今週の注目レース
中山競馬場 2200メートル(芝・外)別定 4歳以上オープン
グレード制が導入された1984年から2005年までのアメリカジョッキークラブCでは、単勝1番人気馬が〔10・2・2・8〕(3着内率63.6%)と優秀な成績を収めていた。一方、2006年以降の過去13回に限ると、〔2・2・0・9〕(3着内率30.8%)となっており、以前に比べ、1番人気馬の信頼度が下がっている。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の優勝馬延べ10頭中、2009年1着のネヴァブションを除く9頭は“前年のJRAのGⅠもしくはGⅡ”において4着以内に入った経験のある馬だった。該当馬は3着内率37.9%と好走率高い。前年に格の高いレースで好走していた馬を重視すべきだろう。〔表1〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-5-8-36 | 15.5% | 24.1% | 37.9% |
なし | 1-5-2-71 | 1.3% | 7.6% | 10.1% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中23頭は、「前走の着順が1着、もしくは前走の1着馬とのタイム差が0秒6以内」だった。一方、「前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0秒7以上」だった馬は3着内率11.5%と苦戦している。大敗直後の馬は評価を下げたい。〔表2〕
前走の着順とそのレースの1着馬とのタイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
前走が1着、もしくは1着馬とのタイム差が0秒6以内 | 8-6-9-53 | 10.5% | 18.4% | 30.3% |
前走が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0秒7以上 | 2-4-1-54 | 3.3% | 9.8% | 11.5% |
なお、「前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0秒7以上」だった馬のうち、そのレースの条件が「GⅠ以外」だった馬は3着内率2.4%とさらに苦戦している。3着以内に入ったのは2011年2着のミヤビランベリだけである。前走でGⅠ以外のレースを大敗していた馬は、上位争いに食い込む可能性が低いようだ。〔表3〕
前走の条件 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 2-3-1-14 | 10.0% | 25.0% | 30.0% |
GⅠ以外 | 0-1-0-40 | 0% | 2.4% | 2.4% |
過去10年の連対馬延べ20頭は、いずれも前走の馬体重が「470キログラム以上」だった。一方、「470キログラム未満」だった馬は3着内率が6.9%にとどまっている。470キログラム未満の馬は過信禁物と見るべきだろう。〔表4〕
前走の馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
470kg未満 | 0-0-2-27 | 0% | 0% | 6.9% |
470kg以上 | 10-10-8-80 | 9.3% | 18.5% | 25.9% |
過去4年の3着以内馬12頭中10頭は、前走の4コーナーの通過順が「5番手以内」だった。一方、「6番手以下」だった馬は3着内率6.7%と苦戦している。2014年以前は前走の4コーナーを「6番手以下」で通過していた馬の好走も見られたが、近年の傾向を重視するならば、前走で先行していた馬を高く評価したい。〔表5〕
前走の4コーナーの通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5番手以内 | 3-4-3-21 | 9.7% | 22.6% | 32.3% |
6番手以下 | 1-0-1-28 | 3.3% | 3.3% | 6.7% |
過去4年の優勝馬4頭は、いずれも前走との間隔が中3週以上だった。なお、前走との間隔が中2週以内で優勝を果たしたのは、2009年のネヴァブションが最後だ。さらに、この4頭は“前年のJRAのGⅠもしくはGⅡ”において3着以内に入った経験があった点や、前走の着順が1着、もしくは前走の1着馬とのタイム差が0秒4以内だった点、前走の馬体重が470キログラム以上だった点も共通している。〔表1〕、〔表2〕、〔表4〕で挙げた傾向も重視すべきだろう。〔表6〕
(伊吹 雅也)
年度 | 優勝馬 | 前走との間隔 | “前年のJRAのGⅠもしくはGⅡ”における最高着順 | 前走の着順 | 前走の1着馬とのタイム差 | 前走の馬体重 |
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2015年 | クリールカイザー | 中6週 | 2着(アルゼンチン共和国杯) | 3着 | 0秒4 | 490kg |
2016年 | ディサイファ | 中6週 | 1着(札幌記念) | 2着 | 0秒2 | 498kg |
2017年 | タンタアレグリア | 中37週 | 2着(阪神大賞典) | 4着 | 0秒3 | 476kg |
2018年 | ダンビュライト | 中3週 | 3着(皐月賞ほか) | 1着 | - | 478kg |
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