今週の注目レース

秋の2歳単勝馬連 阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

阪神競馬場 1600メートル(芝・外)馬齢 (牝) 2歳オープン

出走馬情報

注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。

ウーマンズハート

牝2歳

調教師:西浦勝一(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:レディオブパーシャ
  • 母の父:Shamardal
ここに注目!

3か月半のブランクが最大の焦点に思われるだろうが、2013年の本レースで僅差2着のハープスターも同じローテーションだった。むしろ、成長力に富むハーツクライ産駒なら、この休養をプラス材料と考えるべきだろう。調教の動きはさらに凄みを増している。

スローペースの瞬発力勝負は2歳戦では珍しくなく、そのようなレースになればなるほど、出走馬全体の推定上がり3ハロンタイムの差は小さくなる傾向がある。しかし、本馬がメイクデビュー新潟(芝1600メートル、1着)でマークした上がり3ハロン32秒0(以下推定)は、2歳馬どころか、古馬との比較でも突出したもの。上がり2位タイの33秒3をマークしたのが、当時2着だったマルターズディオサで、同馬がのちに2勝を挙げて今回の有力候補の一頭となっていることを考えれば、本馬のタイムがいかに優秀かがわかるはずだ。上がり3ハロン32秒8をマークして完勝した前走の新潟2歳Sでの結果にも、それほど驚きは感じない。衝撃的だった夏の2戦は、今回の一戦への序章だったのかもしれない。

リアアメリア

牝2歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:リアアントニア
  • 母の父:Rockport Harbor
ここに注目!

前走時の20キログラムの馬体重増は成長分。長距離輸送のない今回はさらにプラスとなる可能性もあるが、その部分に関してはあまり気にしなくていいだろう。折り合い面の課題は残すが、今回は多頭数が予想されペースも上がりそう。むしろ、走りやすいかもしれない。

道中は最後方を追走し、派手に追われるところもなく、8馬身も突き抜けたメイクデビュー阪神(芝1600メートル)は、相当なインパクトを与えたレースだった。あまりの楽勝劇に「メンバーレベルが低かったのでは」という声も聞こえたが、6頭立ての残る5頭のうち3頭がすでに勝ち上がり、4着だったテーオーマルクスは2勝馬となっているように、決してそのようなことはない。この馬の能力が規格外だったということは、前残りの展開だったにもかかわらず、大外から楽々と差し切った前走のアルテミスSのパフォーマンスで誰もが知るところに。衝撃を与えたデビュー戦の地に戻ってくる今回は、桜花賞への期待も膨らむレースとしたいところだろう。

レシステンシア

牝2歳

調教師:松下武士(栗東)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:マラコスタムブラダ
  • 母の父:Lizard Island
ここに注目!

豊富なスピードを武器に、2歳戦から活躍するダイワメジャー産駒の本レースへの出走は少なくないが、優勝は2015年のメジャーエンブレムのみ。瞬発力を要求される阪神外回りコースへの適性がポイントになってくる。積極的な競馬ができるかが鍵となりそうだ。

半兄にオープン特別・芙蓉Sを勝ったミッキーブラック。しかし、父がブラックタイドからダイワメジャーへと替わったことで、本馬はスピード馬らしいシルエットの馬体になっている。メイクデビュー京都(芝1400メートル、1着)ではコーナーで外に逃げる若さを見せていたが、キャリア2戦目での重賞挑戦になった前走のファンタジーSではそれを見事に修正。2番手から楽にレースを進め、直線で抜け出してくる脚の速さも目を見張るもので、デビュー戦からの大幅な進歩がうかがえた。ちなみにマークした1分20秒7は、この10年のファンタジーSにおける最速の勝ち時計で、史上2位の数字。速い時計での決着に対応できることを示しており、今回の一戦にもプラスに働くはずだ。

クラヴァシュドール

牝2歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:パスオブドリームズ
  • 母の父:Giant's Causeway
ここに注目!

東京に輸送しても馬体重の増減がなかった前走のサウジアラビアロイヤルC(2着)は、この馬の精神力の高さを感じさせた一戦。もちろん、輸送距離の短い阪神へのコース替わりは、初戦で結果を出していることも含めて好材料と言えるだろう。追ってしっかりと伸びる末脚が持ち味だ。

残り200メートル地点で加速し、一気に抜け出してきたメイクデビュー阪神(芝1600メートル、1着)の内容も素晴らしかったが、この馬の能力を全国に知らしめたレースは、前走のサウジアラビアロイヤルCだろう。2着に敗れはしたものの、1分32秒7の2歳コースレコードで勝ったサリオスは、来週の朝日杯フューチュリティSでも主役級の扱いを受ける素質馬。そのサリオスと同じ上がり3ハロン33秒1(推定)のタイムは、出走馬中最速タイの優秀なものだった。ゴール前の脚色から、逆転ができたかどうかは微妙なところだが、道中の位置取りの差が影響したのも確かだろう。牝馬限定戦になる今回も、当然首位争いができるはず。現2歳世代が好調なハーツクライ産駒というところにも注目したい。

マルターズディオサ

牝2歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:キズナ
  • 母:トップオブドーラ
  • 母の父:Grand Slam
ここに注目!

