海外競馬発売

ドバイワールドカップ(G1)

メイダン競馬場 2000メートル(ダート)南半球産馬3歳以上、北半球産馬4歳以上

発売開始時刻
日本時間3月27日(土曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:営業最新情報」をご確認ください
発走予定時刻
日本時間3月28日(日曜)午前1時50分

2021年ドバイワールドカップ識者の見解

太字はドバイワールドカップ出走予定馬
3月26日(金曜)時点での情報を基に執筆

2年振りのドバイワールドカップ。今年はやや混沌とした印象

新型コロナウイルスによる開催中止から早いもので1年が経ち、2年振りのドバイワールドカップ(G1・UAE)となる。これまで24回施行されたこのレースではアメリカ調教馬が11勝、地元ドバイ勢が10勝している。ちなみにメイダン競馬場開場後5年間は芝馬に有利とされる全天候型馬場タペタを使用していたので、この5年間を差し引いてダート開催時だけでみると19回中、アメリカ調教馬が10勝、ドバイ調教馬が8勝と他国を圧倒している。

アメリカ勢が強いのは言うまでもなく、ダート馬場に適性を持つ馬の層が厚いこのカテゴリーでは、常に良質の競走馬を生産している。メイダン競馬場のコースレイアウトもアメリカとほとんど変わりない。あえて違いを挙げれば、発馬後から第1コーナーまでの距離があるので、コーナーを効率よく回るための位置取りに慣れたアメリカ馬は有利になる。

一方、ドバイ勢の優勝馬はそのほとんどがアイルランド・イギリス産のヨーロッパ調教馬である。ドバイを統治するマクトゥーム家はアメリカでも軽種馬生産を行っているが、ここ数年でケンタッキー州での生産規模をかなり減らし種牡馬事業へシフトしている。しかし競馬開催国として、また観光国としての発展を目指す自国のため、毎年所有馬の多くをヨーロッパからドバイヘ輸送し、そして同家が運営するゴドルフィン厩舎内では芝馬の中からダート出走馬のセレクションを続けてドバイワールドカップへ挑み、上述の成果を挙げている。

さて今回のアメリカ勢での筆頭はミスティックガイド(牡4歳)だろう。昨夏のジムダンディS(G2・アメリカ)優勝時から重賞級でも安定感を示しており、ドバイワールドカップを目標にローテーションが組まれて使い減りは感じられない。馬主はモハメド殿下の競馬事業体ゴドルフィンだが、アメリカの組織再編で専属調教師制から複数調教師制に切り替えて成績を挙げていることも記しておく。2番手はヘスースチーム(牡4歳)で、昨年8月のペガサスS(リステッド・アメリカ)からG1競走3レースを含む6戦で3着以内という堅実さ。課題となるのは2000メートルという距離だろう。

  • ミスティックガイド

  • ヘスースチーム

対する中東勢ではサルートザソルジャー(せん6歳)に注目する。バーレーン調教馬であるもののUAEで走っており、今季は12月から始動し3戦目となるG2戦で優勝、そして距離を2000メートルに延ばした前走3月6日のアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3(G1・UAE)で優勝と、メイダン競馬場への高い適性を示している。それに次ぐのは地元勢のハイポセティカル(牡4歳)ではないかと思う。

今年はやや混沌とした印象で、アメリカでは昨冬のブリーダーズカップ開催終了後、一部の有力馬が1月23日のペガサスワールドカップ(G1・アメリカ)前に引退し、サウジカップ(サウジアラビア)遠征馬もドバイワールドカップまで残らず帰国したものもいる。そしてサウジカップそのものもまだ2年しか開催されておらず、レース後からドバイワールドカップへの調整も模索中。暑さが増す3月の「見えざる影響」も心配で、現段階ではサウジカップ、ドバイワールドカップの二兎を追うより一兎を狙う方が無難にも思える。こうした年は落ち着いた展開となり、先行馬より中団に控えた馬に勝機があるかもしれない。

私の推奨馬は、ミスティックガイドサルートザソルジャーヘスースチームハイポセティカルミリタリーロー

  • 文:吉田 直哉
  • サルートザソルジャー

  • ミリタリーロー

吉田直哉(よしだ・なおや)

1968年生まれ。アメリカ・ケンタッキー州にあるサラブレッド生産牧場ウィンチェスターファーム代表。獣医師。1994年から1996年にはアイルランドとイギリスで勤務(Darley Stud Management)。1997年から1998年にアメリカ研修医実習。2010年から2014年にはケンタッキー州大学評議委員を務めた。『優駿』誌などにアメリカの競馬・馬産情報を執筆している。

太字はドバイワールドカップ出走予定馬
3月26日(金曜)時点での情報を基に執筆

今年のドバイワールドカップは抜けた馬のいない大混戦模様

ドバイワールドカップは、今年で25回目という節目の年を迎えている。創設された1996年から2016年まで、世界最高賞金競走として施行されたこのレースは、世界中からスーパーホースが参集し、世界の競馬サークルの中で独自の地位を築き上げてきた。最高賞金競走の座を譲った今日でも、他のレースとは一線を画す、比類なき存在と言えよう。過去の戦績を見ると、アメリカ調教馬が11勝しているのに対し、UAE調教馬は10勝と、拮抗した成績となっている。

賞金総額1200万アメリカドル(約12億3600万円。1アメリカドル=103円で換算)の今年、出走が予定される14頭の中に、アメリカのG1勝ち馬は1頭もいない。また、ゴドルフィンの所有馬は3頭しかおらず、そのいずれもがG1を勝ったことのない馬だ。残念ながら、エリートたちによる戦いとは言い難いのが、今年の顔触れである。そんな中、実績という点でおおいにリスペクトされるべきは、2020年の日本のダートチャンピオンであるチュウワウィザード(牡6歳)だ。彼の存在があるからこそ、今年のドバイワールドカップが「空洞化」を避けることができたと、私は理解している。大久保龍志調教師が管理する父キングカメハメハの6歳馬は、きわめて堅実な戦績を収めている。中でも特筆すべき勝利が、昨年12月に中京競馬場で行われたチャンピオンズC(GⅠ)だ。ここでチュウワウィザードは、ゴールドドリーム、インティ、クリソベリル、モズアスコット、さらには、2月にフェブラリーS(GⅠ)を勝つことになるカフェファラオらを、完璧に封じ込めている。 

その強くて堅実なチュウワウィザードが、生涯で最も良くないパフォーマンスを見せたのが、リヤドを舞台とした総賞金2000万アメリカドル(約20億6000万円。1アメリカドル=103円で換算)のサウジカップ(サウジアラビア)だった。ドバイワールドカップ出走馬には、前走がサウジカップだった馬が4頭いるが、グレイトスコット(せん5歳)が3着、スリーピーアイズトッド(牡5歳)が5着、ミリタリーロー(せん6歳)が6着、チュウワウィザードが9着と、彼の着順は最も悪いものだったのだ。聞くところでは、そうでなくても深いキングアブドゥルアジーズ競馬場のダートが、雨が降ったことでますます走りづらくなり、これにチュウワウィザードは戸惑ったとのことだが、条件はどの出走馬に対しても同じだったはずだ。そして、勝ったのはミシュリフで、2着はシャーラタンと、高い能力を持つ馬はきっちりと結果を残している。チュウワウィザードが、ドバイでは本来のパフォーマンスを取り戻し、実績に相応しい結果を出しても全く不思議ではないのだが、本命の印を打つほどの信頼性には欠けるように思う。

私の本命は、ゴドルフィンが所有するアメリカ調教馬のミスティックガイド(牡4歳)だ。M.スティッドハム調教師が管理する父ゴーストザッパーの4歳馬は、これまで非常に大事な使われ方をしてきた。そんな中、昨年9月にはサラトガ競馬場のジムダンディS(G2・アメリカ)を制し、この時にはドバイワールドカップ出走馬のヘスースチーム(牡4歳)を3着に退けている。翌月には、ベルモントパーク競馬場を舞台とした2000メートル戦のジョッキークラブゴールドカップS(G1・アメリカ)で3/4馬身差の2着に好走。ここで2000メートルをこなせることを実証しているのは、大きなポイントである。そして、今季初戦となったレイザーバックハンデキャップ(G3・アメリカ。ダート1700メートル)では、極悪馬場になった中、6馬身差で快勝している。

  • ミスティックガイド

  • チュウワウィザード

中東を拠点としている出走馬で、最上級の実績を誇るのは、ドイツで生まれた父セポイのサルートザソルジャー(せん6歳)である。管理をしているのは、バーレーンを拠点とするF.ナス調教師だが、サルートザソルジャーはこの2シーズンほどドバイでしか競馬をしておらず、今季もダート1900メートルのアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド2(G2・UAE)と、ダート2000メートルのアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3(G1・UAE)を制している。自在に制御できるスピードを持った馬で、アル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3では、ドバイワールドカップ出走馬のハイポセティカル(牡4歳)やザグレートコレクション(せん7歳)らを、完璧に封じ込めている。あのレースでサルートザソルジャーの後塵を拝した馬が、本番で彼に先着する可能性は、きわめて低いとみている。

中東勢で、サルートザソルジャーに次ぐ実績があるのが、ミリタリーローだ。今年1月、メイダン競馬場のアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド1(G2・UAE)に優勝。ここで彼は、2着ザグレートコレクション、3着サルートザソルジャー、5着アフステフィスカル(牡4歳)、7着キャッペッザーノ(せん7歳)、11着ギフツオブゴールド(せん6歳)と、5頭のドバイワールドカップ出走馬を撃破している。

前述したように、今年の出走馬にアメリカのG1勝ち馬は皆無なのだが、少なくともG1で複数回入着した実績があるのが、ヘスースチームである。この馬も、争覇圏にいる1頭と見てよいだろう。

今年のドバイワールドカップは、抜けた馬のいない大混戦模様である。こういう時、往々にしてモノをいうのが、ジョッキーの手腕である。レースの展開を敏感かつ的確に察知し、これに即座に対応する手綱さばきを見せるジョッキーが、勝利を手にすることになるはずだ。

 

私のセレクションは、ミスティックガイドチュウワウィザードサルートザソルジャーヘスースチームミリタリーローの順番である。

  • 文:Michele MacDonald
  • 訳:合田 直弘
  • サルートザソルジャー

  • ヘスースチーム

  • ミリタリーロー

Michele MacDonald(ミシェル・マクドナルド)

ミシェル・マクドナルドは、サラブレッドメディアの分野で、国際的に様々な役割を担ってきている。編集者、ライター、カメラマンとして活躍する一方、競馬場の広報担当を務めた経験もあり、また、競走馬の生産・所有も手掛けている。現在は、レーシングポストのアメリカ通信員の任にあり、また、ドバイのアルアディヤットやアルカーヤル、南アフリカを拠点とする国際競馬雑誌などにも、コラムニストとして、カメラマンとして参画している。

ご注意

当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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