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昭和63年(1988年) 第24回CBC賞(GIII)
トーアファルコン VS シンウインド
魅(み)せた! 老スプリンター、最後の輝き
1988年 第24回CBC賞(GIII)
 6ハロンのGI戦がまだ存在しなかった頃、年の瀬に行われていたかつてのCBC賞は、快足馬にとって1年の総決算といえる一戦だった。そして本稿で取り上げる昭和63年のレースを、現役生活の締めくくりに選んで臨んできたのがトーアファルコンだった。旧3歳時には新馬→小倉3歳S(現2歳S)を連勝し、旧6歳時には条件戦から破竹の5連勝を飾って京王杯スプリングCに優勝するなど、華々しい戦歴を持っていた同馬。とはいえ旧8歳を迎えたこの年は年齢的な衰えを隠せず、CBC賞を最後に種牡馬入りすることがすでに決まっていた。全盛時の輝きがすっかり色褪せていた古豪の単勝オッズは85.4倍、引退レースといっても、ファンの注目度は低かった。
 対して単勝1.7倍、断然の主役と目されていたシンウインドはフレッシュな魅力に満ちた旧5歳牝馬だった。2度の長期休養を乗り越えてこの年、素質を開花させた同馬は、函館のマリーンS(芝1200メートル)をレコードで圧勝して高いスピード能力を示すと、秋のスワンSも快勝。続くマイルチャンピオンシップでは4着に敗れたものの、重賞ウイナーの仲間入りを果たした実り多きシーズンを勝利で締めくくるべく、中京名物の6ハロン戦に駒を進めていた。このように好対照なカーブを描いて総決算の一戦に臨んだ2頭は、熾烈な一騎討ちを演じて場内を沸かせる。そして軍配は、燃え尽きかかっていた古豪に上がったのだった。
 エムイースティールの逃げで幕を開けたレースはスプリント戦らしいハイペースで進行。ともに中団から進んだ2頭は徐々に前団へ取りつき、直線に向くと鋭い末脚を繰り出した。いち早く抜け出したトーアファルコンに大外からシンウインドが襲いかかったゴール前。勢いは外が優っていたが、フィニッシュラインを先に捉えたのは最後のレースと知ってか知らずか、死力を振り絞ったトーアファルコンの鼻面だった。
 僅差で勝利を争った2頭には、唯一ともいえる共通項を指摘できた。裂蹄の持病に悩まされ、2度の長期休養歴を持っていたシンウインドに対し、一方のトーアファルコンも2度の骨折に加えてノド鳴り、脚部不安等の故障に苦しめられ、順風満帆とは言いがたい競走生活を送ってきたことだ。さらなる充実へ踏み出していこうとしていたシンウインドの強襲をハナ差に封じ、トーアファルコンが演じた見事な大団円。それは歴戦の雄が後輩に送ったエールでもあったのかもしれない。
 第24回CBC賞(GIII) 
 中京競馬場 1200メートル(芝・左) 晴・良・16頭
着順 枠番 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 調教師 タイム/着差 人気
1 5 9 トーアファルコン 牡8 57 原田 聖二 小原伊佐美 1:09.0 14
2 7 14 シンウインド 牝5 55 武   豊 二分 久男 ハナ 1
3 7 13 ダイワダグラス 牡4 53 吉沢 宗一 荒木 静雄 2 1/2 3
4 2 4 ラガーブラック 牡4 55 清水 英次 大久保正陽 クビ 11
5 4 8 クールハート 牝5 54 柏崎 正次 奥平 真治 クビ 7
6 1 1 スカーレットリボン 牝4 52 横山 典弘 松山 康久 1/2 2
7 6 12 エイシンテンペスト 牡5 56 土肥 幸広 湯浅 三郎 1/2 16
8 2 3 イーグルシャトー 牝6 55 上野 清章 小原伊佐美 ハナ 8
9 3 6 エーコーシーザー 牡4 53 田島 良保 安田伊佐夫 1/2 5
10 3 5 サンキンハヤテ 牡5 58 増井  裕 橋口弘次郎 1 1/2 6
11 8 15 グレートプレーンズ 牡4 53 木藤 隆行 久恒 久夫 アタマ 15
12 4 7 ヒシノリフオー 牡7 57 山田 和広 増本  豊 1/2 9
13 6 11 アドバンスモア 牡4 53 蛯名 信廣 佐藤 全弘 1 1/4 10
14 5 10 エムイースティール 牡5 55 菅谷 正己 菅谷 禎高 1/2 4
15 1 2 ミヨノスピード 牡4 53 田面木博公 田中朋次郎 3/4 13
16 8 16 アイビートウコウ 牡4 53 蓑田 早人 稲葉 幸夫 12
※馬齢は旧年齢、表記は当時の成績公報による。 
 
 2007.6.9 レーシングプログラム掲載


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