注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
芝の状態が良い夏場に、直線の長い新潟で行われるため、速い時計での決着が多いのが関屋記念の特徴。勝ち時計は1分32秒台が当たり前、1分31秒台の決着も珍しくはない。今年もスピード自慢のマイラーたちがお盆の新潟に集結する。
過去10年の単勝オッズ別成績を見ると、上位人気馬のオッズが拮抗した年が多いせいか、単勝オッズ15倍未満から好走馬が満遍なく出ている。また、3着以内馬延べ30頭は全て30倍未満だった。馬券的に妙味があるのは単勝オッズ10倍台の馬で、2015年2着のマジェスティハーツ、2016年2着のダノンリバティ、2017年1着のマルターズアポジー、2019年2着のミエノサクシードなど、ここ数年は毎年のように連対している。一方、単勝オッズが30倍以上の馬は、過去10年で延べ64頭いて一度も3着以内に入っていないため、データ的には軽視できそうだ。〔表1〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2.9倍以下 | 1-1-0-2 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
3.0〜3.9倍 | 1-2-0-1 | 25.0% | 75.0% | 75.0% |
4.0〜4.9倍 | 2-1-1-5 | 22.2% | 33.3% | 44.4% |
5.0〜6.9倍 | 1-1-2-9 | 7.7% | 15.4% | 30.8% |
7.0〜9.9倍 | 2-2-3-8 | 13.3% | 26.7% | 46.7% |
10.0〜14.9倍 | 3-2-1-14 | 15.0% | 25.0% | 30.0% |
15.0〜19.9倍 | 0-1-1-9 | 0% | 9.1% | 18.2% |
20.0〜29.9倍 | 0-0-2-18 | 0% | 0% | 10.0% |
30.0倍以上 | 0-0-0-64 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の勝ち馬のうち8頭が7枠(5勝)と8枠(3勝)から出ている。特に近年は外枠に入った馬の活躍が顕著で、昨年は7枠の馬によるワンツーフィニッシュとなった。7枠と8枠に入った馬で単勝オッズが30倍未満の馬であれば、どんな馬でも注目しておきたい。逆に内枠に入った人気馬は、1番人気で12着に敗れた2017年のメートルダール(3枠6番)のような例があるので注意が必要だ。〔表2〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 1-0-1-15 | 5.9% | 5.9% | 11.8% |
2枠 | 1-1-1-15 | 5.6% | 11.1% | 16.7% |
3枠 | 0-0-2-16 | 0% | 0% | 11.1% |
4枠 | 0-2-1-15 | 0% | 11.1% | 16.7% |
5枠 | 0-1-3-16 | 0% | 5.0% | 20.0% |
6枠 | 0-2-0-18 | 0% | 10.0% | 10.0% |
7枠 | 5-1-1-17 | 20.8% | 25.0% | 29.2% |
8枠 | 3-3-1-18 | 12.0% | 24.0% | 28.0% |
過去10年の馬体重別成績では、3着内率が高いのは460キログラム未満のやや小柄な馬と520キログラム以上の大型馬。しかし460キログラム未満の馬の勝利は2012年のドナウブルー(438キログラム)以降出ていないので、ややトレンドから外れている。近年は大型馬の優勝が目立っており、2016年ヤングマンパワー(526キログラム)、2017年マルターズアポジー(528キログラム)、2019年ミッキーグローリー(554キログラム)と、過去4年間で520キログラム以上の馬が3勝を挙げている。迷ったら大型馬を狙おう。〔表3〕
馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
439kg以下 | 1-0-1-7 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
440〜459kg | 0-2-2-15 | 0% | 10.5% | 21.1% |
460〜479kg | 1-2-1-25 | 3.4% | 10.3% | 13.8% |
480〜499kg | 3-4-3-48 | 5.2% | 12.1% | 17.2% |
500〜519kg | 1-1-1-24 | 3.7% | 7.4% | 11.1% |
520〜539kg | 2-1-1-10 | 14.3% | 21.4% | 28.6% |
540kg以上 | 2-0-1-1 | 50.0% | 50.0% | 75.0% |
フレッシュな3歳馬から古豪マイラーまで幅広いタイプの出走馬がそろう重賞だが、過去10年の勝ち馬のうち9頭に共通点があった。それは過去1年以内に、芝1400メートルから芝1800メートルのレースで優勝経験があったこと。さらに付け加えると、2017年マルターズアポジー、2018年プリモシーン、2019年ミッキーグローリーと、過去1年以内にマイル前後の重賞を制していた馬が3連勝中となっている。過去1年間のマイル前後の重賞実績を重視して本命馬を選びたい。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 該当レース |
---|---|---|
2010年 | レッツゴーキリシマ | 2009年11月カシオペアS(芝1800m) |
2011年 | レインボーペガサス | 2011年2月飛鳥S(芝1800m) |
2012年 | ドナウブルー | 2012年1月京都牝馬S(芝1600m) |
2013年 | レッドスパーダ | 2013年6月パラダイスS(芝1400m) |
2014年 | クラレント | なし |
2015年 | レッドアリオン | 2015年4月読売マイラーズC(芝1600m) |
2016年 | ヤングマンパワー | 2016年6月多摩川S(芝1600m) |
2017年 | マルターズアポジー | 2017年2月小倉大賞典(芝1800m) |
2018年 | プリモシーン | 2018年1月フェアリーS(芝1600m) |
2019年 | ミッキーグローリー | 2018年9月京成杯オータムH(芝1600m) |
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