今週の注目レース
阪神競馬場 1800メートル(ダート)別定 4歳以上オープン
2013年のアンタレスSで自身4度目の重賞制覇を果たしたホッコータルマエは、次走のかしわ記念を皮切りに、国内のGⅠ・JpnⅠ競走で計10勝をマークした。この他にも、2012年の優勝馬ゴルトブリッツが次走の帝王賞で1着、2014年の優勝馬ナムラビクターが同年のチャンピオンズCで2着、2016年の優勝馬アウォーディーが同年のJBCクラシックで1着となるなど、ダートグレード競走の古馬中長距離戦線につながっていく重要な一戦だ。今回は京都・ダート1800メートルで行われていた2011年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみよう。
過去10年の出走馬の年齢別成績を調べると、8歳以上の馬は3着以内に入った例がない。また、3着内率は若い馬ほど高くなっている。年齢が若い馬ほど信頼できるレースと言えそうだ。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 3-5-4-28 | 7.5% | 20.0% | 30.0% |
5歳 | 5-2-1-31 | 12.8% | 17.9% | 20.5% |
6歳 | 2-1-4-36 | 4.7% | 7.0% | 16.3% |
7歳 | 0-2-1-21 | 0% | 8.3% | 12.5% |
8歳 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
9歳 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
また、過去10年の3着以内馬延べ30頭中、2009年2着のワンダースピードを除く29頭は、通算出走数が「30戦以内」だった。高齢馬だけでなく、キャリアが豊富な馬も評価を下げたい。〔表2〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
30戦以内 | 10-9-10-87 | 8.6% | 16.4% | 25.0% |
31戦以上 | 0-1-0-39 | 0% | 2.5% | 2.5% |
過去10年の出走馬延べ156頭中、4割弱にあたる58頭は、前走が「マーチS」だった。ただし、「マーチS」組は優勝例がなく、3着内率も10.3%にとどまっている。今年も“マーチS組”は苦戦する可能性が高いと見ておくべきだろう。〔表3〕
前走のレース | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
マーチS | 0-4-2-52 | 0% | 6.9% | 10.3% |
その他のレース | 10-6-8-74 | 10.2% | 16.3% | 24.5% |
なお、前走が「マーチS」だった馬のうち、年齢が「5歳以上」だった馬は3着内率2.2%とさらに苦戦している。前走で「マーチS」を使われていた5歳以上の馬は割り引きが必要だ。〔表4〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 0-4-1-8 | 0% | 30.8% | 38.5% |
5歳以上 | 0-0-1-44 | 0% | 0% | 2.2% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中12頭は、前年以降に“JRAのダート1800メートルのGⅠかGⅡ”において9着以内に入った経験のある馬だった。ちなみに、昨年の1〜3着馬はいずれもこの経験があった馬である。昨年の東海SやチャンピオンズC、今年の東海Sで9着以内に入っていた馬がいたらぜひ注目してみたい。〔表5〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-4-5-18 | 10.0% | 23.3% | 40.0% |
なし | 7-6-5-108 | 5.6% | 10.3% | 14.3% |
なお、前年以降に“JRAのダート1800メートルのGⅠかGⅡ”において9着以内に入った経験がなかった馬のうち、前走の着順が「3着以下」だった馬の優勝例はなく、3着内率も7.5%にとどまっている。前出の条件を満たしていない馬同士を比較する際は、前走の着順を素直に評価すべきだろう。〔表6〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2着以内 | 7-4-1-34 | 15.2% | 23.9% | 26.1% |
3着以下 | 0-2-4-74 | 0% | 2.5% | 7.5% |
阪神・ダート1800メートルで行われるようになった2012年以降の3着以内馬延べ18頭中12頭は、前走の4コーナーの通過順が「3番手以内」だった。一方、「4番手以下」だった馬は優勝例がなく、3着内率も10.2%にとどまっている。近年の傾向を重視するならば、前走で先行していた馬に注目したいところだ。〔表7〕
前走の4コーナーの通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番手以内 | 6-4-2-25 | 16.2% | 27.0% | 32.4% |
4番手以下 | 0-2-4-53 | 0% | 3.4% | 10.2% |
過去6年の優勝馬6頭は、いずれも“JRAのダート1800〜2000メートルの重賞”において連対経験のある馬だった。JRAのダート中距離重賞で連対経験のない馬は評価を下げるべきだろう。また、この6頭は通算出走数が29戦以下だった点、前走が“マーチS以外のレース”だった点、前走の4コーナーの通過順が3番手以内だった点も共通している。〔表2〕〔表3〕〔表7〕あたりの傾向も重視したい。〔表8〕
(伊吹 雅也)
年度 | 優勝馬 | JRAのダート1800〜2000メートルの重賞における最高着順 | 通算出走数 | 前走のレース | 前走の4コーナーの通過順 |
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2012年 | ゴルトブリッツ | 1着(2011年アンタレスS) | 17戦 | 仁川S | 先頭 |
2013年 | ホッコータルマエ | 1着(2012年レパードS) | 15戦 | 名古屋大賞典 | 2番手 |
2014年 | ナムラビクター | 2着(2012年レパードS) | 14戦 | 仁川S | 2番手 |
2015年 | クリノスターオー | 1着(2014年シリウスSほか) | 15戦 | チャンピオンズC | 先頭 |
2016年 | アウォーディー | 1着(2015年シリウスS) | 29戦 | 名古屋大賞典 | 2番手 |
2017年 | モルトベーネ | 2着(2017年東海S) | 24戦 | 名古屋大賞典 | 3番手 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。