今週の注目レース

天皇賞(春)(GⅠ)

京都競馬場 3200メートル(芝・外)定量 4歳以上オープン

データ分析

歴史的なスターホースや印象深い伏兵が盛り上げてきた伝統の一戦

グレード制が導入された1984年以降の天皇賞(春)優勝馬延べ35頭のうち、過去に国内外のGⅠ級の競走で3着以内に入った経験がなかった馬は9頭しかいない。ちなみに、2010年以降の優勝馬延べ9頭は、いずれも既に国内外のGⅠ競走で3着以内に入った経験がある馬だった。古馬長距離戦線の王者に相応しい実績を求められる一戦と言えるだろう。もっとも、3連単が導入された2005年以降の過去14年を振り返ってみると、“10万馬券”決着が実に8回、さらに“100万馬券”決着が2回ある。上位人気に推された実績馬の活躍が目立つ一方で、下位人気馬もたびたび上位争いに食い込む難解なレースだ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

前年以降のビッグレースで好走していた馬が中心

過去10年の3着以内馬延べ30頭中18頭は、“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験のある馬だった。該当馬の3着内率は40.0%に達しているうえ、2018年は3頭しかいなかった該当馬がそのまま1着から3着を占めた。まずは前年以降のビッグレースにおける実績をチェックすべきだろう。〔表1〕

〔表1〕“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 7-7-4-27 15.6% 31.1% 40.0%
なし 3-3-6-120 2.3% 4.5% 9.1%

なお、“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験がなかった馬のうち、前走が海外のレースを含む重賞、かつそのレースでの着順が2着以内だった馬は、3着内率27.0%とまずまずの数値を残しているものの、その他の馬は3着内率が2.1%にとどまっている。前年以降のビッグレースで上位争いに食い込んでいない馬を比較する際は、前走の条件や着順を素直に評価したいところだ。〔表2〕

〔表2〕“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験がなかった馬の、前走の条件ならびに着順別成績(過去10年)
前走の条件ならびに着順 成績 勝率 連対率 3着内率
前走が重賞で2着以内 2-3-5-27 5.4% 13.5% 27.0%
前走が重賞以外のレース、
もしくは着順が3着以下
1-0-1-93 1.1% 1.1% 2.1%

7歳以上の馬は優勝例なし

過去10年の年齢別成績を調べると、9歳以上の馬は3着以内に入った例がなく、7歳と8歳の馬は優勝例がない。年齢の高い馬は評価を下げたい。〔表3〕

〔表3〕年齢別成績(過去10年)
年齢 成績 勝率 連対率 3着内率
4歳 3-1-5-36 6.7% 8.9% 20.0%
5歳 4-4-1-39 8.3% 16.7% 18.8%
6歳 3-3-2-27 8.6% 17.1% 22.9%
7歳 0-1-2-18 0% 4.8% 14.3%
8歳 0-1-0-16 0% 5.9% 5.9%
9歳 0-0-0-4 0% 0% 0%
10歳 0-0-0-6 0% 0% 0%
11歳 0-0-0-1 0% 0% 0%

ただし、“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験がなかった馬の年齢別成績を調べると、7歳以上の馬に加え、4歳馬も全て3着以下に敗れている。〔表1〕で挙げた条件をクリアしていない場合は、7歳以上の馬だけでなく4歳馬も過信禁物と見るべきだろう。〔表4〕

〔表4〕“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験がなかった馬の、年齢別成績(過去10年)
年齢 成績 勝率 連対率 3着内率
4歳 0-0-2-24 0% 0% 7.7%
5歳 1-3-1-33 2.6% 10.5% 13.2%
6歳 2-0-2-25 6.9% 6.9% 13.8%
7歳 0-0-1-15 0% 0% 6.3%
8歳 0-0-0-13 0% 0% 0%
9歳 0-0-0-3 0% 0% 0%
10歳 0-0-0-6 0% 0% 0%
11歳 0-0-0-1 0% 0% 0%

“乗り替わり”は強調できない

過去10年の3着以内馬延べ30頭中22頭は、前走の騎手が「今回と同じ騎手」だった。一方、「今回と異なる騎手」だった馬は3着内率10.5%とやや苦戦している。いわゆる“乗り替わり”で臨む馬は割り引きが必要だ。〔表5〕

〔表5〕前走の騎手別成績(過去10年)
前走の騎手 成績 勝率 連対率 3着内率
今回と同じ騎手 7-7-8-79 6.9% 13.9% 21.8%
今回と異なる騎手 3-3-2-68 3.9% 7.9% 10.5%

なお、“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験がなかった馬のうち、前走の騎手が「今回と異なる騎手」だった馬は3着内率3.2%とさらに苦戦している。いわゆる“乗り替わり”で臨む馬が〔表1〕で挙げた条件をクリアしていない場合は、評価をさらに下げるべきかもしれない。〔表6〕

〔表6〕“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験がなかった馬の、前走の騎手別成績(過去10年)
前走の騎手 成績 勝率 連対率 3着内率
今回と同じ騎手 1-3-6-60 1.4% 5.7% 14.3%
今回と異なる騎手 2-0-0-60 3.2% 3.2% 3.2%

内寄りの枠に入った馬は堅実

過去10年の枠番別成績を見ると、「1、2枠」の馬が3着内率30.0%と比較的優秀な成績を収めている。内枠がやや優勢なレースと言えるだろう。〔表7〕

〔表7〕枠番別成績(過去10年)
枠番 成績 勝率 連対率 3着内率
1枠 5-1-1-13 25.0% 30.0% 35.0%
2枠 1-2-2-15 5.0% 15.0% 25.0%
3枠 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
4枠 1-0-2-17 5.0% 5.0% 15.0%
5枠 0-0-0-20 0% 0% 0%
6枠 2-2-2-14 10.0% 20.0% 30.0%
7枠 0-2-1-24 0% 7.4% 11.1%
8枠 0-2-1-27 0% 6.7% 10.0%
1、2枠 6-3-3-28 15.0% 22.5% 30.0%
3〜8枠 4-7-7-119 2.9% 8.0% 13.1%

なお、枠番が「3から8枠」、かつ前走がJRAのレースだった馬のうち、そのレースでの上がり3ハロンタイム(推定)順位が「2位以下」だった馬は3着内率7.3%と苦戦している。3枠より外の枠に入った馬を比較する際は、前走の“末脚”に注目した方がよさそうだ。〔表8〕

〔表8〕枠番が「3から8枠」、かつ前走がJRAのレースだった馬の、そのレースの上がり3ハロンタイム(推定)順位別成績(過去10年)
前走の上がり3ハロンタイム(推定)
順位
成績 勝率 連対率 3着内率
1位 3-3-3-16 12.0% 24.0% 36.0%
2位以下 1-4-3-101 0.9% 4.6% 7.3%

前走の4コーナー通過順も重要

過去10年の優勝馬延べ10頭は、いずれも前走がJRAのレース、かつそのレースでの4コーナーの通過順が「7番手以内」だった。一方、「8番手以下」だった馬は3着内率9.4%と苦戦している。臨戦過程を比較する際は、前走での位置取りにも注目したい。〔表9〕

〔表9〕前走がJRAのレースだった馬の、そのレースの4コーナーの通過順別成績(過去10年)
前走の4コーナーの通過順 成績 勝率 連対率 3着内率
7番手以内 10-7-7-96 8.3% 14.2% 20.0%
8番手以下 0-3-2-48 0% 5.7% 9.4%
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強調材料が多い馬に注目

過去6年の優勝馬延べ6頭は、いずれも“前年以降のJRA・GⅠ”において3着以内に入った経験がある馬だった。また、この6頭は年齢が6歳以下だった点、前走の4コーナーの通過順が4番手以内だった点も共通している。〔表1〕、〔表3〕、〔表9〕などで挙げた条件を多くクリアしている馬が有力候補と言えるだろう。〔表10〕

(伊吹 雅也)

〔表10〕優勝馬の「“前年以降のJRA・GⅠ”における最高着順」「年齢」「前走の4コーナーの通過順」(過去6年)
年度 優勝馬 “前年以降のJRA・GⅠ”における最高着順 年齢 前走の4コーナーの通過順
2013年 フェノーメノ 2012年天皇賞(秋)2着ほか 4歳 4番手
2014年 フェノーメノ 2013年天皇賞(春)1着 5歳 3番手
2015年 ゴールドシップ 2014年宝塚記念1着 6歳 2番手
2016年 キタサンブラック 2015年菊花賞1着 4歳 1番手
2017年 キタサンブラック 2017年大阪杯1着ほか 5歳 2番手
2018年 レインボーライン 2017年天皇賞(秋)3着 5歳 4番手

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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