海外競馬発売

凱旋門賞(G1)

パリロンシャン競馬場 2400メートル(芝)3歳以上 牡・牝

発売開始時刻
日本時間10月4日(日曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:営業再開情報」をご確認ください
発走予定時刻
日本時間10月4日(日曜)午後11時05分

2020年凱旋門賞コラム

  • 注記:ジャパン、ソヴリン、モーグル、サーペンタインは10月4日(日曜)6時30分出走取消

太字は凱旋門賞出走予定馬
10月2日(金曜)時点での情報を基に執筆

ライバル回避で高まるエネイブル偉業達成への期待

9月13日の前哨戦群は夏の名残の日差しがさんさんと降り注ぐ中行われたが、先週の半ばからパリには秋がやってきた。毎日、雨の降る時間帯があり、朝晩の気温は10度程度まで下がっていて、週末の天気予報も雨のマークが見られる。今年の凱旋門賞(G1・フランス)は馬場が悪くなりそうで、重巧者の馬が勝つレースとなりそうだ。パリロンシャン競馬場の馬場状態は、10月1日の段階で、高さ1メートルから1キログラムの重りが芝に何センチメートル沈み込むかを測定するペネトロメーターの表記が「4.0」の重馬場と発表されている。

2018、2019年の優勝馬であるイギリスのエネイブル(牝6歳)は、昨年はヴァルトガイストに差し切られ2着に敗れたが、現役を続けて3勝目を狙ってきた。今年初戦のエクリプスS(G1・イギリス)こそ2着に敗れたが、続くキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSではレース史上初の3勝目を挙げるなど、年齢からの衰えを感じさせない走りを見せており、前走のセプテンバーS(G3・イギリス)は約61キログラムを背負いながら7馬身差の快勝だった。主戦のL.デットーリ騎手はG1通算259勝の第一人者。中間の調教に騎乗し、愛馬の状態の良さを伝えており、万全の態勢でレースに向かえそうだ。これまで通算18戦15勝で3着を外したことはない。凱旋門賞を2勝した馬は同馬を含め8頭いるが、3勝した馬はまだいない。レースは今年で第99回を迎え、勝てばまさに世紀の偉業が達成されることになる。すでに競馬史に名を残す歴史的牝馬であることは言をまたず、引退レースとなることが濃厚な今回、どんなレースを見せてくれるか注目したい。

エネイブルの最大の強敵と見られたのがイギリスの二冠牝馬ラブであったが、10月1日に出走を回避した。

  • エネイブル

  • ストラディバリウス

  • ジャパン

ヴェルメイユ賞(G1・フランス)を勝ったタルナワ、フォワ賞(G2・フランス)を勝ったアンソニーヴァンダイク、アイリッシュチャンピオンS(G1・アイルランド)を勝ったマジカルらも回避したが、パリ大賞(G1・フランス)を2分24秒76というレコードタイムに迫る好時計で勝ったモーグル(牡3歳)は出走予定となっている。モーグルはアイルランドのA.オブライエン厩舎の管理馬。同厩舎からはジャパン(牡4歳)、サーペンタイン(牡3歳)、ソヴリン(牡4歳)も出走予定で、ジャパンには今回、日本の武豊騎手が騎乗する。今年は4、3、3、5着と不振のジャパンだが、パリロンシャン競馬場の芝2400メートルは、3歳時にパリ大賞を勝ち、昨年の凱旋門賞も4着に健闘した実績あるコース。ヨーロッパ随一の名門であるA.オブライエン厩舎の馬に日本人騎手が騎乗するのは岡部幸雄元騎手に続く2人目で、武豊騎手がどんな騎乗をするか楽しみにしたい。

別路線からの参戦でレースに華を添えているのが、ストラディバリウス(牡6歳)とペルシアンキング(牡4歳)の2頭である。
前者はアスコットゴールドC(G1・イギリス)を3連覇中の現役最強ステイヤーで、長距離馬とは思えないような瞬発力も備える。主戦のL.デットーリ騎手がエネイブルに騎乗するため、フランスの名手O.ペリエ騎手との新コンビが決まった。
後者のペルシアンキングは、レース史上最多の通算8勝を誇るA.ファーブル調教師が送り出すG1・3勝馬で、今季は芝1800メートルのイスパーン賞と芝1600メートルのムーランドロンシャン賞(どちらもG1・フランス)を制している。初距離の馬が勝てば1990年のソーマレズ以来、30年ぶりの快挙となる。今回はスタミナの要求されるタフなレースになりそうで、適性はストラディバリウスの方に感じられる。

名誉も賞金も抜きんでている凱旋門賞だけあり、その他にも有力馬は数多い。昨年3着のソットサス(牡4歳)や、地元フランスの3歳牝馬ではナンバーワンと早くから呼び声が高かったラービアー、独ダービー(G1・ドイツ)を勝ったフランスの3歳牡馬インスウープなど伏兵馬も豊富にいる。

