今週の注目レース
中山競馬場 2000メートル(芝)定量 牡・牝 3歳オープン
クラシック三冠の開幕戦となる皐月賞の過去10年の優勝馬を見ると、単勝1番人気で優勝したのは2010年のヴィクトワールピサと2013年のロゴタイプの2頭だけ。その一方で、2008年に7番人気で優勝したキャプテントゥーレ、2016年に8番人気で優勝したディーマジェスティ、2017年に9番人気で優勝したアルアインといった人気薄の馬が皐月賞のタイトルを勝ち取っている。数々の名馬が名を連ねてきた激闘の系譜に、今年はどんな1ページが書き加えられるのか。東京競馬場で開催された2011年を含めた過去10年の結果を中心に、参考になりそうなデータをピックアップする。
過去10年の出走馬の前走のレース別成績をまとめると、該当馬が10頭以上いたレースの中では「共同通信杯」組が4勝を挙げ勝率40%という高い数値を叩き出している。その優勝馬4頭の共同通信杯での着順の内訳は、1着が3頭、2着が1頭となっている。また、「スプリングS」からも4頭の連対馬が出ているが、その4頭のスプリングSでの着順の内訳は1着が3頭、2着が1頭となっている。その一方で、7頭が連対している「弥生賞」組は、7頭中3頭が弥生賞で3着以下に敗れていた(残る4頭は1着)。主要な前哨戦の中でも、弥生賞組に限れば、3着以下に敗れていた馬でも軽視は禁物だろう。〔表1〕
前走のレース | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
共同通信杯 | 4-0-1-5 | 40.0% | 40.0% | 50.0% |
スプリングS | 3-1-2-42 | 6.3% | 8.3% | 12.5% |
弥生賞 | 2-5-4-33 | 4.5% | 15.9% | 25.0% |
毎日杯 | 1-0-0-12 | 7.7% | 7.7% | 7.7% |
若葉S | 0-3-1-18 | 0% | 13.6% | 18.2% |
アーリントンC | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
きさらぎ賞 | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
京成杯 | 0-0-1-3 | 0% | 0% | 25.0% |
その他のレース | 0-0-0-23 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬について、過去2走以内における芝1800メートル以上の重賞での最高着順別に成績を調べると、連対馬20頭中14頭、3着以内馬30頭中19頭は最高着順が「1着」だった。「1着」組は好走率でも断トツの数値をマークしている。近走で芝1800メートル以上の重賞を勝利していた馬は、高く評価すべきだろう。〔表2〕
最高着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 8-6-5-39 | 13.8% | 24.1% | 32.8% |
2着 | 1-1-1-27 | 3.3% | 6.7% | 10.0% |
3着 | 0-0-2-17 | 0% | 0% | 10.5% |
4着 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
5着 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
6〜9着 | 0-0-1-11 | 0% | 0% | 8.3% |
10着以下 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
不出走 | 0-3-1-28 | 0% | 9.4% | 12.5% |
過去10年の出走馬について、過去3走以内の最低単勝人気別に成績を調べると、最低単勝人気が「1番人気」、つまり過去3走いずれも1番人気に支持されていたグループが3着内率で60.0%という高い数値をマークしている。また、連対率と3着内率で「2番人気」組と「3番人気」組が2、3番手で続いている。近走で最も単勝人気が低かったレースにおいても「3番人気以内」に支持されていた馬を重視した方がよさそうだ。〔表3〕
最低単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-4-2-6 | 20.0% | 46.7% | 60.0% |
2番人気 | 1-2-3-13 | 5.3% | 15.8% | 31.6% |
3番人気 | 3-2-1-19 | 12.0% | 20.0% | 24.0% |
4番人気 | 0-1-1-18 | 0% | 5.0% | 10.0% |
5番人気 | 1-0-2-21 | 4.2% | 4.2% | 12.5% |
6〜9番人気 | 2-1-1-49 | 3.8% | 5.7% | 7.5% |
10番人気以下 | 0-0-0-21 | 0% | 0% | 0% |
東京競馬場で開催された2011年を除き、2007年以降に中山競馬場で行われた過去10回の皐月賞の出走馬について、前走の4コーナーの通過順別に成績をまとめると、「先頭」「2〜4番手」「5〜9番手」の各組が勝率でほぼ同等の数値で並んでいる。しかし、連対率では「2〜4番手」組と「5〜9番手」組が数値を伸ばし、3着内率では「2〜4番手」組だけが20%を超えている。フォーメーションを組む際には、参考になりそうなデータだ。〔表4〕
前走の4コーナーの通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 1-0-1-13 | 6.7% | 6.7% | 13.3% |
2〜4番手 | 5-5-6-59 | 6.7% | 13.3% | 21.3% |
5〜9番手 | 4-4-3-48 | 6.8% | 13.6% | 18.6% |
10番手以下 | 0-1-0-27 | 0% | 3.6% | 3.6% |
2011年以降の過去7年の優勝馬が初勝利を挙げた際に2着馬につけたタイム差を調べてみると、7頭中6頭は「0秒0〜0秒2」差、着差にすると2着馬と「1馬身半差以内」の着差で初勝利を挙げており、残る1頭(2015年のドゥラメンテ)は「1秒0」差の圧勝だった。なお、以前は初勝利時の2着馬とのタイム差が「0秒3〜0秒9」差だった馬が皐月賞を優勝するケースも多かったが、2008年以降の過去10年に限れば、2010年のヴィクトワールピサ(0秒6差)しか優勝していない。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 初勝利時の2着馬とのタイム差 |
---|---|---|
2011年 | オルフェーヴル | 0秒2 |
2012年 | ゴールドシップ | 0秒0 |
2013年 | ロゴタイプ | 0秒0 |
2014年 | イスラボニータ | 0秒2 |
2015年 | ドゥラメンテ | 1秒0 |
2016年 | ディーマジェスティ | 0秒0 |
2017年 | アルアイン | 0秒1 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。