今週の注目レース

エリザベス女王杯(GⅠ)

京都競馬場 2200m(芝・外)定量 (牝) 3歳以上オープン

出走馬情報

ヴィブロス

牝4歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ハルーワスウィート
  • 母の父:Machiavellian
ここに注目!

前哨戦(府中牝馬S、2着)を使って中3週で本番という、青写真通りのローテーション。本レースが秋の最大目標で、この後は休養に入る予定になっているため、勝負度合いは高いと言える。以前よりもはるかにパワーアップした馬体からは、以前のようなひ弱さは感じられない。

前々走のドバイターフ(G1、メイダン・芝1800m)を制し、昨年の秋華賞に続くGⅠ2勝目を海外でマークした。デビュー時よりはボリュームアップしたとはいえ、420kg程度の小柄な牝馬による海外遠征は厳しいのではないかという声もあったが、ドバイはいわゆる“滞在競馬”で、レース当日の輸送がない。これが本馬にとっては大きかったのではないかと、現地に同行したスタッフは話していた。約6か月半ぶりの実戦で2着だった前走の府中牝馬Sは434kg。長距離輸送を挟んだうえでの体重増は、さらなる成長を証明するものだろう。輸送距離の短い京都の方が能力を発揮しやすいのは、同コースで〔2・1・0・0〕という成績を見れば一目瞭然だ。

ルージュバック

牝5歳

調教師:大竹正博(美浦)

  • 父:マンハッタンカフェ
  • 母:ジンジャーパンチ
  • 母の父:Awesome Again
ここに注目!

中間は短期放牧を挟んでの調整だが、帰厩から10日で競馬に挑むこともあった以前と比べると、トレーニング・センターで調整する期間が長い。これは、前走の産経賞オールカマー(1着)の時と同じだ。前走の素晴らしいパフォーマンスからも、このパターンが合うのだろう。

前走の産経賞オールカマーで4つ目の重賞タイトルを獲得。その全てが牡馬混合のレースで、逆に牝馬限定レースではGⅢさえも勝てていない不思議な馬だ。その産経賞オールカマーを前哨戦に選んだ点が、今回の大きなポイント。得意とする東京で毎日王冠や府中牝馬Sといったレースがあるにもかかわらず、勝ち星を挙げていなかった中山に出走したのは、本番と同じ芝2200mの距離を求めたのが理由だろう。念願のGⅠ制覇へ向け、R.ムーア騎手に騎乗を依頼したことも含め、今回にかける勝負度合いは非常に高いと言えそうだ。一昨年のきさらぎ賞に勝ち鞍があり、休み明けで挑んだ同年のエリザベス女王杯が勝ち馬から0秒1差の4着。京都・芝コースへの苦手意識はないはずだ。

ディアドラ

牝3歳

調教師:橋田満(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:ライツェント
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

しっかりと負荷をかけて挑んだ秋華賞(1着)が、12kg増の馬体重。陣営は“タフ”という言葉で本馬を表しているが、3歳秋を迎えての成長力も大幅な馬体増の一因だろう。血統的に200mの距離延長は望むところで、馬場状態を問わない強みもある。

前走の秋華賞でGⅠ初制覇を達成。3コーナー過ぎから距離ロスの少ない馬場の最内へと馬を誘導し、直線を向いた時点で前を射程圏に入れたC.ルメール騎手の手腕が光ったレースだった。もちろん、鞍上の要求に応えた馬自身の対応力も見事で、それを可能にしたのは、京都・芝の内回りコースの特性を考え、オークス(4着)以降はコーナー通過が4回のレースにこだわって出走させてきた陣営の選択だろう。トリッキーなコース形態にも対応できる柔軟さを身に付けたことが、大舞台で大輪の花を咲かせた理由と考えられる。本質的には直線の長いコースが合うタイプ。条件はむしろ今回の方がいいくらいだ。

スマートレイアー

牝7歳

調教師:大久保龍志(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:スノースタイル
  • 母の父:ホワイトマズル
ここに注目!

通算27戦と豊富なキャリアを誇るが、京都・芝コースでの勝利は前走の京都大賞典が初めてだった。全9勝のうち6勝が阪神・芝コースで、京都・芝の外回りコースに強いと言われるディープインパクト産駒だが、本馬はそのイメージとは異なるタイプなのかもしれない。

衰えても不思議のない7歳の牝馬だが、本馬は現在こそがピークと言える走りを見せている。サトノクラウン(1着)に食い下がり2着に好走した2月の京都記念の走りにも驚かされたが、出走馬中最速の上がり3ハロン33秒4(推定)の末脚を発揮して牡馬の強敵を一気に差し切った前走の京都大賞典は、さらなるインパクトを与えたレースだった。5月15日の遅生まれということも関係しているのかもしれないが、すでに真っ白な馬体からは年齢を感じさせるだけに、常識では測ることができない馬なのだろう。重賞を4勝している本馬に欠けているのがGⅠのタイトル。今回、大願成就となるか、注目したい。

クロコスミア

牝4歳

調教師:西浦勝一(栗東)

  • 父:ステイゴールド
  • 母:デヴェロッペ
  • 母の父:ボストンハーバー
ここに注目!

