今週の注目レース

阪神大賞典(GⅡ)

阪神競馬場 3000メートル(芝)別定 4歳以上オープン

出走馬情報

注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。

キセキ

牡6歳

調教師:角居勝彦(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ブリッツフィナーレ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

今年で6歳。周りに馬のいない時間帯を狙っての調整スタイルに変化はないが、完成期に入ったことで、過度にテンションを上げることも、行きたがるような面を見せることもなくなった。ゲートの課題は残るが、自分の力は出し切ってくるはずだ。

昨年末の有馬記念は、スタートの出遅れが響いて5着。しかし、自分のスタイルと違う競馬になりながら、直線で差を詰めてくるパフォーマンスに今後の可能性が感じられた。騎乗したR.ムーア騎手から「3000メートル以上の距離を選んでみたらどうか」との進言を受け、陣営は今春の目標を芝3200メートルの天皇賞(春)に設定。今回は本番に向けてのステップレースだが、本馬にとって唯一のGⅠ勝利で、最後に勝ったレースが今回と同じ距離の2017年菊花賞。長距離への路線変更は、原点回帰のイメージもある。父ルーラーシップの晩年のように、ゲートの問題が出ている現況を思えば、リカバリーの利く長距離戦はベストの舞台となるかもしれない。

ユーキャンスマイル

牡5歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ムードインディゴ
  • 母の父:ダンスインザダーク
ここに注目!

当初の復帰予定レースは1週前の金鯱賞。得意の左回りの芝2000メートルという条件を優先しての選択だった。予定をスライドしたのは、状態面を考慮してのもの。それは先週では時間が足りなかったことを意味している。当日の仕上がり度合いに注目が必要だ。

母の父ダンスインザダークの血が騒いだか、4歳を迎えた昨年、一気にブレークを果たした。ダイヤモンドS、新潟記念と2つの重賞を制覇し、天皇賞(秋)が勝ち馬アーモンドアイから0秒6差の4着、ジャパンカップが1着スワーヴリチャードから0秒7差の5着。秋のGⅠ2戦でも大きく負けなかった。本格化を果たした今年はあらためてGⅠ制覇を狙う1年になりそうだ。今回は久々の長距離戦となるが、折り合い面の不安はないので、問題なくこなせるだろう。むしろ課題は、昨年の天皇賞(春)5着以来となる右回りコースの克服か。直線でモタれる癖がある馬で、左回りのほうがベターであることは陣営も認めている。どんなパフォーマンスを見せるのか、楽しみだ。

ボスジラ

牡4歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ミスパスカリ
  • 母の父:Mr. Greeley
ここに注目!

阪神コースどころか、関西圏への遠征も今回が初めて。さらに、重賞挑戦や芝3000メートルの距離も初経験という、初物尽くしの一戦になる。越えるべきハードルは低くないが、一方でデビューから40キログラムも増えた馬体に成長を感じるのも事実。試金石のレースとなりそうだ。

父がディープインパクト、母のミスパスカリは名馬クロフネの半妹という良血馬。2016年のスプリングSを勝ったマウントロブソン、2017年菊花賞3着のポポカテペトル、今年のクイーンCを勝ったミヤマザクラなど、この配合は成功率が高いことで知られている。ただし、ディープインパクト産駒らしい瞬発力を見せる馬は少なく、持久力勝負にこそ強いという印象。近4戦連続で出走馬中最速の推定上がり3ハロンタイムをマークしている本馬だが、前走時の34秒1が最も速い数字で、適度に上がりを要する状況が理想と言えるだろう。ここも突破して4連勝を決めるようなら、GⅠでも主役級の扱いを受けることになりそう。そのパフォーマンスに注目が集まる。

ムイトオブリガード

牡6歳

調教師:角田晃一(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ピサノグラフ
  • 母の父:サンデーサイレンス
ここに注目!

前走のジャパンカップ(8着)から約4か月ぶりの一戦。しかし、本馬は久々を苦にしない傾向があり、重賞初勝利を飾った前々走のアルゼンチン共和国杯も5か月弱の休み明けだった。しっかりと調教を積み、動きの質もいい今回も能力発揮が期待できるだろう。

父ルーラーシップの母はエアグルーヴ、母ピサノグラフの母はシンコウラブリイと、日本を代表する名牝の血を双方から受け継ぐ良血馬。ただし、どちらも晩成のイメージがあり、本馬が重賞初制覇を飾った昨年のアルゼンチン共和国杯も、5歳秋を迎えてのもの。血統通りの成長過程で結果を残している馬と言えるのかもしれない。重賞制覇の勢いに乗って挑んだ前走のジャパンカップでは、勝ったスワーヴリチャードから1秒2差の8着と結果を出せなかったが、GⅠの強敵相手に加えて、雨の影響を受けた馬場状態(重)で末脚を伸ばし切れない状況だったことも確か。昨年までの経験を生かし、今年はGⅠタイトル獲得を目指したいところだ。

メイショウテンゲン

牡4歳

調教師:池添兼雄(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:メイショウベルーガ
  • 母の父:フレンチデピュティ
ここに注目!

