注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
阪神競馬場の芝1600メートルで行われるチューリップ賞は、牝馬クラシック第一冠の桜花賞と同じコースで行われるため、以前から桜花賞を目指す有力馬の出走が多くハイレベルな一戦となっており、2018年にGⅢからGⅡへ格上げされた。本番に向けて要注目の一戦の傾向を、過去10年の結果から見ていくことにしよう。
過去10年の優勝馬のうち8頭は、単勝オッズが10倍未満だった。残る2頭は2010年のショウリュウムーン(9番人気、39.0倍)と2012年のハナズゴール(4番人気、37.2倍)だが、全体的には上位人気馬が優勢となっている。なかでも、1.9倍以下だった馬は6頭出走して5勝3着1回という成績。ただ、2.0倍から4.9倍だった馬は優勝がゼロ、5.0倍から9.9倍が3勝2着2回と、上位人気馬の中でも、その単勝オッズによって成績に偏りが生じている。〔表1〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 5-0-1-0 | 83.3% | 83.3% | 100% |
2.0〜2.9倍 | 0-2-2-1 | 0% | 40.0% | 80.0% |
3.0〜4.9倍 | 0-0-1-4 | 0% | 0% | 20.0% |
5.0〜9.9倍 | 3-2-0-7 | 25.0% | 41.7% | 41.7% |
10.0〜19.9倍 | 0-4-1-17 | 0% | 18.2% | 22.7% |
20.0〜29.9倍 | 0-1-1-6 | 0% | 12.5% | 25.0% |
30.0〜49.9倍 | 2-0-3-11 | 12.5% | 12.5% | 31.3% |
50倍以上 | 0-1-1-62 | 0% | 1.6% | 3.1% |
過去10年の出走馬の前走別成績を調べると、阪神ジュベナイルフィリーズのあとに休養し、このレースから始動した馬の好走が多数。阪神ジュベナイルフィリーズ以来の出走だった馬は過去10年で25頭いて、7頭が優勝するなど、3着以内に15頭が入っている。その他のレースでは、クイーンCから臨んだ5頭のうち2頭が2着に入っている以外は、全体的にいまひとつの成績になっている。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
阪神JF | 7-3-5-10 | 28.0% | 40.0% | 60.0% |
クイーンC | 0-2-0-3 | 0% | 40.0% | 40.0% |
その他のGⅢ | 0-1-1-7 | 0% | 11.1% | 22.2% |
オープン特別 | 1-1-3-35 | 2.5% | 5.0% | 12.5% |
500万下(現1勝クラス) | 1-1-1-29 | 3.1% | 6.3% | 9.4% |
新馬・未勝利 | 1-2-0-21 | 4.2% | 12.5% | 12.5% |
地方競馬のレース | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
関西圏で行われる重賞だが、過去10年で美浦所属の関東馬が15頭参戦し、3勝を挙げ、2着が4回、3着が1回という成績。3着内率は5割を超えている。もし関東馬の出走があった場合は、注目しておく必要がありそうだ。〔表3〕
所属 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
美浦 | 3-4-1-7 | 20.0% | 46.7% | 53.3% |
栗東 | 7-6-9-99 | 5.8% | 10.7% | 18.2% |
地方競馬 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬の馬体重別成績を調べてみると、好成績を残しているのは6頭が優勝している460から478キログラムのエリア。次いで、優勝こそ1回だけだが、2着が4回、3着が6回ある420から438キログラムのエリアとなっている。この数字の分布は、予想する際の参考になるかもしれない。〔表4〕
当日の馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
418kg以下 | 1-0-0-12 | 7.7% | 7.7% | 7.7% |
420〜438kg | 1-4-6-27 | 2.6% | 13.2% | 28.9% |
440〜458kg | 1-2-1-36 | 2.5% | 7.5% | 10.0% |
460〜478kg | 6-2-1-22 | 19.4% | 25.8% | 29.0% |
480kg以上 | 1-2-2-11 | 6.3% | 18.8% | 31.3% |
過去10年のチューリップ賞では、「前年の8月末までにデビューしていた」という馬が2016年を除いて毎年連対している。今年も、出走馬の中で早期デビューを果たしていた馬にチェックを入れておくことをおすすめしたい。〔表5〕
(浅野 靖典)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 着順 | 馬名 | デビュー戦 | |
---|---|---|---|---|
2010年 | 2着 | アパパネ | 7月5日 | 3着 |
2011年 | 2着 | ライステラス | 6月26日 | 3着 |
2012年 | 2着 | エピセアローム | 6月19日 | 2着 |
2013年 | 1着 | クロフネサプライズ | 8月4日 | 4着 |
2014年 | 1着 | ハープスタ― | 7月14日 | 1着 |
2015年 | 1着 | ココロノアイ | 7月19日 | 2着 |
2017年 | 1着 | ソウルスターリング | 7月31日 | 1着 |
2着 | ミスパンテール | 7月30日 | 1着 | |
2018年 | 1着 | ラッキーライラック | 8月20日 | 1着 |
2019年 | 1着 | ダノンファンタジー | 6月3日 | 2着 |
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