少しテンションが高いように見えたのは2戦目の未勝利(新潟・芝1600メートル)だが、1着となったことを考えれば、その程度までは許容範囲だろう。身のこなしが柔らかく、青鹿毛の毛色も印象がいい。440キログラム程度の馬格ながら、パドックで良く見せるタイプだ。

逃げて2着だったメイクデビュー新潟(芝1600メートル)の勝ち馬は、続く新潟2歳Sも制すウーマンズハート。相手が強かった印象だが、この馬自身も物見をするなど若さを感じさせる走りだった。2戦目の未勝利(新潟・芝1600メートル)はスタートで出遅れ、初戦とは正反対の最後方待機という形になったが、出走馬中最速の上がり3ハロン33秒8(推定)をマークして鮮やかな差し切り勝ち。稍重馬場での1分34秒3という走破時計も優秀で、昇級初戦の1勝クラス・サフラン賞(中山・芝1600メートル)をあっさりと突破したことも、驚くようなことではないのかもしれない。スローペースを一気に差し切った末脚の切れは父のキズナ譲り。ここで成長した姿を見せたい。

ヤマカツマーメイド

牝2歳

調教師:池添兼雄(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:ヤマカツマリリン
  • 母の父:グラスワンダー
ここに注目!

抜け出すと物見をしていたデビュー2戦目と3戦目の内容が印象的。追い出しを我慢して勝った前々走の1勝クラス・りんどう賞(京都・芝1400メートル)でのレース運びも含め、仕掛けどころがひとつのポイントと言えるだろう。

1勝クラス・りんどう賞(京都・芝1400メートル)で2勝目をマークして挑んだ前走のファンタジーSだったが、直線で他馬に伸び負ける形の4着。物足りなさが残る内容だったのは確かだろう。しかし、それでも本馬への期待の高さが変わらないのは、金鯱賞連覇を筆頭に重賞を5勝したヤマカツエースの半妹という血統背景があるからだ。ヤマカツエースの父はキングカメハメハで、本馬の父はキングカメハメハ産駒のロードカナロアだから、非常に近い配合。早い時期から活躍しつつ、古馬になって一段と成長した兄と同じような成長過程を踏めば、本馬もいずれは重賞戦線で活躍が可能だろう。タフなコースを得意とした兄の傾向からすれば、阪神へのコース替わりはプラスに働くはずだ。

ロータスランド

牝2歳

調教師:角居勝彦(栗東)

  • 父:Point of Entry
  • 母:Little Miss Muffet
  • 母の父:Scat Daddy
ここに注目!

前走で収得賞金を加算できなかったにもかかわらず、その後のレースを使わずここまで待機した臨戦過程に注目したい。まだ1勝馬だが、角居勝彦厩舎はウオッカ、トールポピーで本レースを2勝しており、どちらも1勝馬での参戦。この手法を得意としている。

JRAではわずか5頭の産駒しかデビューしていない父ポイントオブエントリーは、ダイナフォーマー×シーキングザゴールドという配合から、ダートのイメージを持たれるかもしれないが、実際は芝の中・長距離で活躍し、アメリカのG1を5勝している。その産駒の1頭になる本馬は、前走のオープン特別・もみじS(京都・芝1400メートル)で、マイル戦を勝ち上がった初戦から距離を短縮。2着だった結果も含め、その適性をわずか2戦で判断するのは難しいところだが、スピードのコントロールが利く走りに加え、ロベルトの3×4という長距離向きのインブリードを持っている馬。本質はマイル以上だろうか。今回の条件はプラスにこそなれ、マイナスに働くことはないと考えたい。

クリスティ

牝2歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:ホワイトアルバム
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

前走は東京への長距離輸送で馬体重を減らすどころか18キログラムも増やしたが、ほとんどは成長分と考えていいだろう。短期間でのパワーアップが顕著なうえ、右回りは問題なく、直線の長いコースでも結果を出している。初めての阪神コースも苦にしないはずだ。

勝ったワーケアと同じような位置から追い出した前走のアイビーS(リステッド。東京・芝1800メートル)は、来年のクラシック路線でも有力視されている牡馬の素質馬との能力差を感じさせる一戦だった。しかし、前が残りやすい遅い流れでも末脚を伸ばし、しっかりと2着を確保したことは評価していいだろう。振り返れば、2着に敗れたメイクデビュー中京(芝1600メートル)の勝ち馬は、のちに小倉2歳Sを制すマイネルグリット。これまでの2着2回はどちらも強敵を相手にしたもので、2戦目の未勝利(小倉・芝1800メートル)では2着に3馬身差で快勝している。今回はデビュー4戦目にして初めての牝馬限定戦。上位に顔を出しても不思議のない力は持っているはずだ。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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