近年のフェアリーSは波乱続き。3連複は2012年以降のここ7年連続で100倍を超える“万馬券”決着だ。さらに、同じく過去7回のうち5回は馬単も“万馬券”決着、3連単は1000倍を超える“10万馬券”決着となっている。前評判があまり高くない伏兵馬にも注目しておくべきレースと言えるだろう。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中25頭は、“JRAの1600メートル以上のレース”において優勝経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率7.9%と苦戦している。今回と同じ1600メートル、もしくはそれより長い距離のレースを勝ったことのある馬が中心だ。〔表1〕
優勝経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-9-7-72 | 9.3% | 18.6% | 25.8% |
なし | 1-1-3-58 | 1.6% | 3.2% | 7.9% |
なお、“JRAの1600メートル以上のレース”において優勝経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った5頭は、いずれも当レースでの馬番が「1から5番」だった。ちなみに、この5頭は当レースでの4コーナーの通過順が4番手以内だった点も共通している。内寄りの枠、かつ先行できそうな馬なら、1600メートル以上のレースで優勝経験がなくともマークしておくべきだろう。〔表2〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜5番 | 1-1-3-21 | 3.8% | 7.7% | 19.2% |
6〜16番 | 0-0-0-37 | 0% | 0% | 0% |
前走の距離別成績をまとめると、前走が「1400メートル以下」だった馬は優勝例がなく、3着内率も7.0%にとどまっている。今回より200メートル以上短い距離のレースを経由してきた馬は、過信禁物と見ておきたい。〔表3〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1400m以下 | 0-1-2-40 | 0% | 2.3% | 7.0% |
1400m超 | 10-9-8-90 | 8.5% | 16.2% | 23.1% |
また、過去10年の3着以内馬30頭中27頭は、“JRAの500万下から上のクラス、かつ1400メートル以下のレース”に出走経験のない馬だった。一方、この経験があった馬は3着内率6.3%と苦戦しており、3着以内に入ったのは2012年3着のダイワミストレスが最後である。500万下から上のクラスの1400メートル以下のレースに出走した経験がある馬も、苦戦する可能性が高いようだ。〔表4〕
出走経験 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-1-2-45 | 0% | 2.1% | 6.3% |
なし | 10-9-8-85 | 8.9% | 17.0% | 24.1% |
過去10年の前走の馬体重別成績を調べると、「440キログラム未満」だった馬は優勝例がなく、3着内率も10.0%にとどまっている。なお、2013年以降の過去6年に限れば、前走の馬体重が440キログラム以上450キログラム未満だった馬も〔0・1・1・16〕(3着内率11.1%)と苦戦している。馬体重が軽い馬は評価を下げるべきだろう。〔表5〕
前走の馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
440kg未満 | 0-2-2-36 | 0% | 5.0% | 10.0% |
440kg以上 | 10-8-8-94 | 8.3% | 15.0% | 21.7% |
過去6年の3着以内馬18頭中13頭は、“前年12月以降のJRAのレース”に出走経験のない馬だった。一方、出走経験があった馬は3着内率11.1%と苦戦している。ちなみに“前年12月以降のJRAの1600メートル以下のレース”に出走経験があった馬は、〔0・0・2・34〕(3着内率5.6%)とさらに苦戦している。阪神ジュベナイルフィリーズを含む前年12月以降のレースを使われていた馬は、過信禁物と見ておきたい。〔表6〕
(伊吹雅也)
出走経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-2-3-40 | 0% | 4.4% | 11.1% |
なし | 6-4-3-38 | 11.8% | 19.6% | 25.5% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。