海外競馬発売

香港スプリント(G1)

シャティン競馬場 1200メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間12月13日(日曜)
ネット投票:午前7時00分 UMACA投票:営業最新情報」をご確認ください
発走予定時刻
日本時間12月13日(日曜)午後3時40分

2020年香港スプリント識者の見解

太字は香港スプリント出走予定馬
12月12日(土曜)時点での情報を基に執筆

例年と比べて実績では見劣るもやはり層の厚そうな香港勢

ミスタースタニング、ビートザクロック、ディービーピンといったG1馬が昨シーズンで引退。今年の香港国際競走4競走中、唯一フルゲート14頭がそろった出走馬全体で見ても、G1馬は日本のタワーオブロンドンただ1頭のみと、実績だけ見ればやや低調なメンバーとなった。

近い状況だったのが2008年。セイクリッドキングダム、アブソリュートチャンピオンといった前年の1着馬から4着馬が不在の一方、海外勢が豪華で、アパッチキャット、マルシャンドール、ミシカルフライト、ローレルゲレイロといったG1勝ち馬がそろい、スプリント王国・香港危うしと見られた。しかし、ふたを開ければ、13頭中11番人気、クラス2までしか勝ったことがない4歳馬インスピレーションが勝利し、2着も地元のグリーンバーディーとなって、逆に“王国”の層の厚さを改めて印象付ける結果となった。

14頭中レーティング最上位は、今回がオーストラリアから移籍初戦となるクラシックレジェンド(せん5歳)。昨年のジエベレスト(オーストラリア)では直線で詰まりどおしだったが、今年はその鬱憤を晴らすかのような快勝。好メンバーを悠々と一蹴したのだから、G1の格付けがないとしても評価をしないわけにはいかない。

ただ、この馬が遠征馬ではなく、移籍馬だというところがイレギュラーであり、実は大きなポイントだ。移籍には3週間の輸出前検疫を経ねばならず、検疫のプロセスが遠征馬よりも長い。その間の調整も勝手が違う。そして、香港で調教を始めたのが11月13日でちょうど1か月前。管理する陣営も環境もガラリと変わった。半弟が昨年の1番人気3着のエセロであることから血統的な適性もあり、楽しみ半分、不安半分といったところだ。

  • クラシックレジェンド

  • ホットキングプローン

  • コンピューターパッチ

今年は、地元の前哨戦である香ジョッキークラブスプリント(G2・香港)に出走した10頭全頭が本番に出走する。これを制したのが、昨年の香港スプリント2着のホットキングプローン(せん6歳)。ほとんど崩れることもなく、G1も5戦して〔0・1・2・2〕(着外は4着と9着)と安定している。今回は阻んできたライバルが全て不在。12月5日にはバリアトライアル(オールウェザー1050メートル)に出走し、終始余裕残しで1着入線と好調をアピール。

逃げ粘って2着となったコンピューターパッチ(牡4歳)は、ハンデ差が埋まっても通用することを証明した。ただし、今回は11番枠で先行力が武器のこの馬には、序盤から脚を使わされる展開になるのが課題。

3着だったラタン(せん7歳)は、5歳時の香スプリントC(G2・香港)でビートザクロックとミスタースタニングをまとめて下すという大仕事をやってのけたが、その後は低迷が続いた。近走は復調傾向で、スタート難がある一方で、末脚に磨きが掛かっており、前2走はともに3着となっている。

4着のヴォイッジウォリアー(せん5歳)は直線で進路があれば、と思わせる内容。デビュー2戦目(芝直線1000メートル)のクラス3ではセイクリッドキングダムのコースレコード(当時)に0秒19差の好タイムを叩き出した逸材。今年4月には格上挑戦の香スプリントCで、前半2ハロンが24秒27というスローペースに持ち込み、ホットキングプローンらを完封した。

5着のビッグパーティー(せん5歳)は、デビュー9戦目で重賞ボヒニアスプリントトロフィー(G3・香港)を制したように能力は高く、競馬も巧く、大崩れもない。ただ、同レース勝利時は最軽ハンデの恩恵もあった。前走も完璧に立ち回りながらの5着。

6着のファットタートル(せん6歳)も重賞の壁に苦戦中。適距離も1200メートルよりは1400メートル。

7着のストロンガー(牡4歳)はインに拘った結果、終始コンピューターパッチが壁になって満足に追えなかった。ハッピーバレー芝1000メートルのレコードホルダー。2008年優勝のインスピレーションを彷彿とさせる臨戦過程で、補欠2番手からの繰り上がりと運も味方につけており、P.ブドー騎手とのコンビも一発を匂わせる。

8着のアメージングスター(せん6歳)は、2か月ぶりで29ポンド(約13キログラム)の馬体増も影響したか、本来の先行力も鳴りを潜めた。

9着のウィッシュフルシンカー(せん7歳)は、レース後に認められた異常心拍によるもの。シャティン芝1200メートルではG1でも大崩れしない。理想は前々走のように直線で外に出す競馬。

10着のビッグタイムベイビー(せん6歳)は休み明け初戦。昨シーズンのボヒニアスプリントトロフィー、そしてチェアマンズスプリントプライズ(G1・香港)で2着に好走した。芝に関してはできれば時計が掛かったほうがいい。

  • ヴォイッジウォリアー

  • ストロンガー

  • ウィッシュフルシンカー

ダノンスマッシュは4歳以降、GⅠ以外の重賞では負けておらず、今年も3勝を挙げているように決して弱い馬ではない。GⅠは通算8戦して未勝利ではあるが、前走のスプリンターズS(GⅠ)では完璧な立ち回りで初の連対を果たした。ただ、香港のスプリント戦は肉弾戦となりやすく馬体重のある方がよいのだが、470キログラム台の同馬にはここが不安要素と言えるだろう。

タワーオブロンドンはその点、GⅠ勝ちもあり、馬格も負けていない。しかし、今年は3戦全敗で、しかも休み明け。ベスト距離と思われた京王杯スプリングC(GⅡ)も、残念な内容だった(8着)。

以上から、私の推奨馬は、ホットキングプローンウィッシュフルシンカーストロンガーコンピューターパッチヴォイッジウォリアークラシックレジェンドだ。

  • 文:土屋 真光

土屋真光(つちや・まさみつ)

1973年生まれ、東京都出身、在住。セールスプロモーション系制作会社を経て、2001年に独立。企画、制作、情報セキュリティマネジメントに携わりながら、執筆活動も開始。競馬に関しては、中央・地方・海外を問わず精力的に現場に赴くフィールドワークを主としている。とりわけ、香港とマカオに造詣が深く、渡航は通算100回以上。香港ジョッキークラブの所有する従化競馬場にも日本人メディアとしては唯一2回訪問を果たしている。また、中東やインド、南アフリカなど日本では馴染みのない国にも積極的に赴くほか、2年に1度行われるアジア競馬会議の取材も精力的に行い幅広く競馬を網羅している。本HPのほかに、「優駿」、「週刊競馬ブック」、「月刊サラブレ」といった競馬専門媒体のほか、「週刊プレイボーイ」「Web Sportiva」「スポーツ報知」「Number」などに寄稿。

太字は香港スプリント出走予定馬
12月12日(土曜)時点での情報を基に執筆

世界トップランク馬と昨年の2着馬の2強状態

12月13日にシャティンで行われる今年の香港国際4競走の中で、唯一フルゲートの14頭を集めて争われるのが香港スプリント(G1・香港)である。頭数は多いが、しかし、争覇圏にいる馬はさほど多くはないというのが、私の見解である。さらに言えば、ロンジンワールドベストレースホースランキング短距離部門で目下のところ首位の座にある馬と、昨年のこのレースの2着馬による、2強状態であると見ている。

昨年の香港スプリント上位馬のうち、ビートザクロックとミスタースタニングは引退し、エセロは怪我で休養中だ。そういう意味では、やや手薄な状況にある香港短距離界に、絶妙のタイミングで参入してきたのが、C.ファウンズ調教師が管理するクラシックレジェンドである。香港スプリントでも、主役を務めるのはこの馬であろう。

この父ノットアシングルダウトの芦毛のせん馬は、2019年4月にオーストラリアでG2勝ちの実績を残している。当初は、今年3月に香港に輸送するプランが立てられていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、輸送は何度か延期になり、馬主のボニーフェイス・ホー氏は計画を一旦棚上げして、今年の開幕を同馬はオーストラリアで迎えることになった。

この決断は、好ましい結果を生むことになった。今季ここまで2勝しており、このうちの1勝は、2着以下に2馬身1/2という決定的な差をつけた、芝の世界最高賞金競走のジエベレストであった。ジエベレストは国際G1ではないが、今年の出走馬の水準は明らかにG1級で、なおかつ、この時2着に退けたビヴァークは次走、G1を楽勝している。

この結果、クラシックレジェンドはレーティング125を獲得し、ロンジンワールドベストレースホースランキング短距離部門で首位タイの座についている。ようやく香港へ輸送されて来たのが11月9日で、その数日後にはこのレースへ向けての調整を開始している。5週間余りの間に、彼が香港の環境に馴染み、調子を整えることが出来れば、香港スプリントの主役はこの馬と見ている。

  • クラシックレジェンド

  • ホットキングプローン

昨年のこのレースの2着馬ホットキングプローンも、当然のことながら争覇圏にいる馬である。昨年と大きく異なるのが、このレースへ向けての臨戦態勢で、今シーズンの同馬は健康で、体調に何も不安がない状況での参戦となっている。調教を順調にこなせているだけでなく、今年は実戦を2回使っての参戦となっているのだ。今季初戦となった10月のプレミアボウル(G2・香港)では、13ポンドも負担重量が軽かったウィッシュフルシンカーの4着に敗れたが、続く香ジョッキークラブスプリント(G2・香港)では、きっちりと勝利を手にしている。

香ジョッキークラブスプリントがG2に昇格した2010年以降、同レースと香港スプリントを連覇したのは、2017年のミスタースタニングただ1頭である。だが、前述したように、今年のホットキングプローンは昨年よりも明らかに調子がよく、リーディングジョッキーのJ.モレイラが手綱をとることも加味すれば、彼にも勝機があると見るべきだろう。

私は当初、今年の香港スプリントは上記2頭に、シンガポールから参戦予定だったインファーノを加えた「三つ巴」と見ていた。10月25日に行われたライオンシティC(SIN G1)における、インファーノのレース振りは誠に印象的で、なおかつ同馬には、香港でチャンピオンジョッキーの座に4度就いているZ.パートンがブッキングされていたのだ。それだけに12月8日に急遽、同馬の回避が決まったことは、非常に残念である。

  • ダノンスマッシュ

  • コンピューターパッチ

  • タワーオブロンドン

2頭参戦している日本調教馬では、ダノンスマッシュの方により大きいチャンスがあるように思う。昨年のこのレースでは8着に大敗しているが、スタートさえ五分に出れば、昨年よりはよい競馬ができるであろう。今年の同馬は堅実な競馬を続けており、2つのGⅡを含む3重賞を制している他、10月のスプリンターズS(GⅠ)では、日本におけるこの路線の最強馬グランアレグリアの2着となっている。今年の香港スプリント出走馬の顔触れを見ると、スタートダッシュがものすごく速いという馬はおらず、R.ムーアが騎乗してうまく流れに乗れれば、昨年より大きく着順を上げる可能性もありそうだ。

今年の香港スプリントには4歳馬が2頭いるが、このうちの1頭であるコンピューターパッチも無視できない存在である。2019-2020年シーズンの彼はJ.ムーア厩舎に所属し、7戦して3勝、2着2回、3着1回と、堅実なパフォーマンスを見せて素質の片りんを覗かせている。今シーズンになってA.クルーズ厩舎に移籍した彼は、大きな成長を見せた。始動戦となったクラス1のハンデ戦で4着になると、続くナショナルデーC(G3・香港)を制し重賞初制覇。その後、プレミアボウル、香ジョッキークラブスプリントで、いずれも2着となっている。ここは同馬にとって初めてとなる国際G1挑戦となるが、現在の勢いからして、ここでも通用しておかしくはない。

ただしその一方で、本質的には直線で争われる1000メートル戦により高い適性がありそうなこと、先行争いに巻き込まれて本来の力が出せない危険性があることなど、気がかりな点もなくはない。4番手評価というのが、妥当なところであろう。

私のセレクションは、クラシックレジェンドホットキングプローンダノンスマッシュコンピューターパッチタワーオブロンドンの順である。

  • 文:Bart Vanders
  • 訳:合田 直弘

Bart Vanders(バート・ヴァンダース)

バート・ヴァンダースは、競馬メディアに身を置いて20年以上になる。そのほとんどは、アップルデイリーの看板記者として過ごした歳月だが、現在はシンタオ・デイリーで活躍している。海外取材の経験も豊富で、北米、シンガポール、フランス、ドバイ、そして日本に出かけ、ブリーダーズカップ、ドバイワールドカップ、安田記念などを取材している。ちなみに、日本でお気に入りの競馬場は、阪神と園田とのこと。かつてはマカオで騎手エージェントをやっていた時期もあり、現在は、マカオと香港の競馬サークルの橋渡し役ともなっている。

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