海外競馬発売

クイーンエリザベスステークス(G1)

ランドウィック競馬場 2000メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間4月11日(土曜)
ネット投票:午前8時00分
発走予定時刻
日本時間4月11日(土曜)午後2時55分

2020年クイーンエリザベスステークスコラム

太字はクイーンエリザベスS出走予定馬
4月9日(木曜)時点での情報を基に執筆

かつてない状況下のなか、日本馬ダノンプレミアムがオーストラリア最強馬となるか

チャンピオンが勝つレース

1954年2月、イギリスの国王となって丸2年が経過したエリザベス女王が、ランドウィック競馬場を御訪問。これを機にスタートしたのが、クイーンエリザベスSである。

以降、このレースの優勝馬のリストには、チャンピオンと称される名馬たちの名がずらりと並んでいる。オーストラリアのレースと言えば、海外の皆様に最も名前を知られているのはメルボルンCだと思うが、そのメルボルンCよりも、「チャンピオンが勝つレース」となっているのがクイーンエリザベスSである。

記憶に新しいところでは、2017年から2019年まで、このレースを3連覇したのが、日本の皆様にもお馴染みであろうウィンクスだった。
そのウィンクスにとってラストランとなった2019年のこのレースで、2着に入ったのが日本からの遠征馬クルーガーだった。そのクルーガーが、中山競馬場のダービー卿チャレンジトロフィーで勝利を収めたというニュースが聞こえてきたのは、ほんの数日前のことである。ウィンクスの好敵手が今も活躍しているというのは、オーストラリアの競馬ファンにとって嬉しいニュースだが、これがクルーガーの手にした約4年ぶりの勝利だったというのは、大きな驚きである。

そして、このタイミングでクルーガー勝利の報告を耳にしたということが、今年のクイーンエリザベスSの結果を暗示していると、私は考えている。

厳しい防疫措置下での開催

さて、高い格式を誇るクイーンエリザベスSが、今年はかつてない状況に取り囲まれての開催となっている。
まず、レースの総賞金が当初予定の400万オーストラリアドル(約3億400万円。1オーストラリアドル=約76円で換算)から、50パーセント削減されて200万オーストラリアドル(約1億5200万円)となってしまった。このレースだけでなく、オーストラリアでは6月30日までに組まれているほとんど全ての主要競走が、大幅な賞金削減となることが発表されている。背景にあるのは言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染拡大で、これを食い止めるべく、パブやクラブと同様に、多くの場外馬券発売所も閉鎖されている。大幅な収入の減少を余儀なくされることになった主催者は、賞金削減に踏み切らざるを得なくなったのである。

それだけではない。オーストラリアでは競馬開催を継続できている地域でも、厳しい防疫措置が講じられている。クイーンエリザベスS当日のランドウィック競馬場に、残念ながら競馬ファンの姿はない。競馬業界の関係者のみが入場を許されるが、入場者が密な集団を作らぬよう、各々が互いに距離を置くことが求められ、これが徹底されているかを監視する体制も、厳重なものが敷かれている。

人気を集めているのは日本のダノンプレミアム

そんな中での開催となるクイーンエリザベスSで、当日1番人気になりそうなのが、ミツ・ナカウチダ調教師(中内田充正調教師)が管理するダノンプレミアム(牡5歳)である。ブックメーカー各社の前売り市場が開いた段階では、この日本調教馬と、イギリスからの遠征馬のアデイブ(せん6歳)が1番人気を分け合っていたのだが、ここへ来て、ダノンプレミアムの方がより多くの支持を得つつあるのだ。

ダノンプレミアムに騎乗するのは、シドニーのリーディング・ジョッキーであるJ.マクドナルド騎手だ。彼は、早めにシドニーに入り、ローズヒルガーデンズ競馬場でのランヴェットS(G1)を制しているアデイブを破るには、ダノンプレミアム自身がベストのパフォーマンスを見せる必要があるとしながらも、この馬が持つ溢れんばかりの才能を絶賛している。
4月2日(木曜)にカンタベリー競馬場で行われた追い切りに騎乗した後、マクドナルド騎手はこう語った。

「非常に走りのバランスが良い馬ですね。そして、物すごく反応の良い馬であることが、調教で騎乗してよくわかりました」

調教でこれほど好印象を持ったことは、長い間なかったことだ、とも彼はコメントしている。マクドナルド騎手はさらに、ダノンプレミアムと同じ父親(ディープインパクト)のリアルインパクトの感触を思い出したとも語った。リアルインパクトとは、マクドナルド騎手が騎乗し、2015年のジョージライダーS(G1)を制し、同年のドンカスターマイル(G1)で2着となった馬である。
「一完歩ごとに伝わってくる感触が、本当に素晴らしいのです。これほどの馬に騎乗できるのは、エキサイティングなことです」

  • ダノンプレミアム

  • アデイブ

ダノンプレミアムのライバルは?

自身の騎乗馬に関して自信をみなぎらせているという点では、アデイブの手綱をとるT.マーカンド騎手も同様だ。彼は、アデイブが、オーストラリア初戦だったランヴェットSの時よりも、さらに良くなっているとコメントしている。

今年のクイーンエリザベスSに2頭出しで臨むのが、ニュージーランドを拠点とするJ.リチャーズ調教師だ。O.ボッソン騎手が騎乗するテアカウシャーク(せん5歳)と、K.マカヴォイ騎手が騎乗するメロディベル(牝5歳)が、土曜日に彼が送り出す2頭だ。「両馬とも、ピークの状態でレースを迎えることができます」と、こちらも自信をのぞかせている。
地元オーストラリア調教馬では、ウィンクスを手掛けたC.ウォーラー調教師が送り出すベリーエレガント(牝4歳)もチャンスのある1頭だろう。

ブルース・マカバニーの言葉

このコラムの最後に、日本の皆様にぜひお伝えしたいコメントがある。オーストラリアにおけるスポーツコメンテーターの第一人者で、チャンネル7の競馬中継でもホスト役を務めるブルース・マカバニーが、先週の番組で発したコメントだ。
ウィンクスが引退した今、そのあとを継ぐのはどの馬か。すなわち、現在のオーストラリア最強馬はどの馬か、というパネルディスカッションが展開された最後に、彼はこう語ったのである。
「オーストラリアにおける現在の最強馬は、オーストラリアで走ったことがない馬です。その馬の名は、ダノンプレミアムです。クイーンエリザベスSを勝つのはこの馬だから、よく見ていてください」

私の推奨馬は、ダノンプレミアムアデイブテアカウシャークメロディベルベリーエレガントの順番である。

  • 文:Keith Hillie
  • 訳:合田 直弘
  • テアカウシャーク

  • メロディベル

  • ベリーエレガント

Keith Hillie(キース・ヒリア)

オーストラリアの競馬メディアにおいて長く第一線で活躍しているジャーナリストは少ないが、その一人が、ヴィクトリア・レーシング・メディアの終身メンバーであるキース・ヒリアである。オーストラリアで最大の発行部数を誇る「The Sun」の、競馬欄の編集を20年にわたって手掛け、合併によって「Herald-Sun」となるまで、その職にあった。メルボルンにおけるテレビの「チャンネル7」で、コメンテーター、司会進行役として活躍。また、プライムタイムにおけるラジオショーでも、番組のホストとして、40年にわたって競馬情報を届けている。ヴィクトリアレーシングクラブ、メルボルンレーシングクラブ、ムーニーバレーレーシングクラブの催す各種イベントへの出演も多い。ジャパンカップはほぼ毎年取材を行っており、他にもドバイワールドカップや香港における国際競走の取材が20回前後、イギリス、北アメリカ、南アフリカ、ニュージーランド、モーリシャスでの取材経験もある。キース・ヒリアは10年ほど前に、日本人女性のReikoさんと結婚。東京へはしばしば来ており、日本の競馬も楽しんでいる。

ご注意

当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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