阪神コースは〔1・0・1・0〕の成績だが、これは未勝利時代のもので、過度の信頼は禁物だろう。一方で、重馬場は〔1・0・0・1〕の成績ながら、得意と言ってよさそう。11着だったセントライト記念は発表ほどの力の要る馬場ではなかった。雨が降るようなら評価を上げたい。

初重賞制覇を飾った昨年の弥生賞は重馬場での一戦。自身の上がり3ハロンタイムが36秒7(以下推定)、レースのそれは37秒0というタフなレースで勝利を収めた。その後はクラシック三冠全てに参戦。好結果こそ出せなかったが、これは自身の適性に合わなかったことが理由ではないだろうか。末脚の切れよりもスタミナが優先される長距離戦に活路を求めた前々走のステイヤーズSで4着に善戦すると、前走のダイヤモンドSは勝ち馬とハナ差の2着に好走。2つ目の重賞獲得はならなかったものの、自身の上がり3ハロン37秒2がメンバー中最速という厳しい展開であらためて力を示した。今回もスタミナが問われる展開になるかどうかがポイントになりそうだ。

メロディーレーン

牝4歳

調教師:森田直行(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:メーヴェ
  • 母の父:Motivator
ここに注目!

未勝利(阪神・芝2400メートル)は51キログラム、1勝クラス(阪神・芝2600メートル)は49キログラムの斤量での勝利だった。今回は53キログラムを背負うが、菊花賞では55キログラムを背負って5着に健闘。馬体のイメージよりも斤量負けしないタイプなのかもしれない。

グレード制が導入された1984年までさかのぼってみても、馬体重350キログラム以下での勝利は2度しかなく、そのどちらもメロディーレーンが挙げたもの。338キログラムで勝利した昨秋の1勝クラス戦は、自身の持つJRA最少馬体重勝利記録を更新するもので、その勝ち時計がJRAレコードだったということでも話題になった。さらに3走前の菊花賞でも、勝ったワールドプレミアから0秒4差の5着に健闘。マークした上がり3ハロン35秒7(推定)は、出走馬中最速タイのタイムだった。現在も2勝クラスの条件馬ながら、GⅠ馬にも匹敵するほどのアイドルホース。菊花賞と同じ芝3000メートルでどれだけ通用するのか、楽しみだ。

トーセンカンビーナ

牡4歳

調教師:角居勝彦(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:カンビーナ
  • 母の父:Hawk Wing
ここに注目!

末脚の切れこそがセールスポイントで、札幌で1戦した以外は、外回り、もしくは直線の長いコースを選んで出走してきた。今回は芝3000メートルの距離よりも、初めて挑む内回りコースへの対応が一番のポイントとなるかもしれない。

ディープインパクト産駒といえば、真っ先にイメージするのが直線で見せる瞬発力。多くの代表産駒が瞬発力を武器にタイトルを獲得してきた。近4戦連続で出走馬中最速の上がり3ハロンタイム(以下推定)をマークし、4走前の1勝クラス(阪神・芝1800メートル、1着)では同32秒9という数字をマークしたこともある本馬は、ディープインパクト産駒らしい馬と言えるのかもしれない。出世が遅れた最大の理由はゲート難。ただ、前走の3勝クラス・松籟S(京都・芝2400メートル、1着)では、出遅れからのリカバリーが早く、最初のコーナーに入るときにはすでに中団まで押し上げていた。長距離戦で自身の弱点をカバーすることができれば、このメンバーでもチャンスは十分にあるだろう。

タイセイトレイル

牡5歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:マザーウェル
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

過去に3戦している阪神・芝コースだが、その全てが外回りコース。内回りコースを走るのは今回が初めてになる。しかし、切れないがバテないという本馬の特徴を考えれば、むしろ内回りの芝3000メートルに適性がありそう。巻き返しがあっても不思議はないはずだ。

父がハーツクライ、母の父がシンボリクリスエスという配合は長距離適性の高さを示すもので、祖母がシンコウラブリイなら晩成傾向も強いと言えるだろう。実際、4歳になってからの本馬は大きく崩れたレースが少なく、掲示板(5着以内)を外すほどの大敗は3走前のジャパンカップの15着だけ。昨年1年間で11戦して〔3・3・4・1〕と、安定したパフォーマンスを見せてきた。その一方で重賞ではワンパンチ足りない成績になっており、重賞初挑戦だったアルゼンチン共和国杯が2着、前々走の日経新春杯が4着、前走のダイヤモンドSは5着だった。強力メンバーのそろった別定戦のGⅡを勝ち切るためには、これまでとは違うスタイルが必要になってくるのかもしれない。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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