通算12度目の海外G1出走となるディアドラ(牝6歳)は7着に終わったナッソーS(G1・イギリス)後、ニューマーケット近郊の牧場に4週間の放牧に出て、背・腰の疲れを癒して立て直しを図った。エクリプスSからゲート入りを嫌がっていたが、このリフレッシュがプラスに出ることを期待したい。今回は初コースで、相手もヨーロッパトップの強豪がそろったが、父ハービンジャー譲りのパワーのある馬で、本来の力を出せれば上位進出が期待できる。2年に及んだヨーロッパ長期遠征の集大成の走りを見せてほしい。

私の推奨馬はエネイブルストラディバリウスジャパンサーペンタインラービアーディアドラの順番である。

  • 文:沢田 康文
  • サーペンタイン

  • ラービアー

  • ディアドラ

沢田康文(さわだ・やすふみ)

1984年生まれ、東京都出身。フランス在住の競馬記者。スポーツニッポンを経て、2009年に渡仏。現在はパリを拠点に世界の競馬を追いかけ、臨場感あふれる国際競馬の記事を寄稿。優駿『ワールドレーシングコラム』、サンケイスポーツ『欧州競馬リポート』、週刊ギャロップ『EUフロントライン』、キャロットクラブ会報『The World Racing』、キーファーズサロン『The European Journal』などを連載し、活躍の場を広げている。

太字は凱旋門賞出走予定馬
10月2日(金曜)時点での情報を基に執筆

凱旋門賞8勝・ファーブル調教師が送るペルシアンキングに注目

10月4日にパリロンシャンで行われる第99回凱旋門賞(G1・フランス)は、牝馬のためのレースになるのではないだろうか!? そう思い込んでしまうほど、質が高く層も厚いのが今年の牝馬勢である。

中でも、エネイブル(牝6歳)が勝利を収め、凱旋門賞3回優勝という史上初めての快挙を達成して歴史に名を刻むことを期待されているファンが、非常に多いことと思う。

エネイブルを所有するカーリッド・アブデュラー殿下は偉大なるスポーツマンで、彼の所有馬であるからこそ、エネイブルは6歳となった今季も現役にとどまることになった。この父ナサニエルの牝馬は、2017年と2018年の凱旋門賞に優勝したが、2019年はゴール目前でヴァルトガイストに飲み込まれてしまい、勝利を逃した。
同馬を管理するジョン・ゴスデン調教師も、エネイブルで挙げた勝利以外に、2015年にもゴールデンホーンで凱旋門賞を制しており、彼もこのレースの勝ち方を熟知している。そのゴスデン調教師が、エネイブルをここでピークに持ってくることのみを考え、シーズンを過ごしてきたのである。今季初戦となったサンダウンの1990メートル戦エクリプスS(G1・イギリス)では、明らかに万全の仕上げには遠い状態で、既にフルチューンの状態だったガイヤースの2着に敗れた。しかし次走となったアスコットの2390メートル戦キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(G1・イギリス)では、相手馬たちを完膚なきまでに打ちのめした。さらに、ケンプトンのオールウェザーを舞台としたセプテンバーS(G3・イギリス)では、あたかも軽い調教のような走りで完勝した。
そして、彼女にとって心強い味方が、鞍上のフランキー・デットーリ騎手だ。このイタリア人騎手は、ヨーロッパ最高賞金競走である凱旋門賞を既に6度も制している。
私の当初の本命は二冠牝馬のラブであったが、10月1日に回避してしまった。

  • エネイブル

  • ペルシアンキング

凱旋門賞へ向けた地元フランスの代表的な前哨戦3レースが、9月13日にパリロンシャンで行われた。 前哨戦では往々にしてありがちなのだが、この3レースのうち、まともなペースでレースが進んだのは、パリ大賞(G1・フランス)だけだったように思う。本来なら7月に行われていたはずの一戦だが、コロナ禍で2か月遅れでの施行になったものだ。

勝ち馬はエイダン・オブライエン厩舎のモーグル(牡3歳)で、同じ厩舎から出走していた英ダービー(G1・イギリス)優勝馬のサーペンタイン(牡3歳)は、勝ち馬から約4馬身遅れた4着に終わった。
しかし、である。サーペンタインにとってここは、7月初旬の英ダービーから2か月少々の間隔が空いた休み明けであった。そしてその英ダービーでは、モーグルサーペンタインに約7馬身差をつけられ6着に敗れていたのである。モーグルサーペンタインは凱旋門賞で3度目の顔合わせをすることになるわけだが、この2頭だけの比較で言えば、ほとんど消耗することなく前哨戦を終え、本番に向けて調子を上げてくるはずのサーペンタインを上位に見たい。

牝馬によるヴェルメイユ賞(G1・フランス)は、ゴール前のスプリント比べとなった。ここを楽勝したのが、ダーモット・ウェルド厩舎のタルナワだが、同馬は凱旋門賞には出て来ない。ヴェルメイユ賞から本番に駒を進めて来るのは、勝ち馬から3馬身遅れの2着だったラービアー(牝3歳)だけになる。管理するジャン・クロード・ルジェ調教師が非常に高く評価するのが、この父シーザスターズの3歳牝馬だが、スプリント比べは彼女の得意とするところではなかった。あの1戦だけで見限るわけにはいかないように思う。

