海外競馬発売
クイーンエリザベスS(G1。芝2000メートル)は、オーストラリアにおける秋の中距離ナンバーワンを決めるレース。「ザ・チャンピオンシップス」と銘打たれた、2週続けての計2日間で8つのG1を行うシドニーの一大競馬イベントにおける2日目のメインレースで、1日目のメインとなる芝1600メートルのG1・ドンカスターマイルとともにザ・チャンピオンシップスの中核を成している。国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表した2019年の「世界のトップ100 G1レース」では有馬記念、インターナショナルS(イギリス)と並ぶ全体の6位タイで、オーストラリアのレースとしてはトップ評価を受けた。
クイーンエリザベスSがスタートしたのは1954年のこと。イギリスのエリザベス女王が来場したことを記念して同年2月に創設された(芝2400メートル)。当時、ランドウィック競馬場にはAJCプレート(1851年の創設時はクイーンズプレートという名称)という大レースがあり、1954年には4月に行われたが、1955年にはクイーンエリザベスSがそれまでAJCプレートが開催されていた時期に移動し、AJCプレートを引き継ぐような形で行われるようになった(距離は芝2800メートル)。このため、クイーンエリザベスSの創設年を1851年とする場合もある。
その後、何度かの距離変更を経て、1979年からは現在の芝2000メートルで固定。2014年にザ・チャンピオンシップスが創設されたことに伴って、総賞金が一気に前年の8倍となる400万オーストラリアドル(約3億400万円。1オーストラリアドル=約76円で換算)にまで急増した(ただし、今年は新型コロナウイルス感染症の影響によって半額の200万オーストラリアドル=約1億5200万円に減額)。
これまで1998年のマイトアンドパワー、2003年のロンロ、そして2017年から3連覇したウィンクスなど、オーストラリアを代表する名馬が優勝。日本馬は2015年にトーセンスターダムとトゥザワールドが初参戦(それぞれ5着、12着)。2019年にはクルーガーがウィンクスの2着に健闘した。
文:秋山 響(TPC)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 馬名 | 騎手名 | 調教師名 |
---|---|---|---|
2010年 | ロードトゥロック | D.オリヴァー | A.カミングス |
2011年 | マイキングダムオブファイフ | N.ローウィラー | C.ウォーラー |
2012年 | モアジョイアス | N.ローウィラー | G.ウォーターハウス |
2013年 | リライアブルマン | H.ボウマン | C.ウォーラー |
2014年 | ダンディール | J.マクドナルド | M.ベイカー |
2015年 | クライテリオン | C.ウィリアムズ | D.ヘイズ |
2016年 | ルチアヴァレンティナ | D.オリヴァー | K.リース |
2017年 | ウィンクス | H.ボウマン | C.ウォーラー |
2018年 | ウィンクス | H.ボウマン | C.ウォーラー |
2019年 | ウィンクス | H.ボウマン | C.ウォーラー |
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 馬名 | 騎手名 | 調教師名 | 着順 |
---|---|---|---|---|
2015年 | トーセンスターダム | T.ベリー | 池江 泰寿 | 5着 |
トゥザワールド | Z.パートン | 池江 泰寿 | 12着 | |
2019年 | クルーガー | T.ベリー | 高野 友和 | 2着 |
2019年は名牝ウィンクスの引退レース。重賞33連勝で有終の美を飾った
日本調教馬ではクルーガー(写真左)のウィンクスへ
1.5馬身差に迫った2着が最高着順
当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。