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オネスト/アルピニスタ
7月に凱旋門賞と同コース・同距離で行われたパリ大賞(G1・フランス・芝2400メートル)で勝利を収めているという、コース経験を重視してオネストを本命としたい。しかもその後、パリ大賞2着馬シムカミルがニエル賞(G2・フランス)を、4着馬エルダーエルダロフが英セントレジャー(G1・イギリス)を制し、今年のパリ大賞が水準の高いレースであったことが実証されている。オネストはその後、愛チャンピオンS(G1・アイルランド)で2着に敗れているが、同競走の2000メートルという距離はこの馬には短すぎた。2400メートルであれば、当時の勝ち馬ルクセンブルクとの間にあった半馬身差は逆転可能なはずだ。
その愛チャンピオンS勝ち馬ルクセンブルクは、2000メートルを越える距離を一度も走っていない点が大きな不安材料で、強くは推せない。
凱旋門賞は牝馬優勢という傾向が顕著なだけに、昨年夏からこの路線のG1を5連勝中のアルピニスタを2番手評価とする。硬い馬場から柔らかい馬場まで、どんな馬場でもこなすオールラウンドプレイヤーというのも強みだ。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
アルピニスタ/トルカータータッソ
ヨーロッパの3歳世代に、ヴァデニ、ルクセンブルク、ウエストオーバー、オネストと、魅力ある顔触れがそろったが、その中ではオネストを最上位に採りたい。
だが、2頭をセレクションするとなると、その2頭はいずれも古馬となる。
筆頭に挙げたいのは、牝馬のアルピニスタだ。週末には雨予報が出ているが、どんな馬場になっても本領を発揮できるのが、この馬の最大の強みだろう。この路線最強の牝馬であることは間違いない。
もう1頭は、ディフェンディング・チャンピオンのトルカータータッソだ。今年の鞍上は、凱旋門賞最多勝騎手のランフランコ・デットーリである。稍重の馬場で争われた前走のバーデン大賞(G1・ドイツ)は取りこぼしてしまったが、週末のパリロンシャンは彼向きの馬場になりそうである。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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