6% | 32.6% |
中3週 | 1-0-1-19 | 4.8% | 4.8% | 9.5% |
中4〜8週 | 3-2-5-63 | 4.1% | 6.8% | 13.7% |
中9週以上 | 1-1-1-25 | 3.6% | 7.1% | 10.7% |
また、直近8年の優勝馬は、前走でアイビスサマーダッシュ、CBC賞、バーデンバーデンC、佐世保S、佐世保特別のいずれかに出走していた。さらに、そのレースで1着、もしくは敗れていたとしても1着馬とのタイム差が小さかった。大敗からの巻き返しもある重賞だが、前走でそれなりの着順・着差にまとめていた馬を選びたい。〔表5〕
(姫園 淀仁)
年 | 優勝馬 | 前走の着順と1着馬とのタイム差 | ||
---|---|---|---|---|
2012年 | スギノエンデバー | 佐世保特別 | 1着 | - |
2013年 | ツルマルレオン | バーデンバーデンC | 8着 | 0秒6 |
2014年 | リトルゲルダ | アイビスSD | 4着 | 0秒2 |
2015年 | ベルカント | アイビスSD | 1着 | - |
2016年 | バクシンテイオー | バーデンバーデンC | 3着 | 0秒1 |
2017年 | ダイアナヘイロー | 佐世保S | 1着 | - |
2018年 | アレスバローズ | CBC賞 | 1着 | - |
2019年 | ダイメイプリンセス | アイビスSD | 6着 | 0秒4 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。