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カントリーグラマー/ウシュバテソーロ
サウジC(G1・サウジアラビア)とドバイワールドカップの連勝を目指すパンサラッサに、天は「大外枠」という試練を与えた。常識を覆す走りを何度も見せている同馬だが、さすがに戦況不利と見て、ここは狙いを下げた。
サウジC2着のカントリーグラマーも、15頭立ての14番枠と枠には恵まれなかった。昨年のこのレースでは道中3番手という競馬をした同馬だが、この枠から好位を取りに行くのは容易なことではなさそうだ。しかしこの馬、前走のサウジCで図らずも、いつもよりかなり後ろ目の位置取りから、直線で豪快に追い込むという競馬を見せている。それは、距離が2000メートルであれば差し切っていたであろうレース内容で、前走で「予行演習」を終えたカントリーグラマーが、ドバイワールドカップ連覇を達成すると見る。
2番手は、昨年のUAEダービー(G2・UAE)を制し、コース適性を実証済みのクラウンプライドか、破竹の勢いで上昇中のウシュバテソーロかで悩んだが、後者を選択することにした。海外でも実績を残すオルフェーヴル産駒というのが魅力だし、初めてコンビを組む川田将雅騎手との相性も良さそうである。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
パンサラッサ/カフェファラオ
出走15頭中、実に8頭が日本調教馬で、日本vs.世界の様相を呈している。その日本軍団を牽引するのが、パンサラッサだ。
この6歳馬は既に、海外遠征における強さを存分に見せつけている。そして彼は、多才だ。キングアブドゥルアジーズのダートコースを涼しい顔でハンドリングし、世界最高賞金競走のサウジC(G1・サウジアラビア)を制する姿を目の当たりにし、私は大きな驚きと深い感動を覚えた。大外枠というのは大きな試練だが、この馬ならば克服してくれると見ている。
相手も、日本調教馬のカフェファラオとした。これまでの成績を見ると、2000メートルの距離に一抹の不安はあるが、3着となった前走のサウジCは上質のパフォーマンスで、同じだけ走れれば、上位争いに食い込むことは間違いない。
2番手に抜てきしようかどうか、最後まで迷ったのが、これも日本調教馬のウシュバテソーロだ。映像で確認した、ここ2戦のレースぶりはとても印象的で、メイダンの直線をグイグイと伸びてくる姿を、容易にイメージすることができる。この馬が大勢を逆転しても、私は驚かない。
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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