今週の注目レース
阪神競馬場 2000メートル(芝)ハンデ (牝) 3歳以上オープン
ヴィクトリアマイルから約1か月が経過したばかりではあるが、秋の女王決定戦・エリザベス女王杯に向けた牝馬重賞戦線がここからスタートする。2015年に重賞初挑戦ながら2着に入ったマリアライトは、同年秋のエリザベス女王杯を制覇、2014年の優勝馬ディアデラマドレは同年のエリザベス女王杯で3着に好走している。秋の大一番に向けて飛躍を目指す牝馬による一戦にどんな傾向があるのか、過去10年のデータを分析する。
過去10年の出走馬について、前走の条件別に成績をまとめると、好走率で上位となっているのが「1000万下」組と「オープン特別」組。また、3着以内馬の数では「1600万下」組が最も多く、3着以内馬30頭中20頭を前走で重賞以外のレースに出走していた馬が占めている。ハンデ戦でもあり、前走が「オープン特別」や「条件クラスのレース」だった馬の軽視は禁物だ。〔表1〕
前走の条件 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GT | 0-1-3-22 | 0% | 3.8% | 15.4% |
GU | 1-0-2-8 | 9.1% | 9.1% | 27.3% |
GV | 1-2-0-18 | 4.8% | 14.3% | 14.3% |
オープン特別 | 3-2-1-13 | 15.8% | 26.3% | 31.6% |
1600万下 | 3-3-3-38 | 6.4% | 12.8% | 19.1% |
1000万下 | 2-2-1-10 | 13.3% | 26.7% | 33.3% |
500万下 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の年齢別成績を調べると、「5歳」の好走率が最も高く、それに小差で「6歳」が続いており、3着以内馬30頭中22頭を「5歳」と「6歳」の馬が占めている。また、「6歳」の3着以内馬5頭は全て単勝9番人気以下で、「7歳以上」で3着に入った1頭も同10番人気と、6歳以上で好走した馬が全て下位人気だった点は覚えておきたい。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 2-1-4-30 | 5.4% | 8.1% | 18.9% |
5歳 | 7-6-4-55 | 9.7% | 18.1% | 23.6% |
6歳 | 1-3-1-18 | 4.3% | 17.4% | 21.7% |
7歳以上 | 0-0-1-5 | 0% | 0% | 16.7% |
過去10年の出走馬について、前走の4コーナーでの位置別に成績を調べると、「2、3番手」組と「10番手以下」組が3着内率で25%を超えている。なお、「2、3番手」組の3着以内馬8頭中6頭が単勝6番人気以下で、「10番手以下」組の3着以内馬11頭中5頭が単勝7番人気以下となっており、下位人気馬の好走例が多い点からも、この2組に注目してみたい。〔表3〕
前走の4コーナーでの位置 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 1-1-0-9 | 9.1% | 18.2% | 18.2% |
2、3番手 | 3-2-3-23 | 9.7% | 16.1% | 25.8% |
4〜9番手 | 2-5-2-47 | 3.6% | 12.5% | 16.1% |
10番手以下 | 4-2-5-32 | 9.3% | 14.0% | 25.6% |
2010年以降の過去8年の優勝馬について、過去4走での重賞成績をチェックすると、重賞勝ちの実績があったのは2頭で、残る6頭のうち5頭は勝ち馬と0秒6以内のタイム差でゴールした経験があった。近走で重賞を勝利しているか、勝利経験がなくても勝ち馬に大きく離されることなくゴールした経験がある馬に注目したい。 〔表4〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 過去4走での重賞成績 |
---|---|---|
2010年 | ブライティアパルス | 福島牝馬S(7着、0秒6)、中山牝馬S(8着、0秒5) |
2011年 | フミノイマージン | 金鯱賞(6着、1秒2)福島牝馬S(1着)、中山牝馬S(2着、0秒4) |
2012年 | グルヴェイグ | エリザベス女王杯(14着、1秒4) |
2013年 | マルセリーナ | 阪神牝馬S(6着、0秒4)、阪神C(12着、0秒7)、マイルCS(11着、0秒8) |
2014年 | ディアデラマドレ | エリザベス女王杯(9着、0秒6) |
2015年 | シャトーブランシュ | 中山牝馬S(5着、0秒4) |
2016年 | リラヴァティ | エリザベス女王杯(9着、0秒4) |
2017年 | マキシマムドパリ | 愛知杯(1着)、エリザベス女王杯(9着、0秒8) |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。