デビュー時は400kgに満たなかった馬体重が、前走の府中牝馬S(1着)では424kg。小柄な馬ながらも充実期に入っていると考えていいだろう。精神面の成長が顕著で、リフレッシュされた今夏以降は、ほぼ崩れていない。今回も能力を存分に出してくれるはずだ。

前走の府中牝馬Sで重賞初制覇を達成。前半1000m通過タイム1分01秒9のスローペースで逃げることができたのは確かに大きかったが、この馬の後ろを走っていた先行勢は、差してきた3頭のGⅠ馬にきっちりと捕まっている。上がり3ハロンを11秒2−11秒0−11秒5と速いラップを刻んだ本馬の地力強化は認識すべきだろう。稍重の前走を勝ち、重馬場だった昨年のローズSで2着。父がステイゴールド、母の父がボストンハーバーという血統通り、力の要る馬場を苦にしないタイプだ。その一方で、4走前の1000万下・北斗特別(函館・芝1800m)を1分45秒7のコースレコードで勝った成績もあり、良馬場のスピード勝負になったとしても見劣りすることはない。

リスグラシュー

牝3歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:リリサイド
  • 母の父:American Post
ここに注目!

春から4kg増だった前々走のローズS(3着)は、放牧で減った馬体を戻しながらの調整だった。数字上はプラス2kgでも、引き締まった馬体で登場した前走の秋華賞(2着)では、大幅な状態アップが感じられた。他の馬よりも線は細く見えるが、脚力は優にGⅠレベルだ。

ここまで2勝で、獲得した重賞タイトルもGⅢ1つ(昨年のアルテミスS)とあれば、例年以上に豪華メンバーが集まった感のある今年の出走馬の中では、実績的に見劣りするのは否めない。それでも本馬を無視できない理由は、GⅠで3度の2着があるためだ。休み明け2走目で狙いを定めた一戦だった前走の秋華賞は、勝ったディアドラに0秒2差の2着。勝負どころで最内を通った勝ち馬と外を強気に動いていった本馬とのコース取りの差を考えれば、“負けて、なお強し”の内容だったと評価できるだろう。春のオークス(5着)では思ったほど弾けなかったが、血統的には距離が延びてこそのタイプ。直線が長い芝の外回りコースに替わるのも、プラス材料だろう。

クイーンズリング

牝5歳

調教師:吉村圭司(栗東)

  • 父:マンハッタンカフェ
  • 母:アクアリング
  • 母の父:Anabaa
ここに注目!

前走の府中牝馬S(4着)時の470kgは、キャリア最高の馬体重。東京への長距離輸送があっての数字であることを考慮すれば、飼葉食いが旺盛という陣営の話にも納得できる。3歳時は頼りなく感じた腰周りの肉付きがしっかりしており、競走馬として完成されてきた感がある。

昨年のエリザベス女王杯で念願のGⅠ初制覇を達成。今年は連覇を狙っての出走になる。GⅠ馬になって以降の4戦は勝ち星を挙げていないが、4走前の香港カップ(G1、シャティン・芝2000m)は、初の海外遠征に加えて、外枠スタート(12頭立ての11番)がこたえたもの。3走前の阪神牝馬S(15着、重)と前々走のヴィクトリアマイル(6着、稍重)は、共に水分を含んだ馬場に脚を取られていた印象があった。4着だった前走の府中牝馬Sも、稍重の馬場コンディションに加えてスタートの出遅れが響いた感があり、力負けという印象はなかった。馬場や展開の影響に左右されやすいタイプだが、ここでも上位の能力は持っているはずだ。

ミッキークイーン

牝5歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ミュージカルウェイ
  • 母の父:Gold Away
ここに注目!

栗東トレーニング・センターに帰厩したのが10月半ば。小柄な馬体から仕上がりに時間のかからないイメージを持ちがちだが、実際はレースを使われながら良化するタイプだ。休み明け初戦は出遅れたり行き脚がつかなかったりすることがあるので、当日の落ち着きも鍵になる。

一昨年にオークスと秋華賞の牝馬二冠を制し、今年の宝塚記念では、勝ったサトノクラウンから0秒3差の3着に好走。秋華賞以降の勝利が3走前の阪神牝馬Sだけという状況に物足りなさを感じるものの、今回の出走馬の中では上位の実績を持っていることは間違いないだろう。問題は、約4か月半の休み明けで能力を発揮できるのかというところだろう。今回より長い約6か月の休み明けで臨んだ昨年の本レースでは3着。この結果を好走と呼ぶかどうかは、見解の分かれるところだ。順調に使われている有力馬が多い一戦だけに、力を出せる仕上がりになっているかどうか、レース当日の気配をしっかりとチェックしたい。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

ページトップへ戻る
表示モード: