平成14・15年(2002・2003年) 第47・48回有馬記念(GI)優勝馬
 最強の輝きは今も シンボリクリスエス
 
   
平成14年 第47回有馬記念
平成15年 第48回有馬記念
 
   
 
 1年の総決算として年の瀬に行われる有馬記念を、競走生活の“総決算”に指名した名馬は多い。しかし有終の美を飾ることに成功した馬は案外少なく、記憶に新しいところでは平成17年のゼンノロブロイも、連覇をかけて臨んだものの8着に敗れている。ちなみに平成以降、引退レースとして出走した有馬記念で勝利のフィニッシュを決めた馬は2頭を数えるのみ※。1頭はドラマチックな復活を果たしてターフを去った平成2年のオグリキャップ、そしてもう1頭が本稿の主人公・シンボリクリスエスである。
 ダービーの2着に食い込んだ春からさらに一段とスケールアップし、3歳の身で年上の古馬たちを蹴散らし秋の天皇賞、有馬記念に優勝したシンボリクリスエスは、この平成14年、JRA賞の年度代表馬に選出された。しかし獲得した王座を防衛する側に回った4歳のシーズンは始動戦の宝塚記念で5着に敗退。秋の天皇賞で前年に続く連覇を飾ったのも束の間、続くジャパンカップでは重馬場も響いて伸び切れず、タップダンスシチーに9馬身あまりの差を開かれて3着に終わる。真の王者の資格といえる“絶対的な強さ”を、この時点のシンボリクリスエスはなかなか発揮できないでいた。
 だが、勝っても負けてもこの一戦を限りに引退と定められて臨んだ有馬記念。シンボリクリスエスが放ったのは紛れもない最強の輝きだった。折り合いを欠いたザッツザプレンティ、アクティブバイオがハイペースで先導するなか、道中は離れた中団を追走。3、4コーナーで“まくり”の奇襲に出たリンカーンに連れて進出を開始し、直線に向いてこれを捉えると、みるみるうちに独走態勢を築いていった。2分30秒5の優勝タイムは12年ぶりに更新されたコースレコード、9馬身に達したリードは有馬記念史上最大の着差。まさに記録的な強さを示して、競走生活最後のゴールを駆け抜けた。秋の天皇賞ともども、前年に続く連覇を達成したこの勝利は、2年連続となる年度代表馬の受賞を決定づけることになった。
 有馬記念当日の最終レース終了後、漆黒の闇が忍び寄るなかで行われた引退式では、多くのファンが王者との別れを惜しんだ。現役最後の一戦で演じた競走生活最高のパフォーマンス。有終の美を飾った歴代の名馬のなかでもシンボリクリスエスが刻んだピリオドは、一際美しく輝くものだった。
平成5年優勝のトウカイテイオーは翌6年も現役続行の予定だったが、故障により引退を余儀なくされた。

 
   
 
シンボリクリスエス
牡 黒鹿毛 平成11年1月21日生
平成14年度JRA賞年度代表馬/最優秀3歳牡馬
平成15年度JRA賞年度代表馬/最優秀4歳以上牡馬

Kris S.
1977 黒鹿
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Sharp Queen Princequillo
Bridgework

Tee Kay
1991 黒鹿
Gold Meridian Seattle Slew
Queen Louie
Tri Argo Tri Jet
Hail Proudly
 
   
 
 通算15戦8勝
 
 
年月日 レース名 距離 人気 着順 タイム 斤量 騎手
平13.10.13 東京 新馬 1600 4 1 1:36.5 53 岡部 幸雄
14. 1.27 東京 セントポーリア賞500万下 1800 2 2 1:53.3 55 横山 典弘
2. 9 東京 ゆりかもめ賞500万下 2400 1 3 2:30.8 55 横山 典弘
3.10 中山 500万下 1800 1 3 1:48.0 55 岡部 幸雄
4. 6 中山 山吹賞500万下 2200 2 1 2:14.3 55 岡部 幸雄
4.27 東京 テレビ東京杯青葉賞GII 2400 1 1 2:26.4 56 武   豊
5.26 東京 東京優駿GI 2400 3 2 2:26.4 57 岡部 幸雄
9.22 阪神 神戸新聞杯GII 2000 1 1 1:59.1 56 岡部 幸雄
10.27 中山 天皇賞(秋)GI 2000 3 1 1:58.5 56 岡部 幸雄
11.24 中山 ジャパンカップGI 2200 1 3 2:12.3 55 O.ペリエ
12.22 中山 有馬記念GI 2500 2 1 2:32.6 55 O.ペリエ
15. 6.29 阪神 宝塚記念GI 2200 1 5 2:12.3 58 K.デザーモ
11. 2 東京 天皇賞(秋)GI 2000 1 1 R1:58.0 58 O.ペリエ
11.30 東京 ジャパンカップGI 2400 1 3 2:30.3 57 O.ペリエ
12.28 中山 有馬記念GI 2500 1 1 R2:30.5 57 O.ペリエ
 
  ※レース名は当時の表記による  
   
  2006.12.23 レーシングプログラム掲載