古馬によるフォワ賞(G2・フランス)も、前半はスローペースになり、人気のストラディバリウス(牡6歳)に向く展開ではなかった。アスコットゴールドC(G1・イギリス)3連覇を達成したストラディバリウスが、2400メートルでどんな競馬をするかが焦点だったわけだが、あの展開でアンソニーヴァンダイクに短クビ差2着というのは、十分に評価してよい内容だと思う。凱旋門賞はもう少し流れるであろうし、馬場状態もトライアルデーよりは重くなりそうだから、ストラディバリウスがパリロンシャンの直線を粘り強く伸びて来る場面も、おおいにありそうである。

昨年のヴァルトガイストを含めて、凱旋門賞を8回も制しているのがアンドレ・ファーブル調教師だ。そのファーブルが今年送り込むのが、ペルシアンキング(牡4歳)である。この父キングマンの牡馬は、昨年春の仏2000ギニー(G1・フランス)優勝馬で、その後の仏ダービー(G1・フランス)では2着となっている。そして同馬は今年7月、距離1800メートルのイスパーン賞(G1・フランス)を制し、凱旋門賞直前には、距離1600メートルのムーランンドロンシャン賞(G1・フランス)に出走して優勝している。 その後、ファーブルは同馬を2400メートルのレースにぶつけることを決めた。2400メートルを走ったことのない馬に、凱旋門賞が勝てるのかと疑う方が多いと思うが、ファーブルが決断した以上、私はこれを尊重すべきであると考える。ファーブルを侮ってはいけないのである。

エイダン・オブライエン調教師は、今年の凱旋門賞に4頭を出走させる構えを見せている。ここまで名前の出たモーグルサーペンタインに加え、ジャパン(牡4歳)とソヴリン(牡4歳)をパリロンシャンに送り込む準備をしている。
ソヴリンは昨年の愛ダービー(G1・アイルランド)優勝馬だが、今年は3戦して未勝利である。
松島正昭氏が共同オーナーで、武豊騎手が騎乗するジャパンは、3歳だった昨年、パリ大賞(G1・フランス)とインターナショナルS(G1・イギリス)に勝ち、凱旋門賞では4着に健闘した。この父ガリレオの牡馬は、今年は本来の姿を一度も見せていない。直近走となったレパーズタウンのアイリッシュチャンピオンS(G1・アイルランド)でも、勝ち馬から約6馬身半遅れの5着に敗れている。この2頭の巻き返しは、なかなかに困難であろう。

同じアイリッシュチャンピオンSで、勝ち馬に2馬身少々離された4着だったのが、ソットサス(牡4歳)だ。ジャン・クロード・ルジェ調教師が管理する同馬は、3歳時にはペルシアンキングを2着に退けて仏ダービーを制しているし、昨年の凱旋門賞ではジャパンに半馬身先着して3着となっている。さらに、4歳6月にはガネー賞(G1・フランス)を制しており、実績は十分なのだが、前走の敗戦は納得のいくものではない。

さて、いつもの年であれば、凱旋門賞デーのパリロンシャンは4万5000人もの観客で埋まるのだが、残念ながら今年は、入場人員の上限が千人に定められてしまっている。コロナウイルスの影響は、今も世界のスポーツ競技に大きな影響を及ぼしているが、パリの凱旋門賞も例外というわけにはいかなかった。入場を許されるのは、調教師、騎手、厩務員、馬主、主催者運営スタッフなどの関係者だけだ。歴史に残る凱旋門賞になるかもしれないというのに、これを目撃できるのが限られた人たちだけというのは、ひどく寂しいことである。

私のセレクションはペルシアンキングエネイブルサーペンタインストラディバリウスラービアーである。

  • 文:Desmond Stoneham
  • 訳:合田 直弘
  • サーペンタイン

  • ストラディバリウス

  • ラービアー

Desmond Stoneham(デスモンド・ストーンハム)

1966年、公認会計士の資格を得る。1972年に、インターナショナル・レーシング・ビューロー(IRB)に参加。現在もなお、ニューマーケットに本社を置き、世界各国の国際競走の運営支援を行う同社の、役員を務める。1975年、アイリッシュ・フィールドのフランス特派員に指名され、現在に至るまで43年間にわたって、アイルランドにおける主要競馬メディアに週1回のペースで記事を書き続けている。1977年、スポーティング・ライフのフランス特派員にも任命され、ジャン・ラッセルのペンネームで執筆。 1986年4月から2012年まで、レーシング・ポストのフランス特派員も務めた。この他、ザ・タイムス、アイリッシュ・インデペンデント、サラブレッド・レコード、スタッド・アンド・ステーブル、クルス・エ・エルヴァージュなど、各国の競馬雑誌、競馬新聞に寄稿してきた。

ご注意

当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

ページトップへ戻る
表示モード: