今週の注目レース

一年の想い、そして明日への夢を乗せた大一番!「第56回 有馬記念」
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出走馬情報

ブエナビスタ

昨年の天皇賞(秋)を快勝後、1年以上も勝ち星から遠ざかっていたが、今年の凱旋門賞を圧勝したデインドリームも参戦した前走のジャパンカップを、中団待機から鮮やかに差し切り勝ち。走行妨害で1位入線2着降着となった昨年のジャパンカップの無念を晴らすとともに、現役最強馬の実力をあらためてアピールした。ラストランの舞台となる中山・芝コースでは2戦して未勝利だが、その内訳は一昨年と昨年の有馬記念でいずれも2着に惜敗というもの。GI・JpnI 4勝の東京・芝コースに比べると物足りなく感じるのは確かでも、評価を落とす材料とは言えない。“3度目の正直”で、グランプリ戴冠のチャンスは十分あるだろう。

 

オルフェーヴル

圧倒的な強さで今年のクラシック三冠を制した3歳最強馬にとって、今回のテーマは“古馬との力関係”の一点。未対戦とあって比較は難しいが、日本ダービー、神戸新聞杯、菊花賞ですべて2着に退けたウインバリアシオンが、古馬と初めて対戦したジャパンカップで優勝馬ブエナビスタと0秒5差の5着。これは、一つの物差しになるだろう。あえて死角を探すなら、中山・芝コースが〔0・1・0・0〕で未勝利という点だが、唯一出走した2歳時のオープン特別・芙蓉S(芝1600m)は、勝ち馬のホエールキャプチャと同タイムの2着。全兄ドリームジャーニーが2009年の有馬記念優勝馬という血統背景からも、コース適性を疑問視する必要はないだろう。

 

トーセンジョーダン

前々走の天皇賞(秋)制覇に続く、GI 連勝を狙った前走のジャパンカップは、惜しくもクビ差の2着に惜敗。しかし、直線で外から優勝馬ブエナビスタに交わされたあとも、懸命に差し返そうとする根性を見せていた。天皇賞(秋)が7番人気、ジャパンカップも6番人気と前評判は高くなかったが、いずれも堂々たる内容での好走で、現役最強クラスの仲間入りを果たしている。この有馬記念は、過去10年のうち8回でレースの上がり3ハロンタイムが35〜36秒台と、スローの瞬発力勝負になるケースは稀だ。上がりを要するタフな展開を得意としているこの馬にとっては、持ち味を十分に引き出せる絶好の舞台と言えるだろう。

 

ヴィクトワールピサ

中山・芝コースに限れば、これまで4戦全勝。文句なしに現役最上位の実績を誇っている。その中身も、GI の皐月賞・有馬記念に、GII の弥生賞・中山記念と、ハイレベルなレースばかりだ。皐月賞は後方待機から豪快な差し切り勝ち、有馬記念は好位追走から早めに抜け出す積極策で優勝。器用さを要求される中山・芝コースでは、この自在性が大きな強味となっているのだろう。13着に大敗した前走のジャパンカップは、8か月の休み明けで本調子になかった印象で、東京・芝コースも通算〔0・0・2・1〕といまひとつの戦績。負け知らずの中山ターフで、劇的な復活Vというドラマを演じる可能性は十分にある。

 

アーネストリー

上半期のグランプリ・宝塚記念でブエナビスタを1馬身半差の2着に退けた実力馬。今秋の始動戦となった前々走の産経賞オールカマーでは、59キロの斤量を背負って楽勝。宝塚記念に続く2つ目のGI タイトル奪取に向けて上々の滑り出しを切ったが、続く前走の天皇賞(秋)に試練が待っていた。逃げたシルポートが作り出した1000m通過タイム56秒5の超ハイペースを、3番手追走から早めに負かしに行く形になり、直線残り400m地点から完全に失速、14着に大敗した。東京・芝2000mの大外18番枠からスタートで出遅れ、好位につけるまで押して行ったのが大きく影響したのかもしれない。今回は距離が500m延びて、直線が短い中山・芝コースに替わり、シルポートのような大逃げを打つタイプの馬も不在で極端なハイペースにはなりそうもない。条件は大幅に好転しており、大敗後でも軽視は禁物だろう。

 

レッドデイヴィス

前走の鳴尾記念は骨折による約7か月の休養明け。さらに、古馬とは初対戦とあって4番人気止まり。しかし、レースでは後方待機から外を回って徐々に進出、上がり3ハロン33秒6(推定)の末脚を繰り出して、並み居る強豪を力でねじ伏せた。この一戦を含め、好走歴は1800m以下の距離に限られているが、芝2000m以上の距離に初めて出走した前々走の京都新聞杯(10着)はレース中に骨折していたもので、参考外と言える。母ディクシージャズの半弟で伯父にあたるデルタブルースは、2004年の菊花賞を優勝したほか、2006年には豪州最高峰のG1・メルボルンC(フレミントン・芝3200m)も制した名ステイヤー。一気に700m距離が延びる今回も、不安より楽しみのほうが大きい。

 
特別登録を行った馬の中からファン投票の得票数上位10頭が優先的に出走できるグランプリ・有馬記念。ファン投票のトップ10で出走を回避したのは、6位アパパネと10位ウインバリアシオンの2頭のみで、人気、実力ともに現役を代表するスターホースが一同に集結。登録馬16頭中GI ホースが11頭という、まさしく“夢の競演”が実現することになった。特に注目を集めるのは、このレースが現役ラストランとなるブエナビスタと、今年のクラシック三冠を制したオルフェーヴルの初対決。名牝が有終の美を飾るのか、三冠馬が世代交代を告げるのか、それともこの2頭の間隙を突いてグランプリの栄冠を勝ち取る馬が現れるのか? ゲートインの瞬間が、今から待ち遠しい。

前走のジャパンカップ優勝後、この有馬記念を最後に引退し、繁殖入りすることがオーナーサイドから発表されたブエナビスタ(牝5・松田博資)。強烈な決め手と卓越した安定感で、日本の競馬の頂点に君臨してきた希代の名牝の走りが見られるのも、このレースが最後となる。これまでに積み上げてきたGI・JpnI のタイトルは、2008年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2009年の桜花賞・オークス、2010年のヴィクトリアマイル・天皇賞(秋)、そして今年のジャパンカップと、4年連続で合計6つ。2年連続してファン投票1位に選ばれた有馬記念で、7つ目の勲章を手に入れて引退の花道を飾ることができるのか、大注目の一戦だ。

もしブエナビスタの名前がなければ、今年の有馬記念はオルフェーヴル(牡3・池江泰寿)一色になっていたかもしれない。皐月賞・日本ダービー・菊花賞を、いずれも後続をまったく寄せつけない強さで圧勝。JRA史上7頭目のクラシック三冠馬に輝いた。デビュー当時は若さが目立ち、3戦目の京王杯2歳Sでは10着という大敗も経験したが、6戦目となったスプリングS(阪神・芝1800mで開催)での重賞初制覇を皮切りに、破竹の5連勝で現3歳世代の頂点に立った。古馬とは初対戦となるこの有馬記念で、4つ目のGI タイトルを手に入れることができれば、JRA賞年度代表馬も当確だろう。

今年の夏以降、素晴らしいパフォーマンスを見せているトーセンジョーダン(牡5・池江泰寿)。約2か月の休み明けとなった3走前の札幌記念を制して臨んだ前々走の天皇賞(秋)は、豪華メンバーが揃ったこともあって7番人気の低評価だったが、中団待機から直線で力強く抜け出し、1分56秒1という驚異的なJRAレコードでGI 初制覇を飾った。続く前走のジャパンカップでも、天皇賞(秋)で4着に退けたブエナビスタに逆転は許したものの、2番手追走から早めに抜け出す積極策で2着を確保した。5歳秋を迎えて完全に本格化しており、今回も好勝負は間違いないだろう。

今年3月26日の国際G1・ドバイワールドC(メイダン・オールウェザー2000m)で、日本馬として初優勝の快挙を成し遂げたヴィクトワールピサ(牡4・角居勝彦)。国内でも昨年に皐月賞と有馬記念を制しており、GI タイトルは3つ保持。今年の豪華メンバーの中でも実績は上位と言える。この秋は凱旋門賞制覇を目指したものの、海外遠征先でのアクシデントにより出走を断念。前走のジャパンカップは実に8か月ぶりの実戦でこの馬本来の走りが見られず、13着に大敗した。前走後は栗東トレーニング・センターでプール調教と坂路・CWコースを併用しながら順調に乗り込まれており、体調面では相当な上積みが見込めそう。4戦全勝の中山・芝コースなら、一変する可能性も十分ある。

アーネストリー(牡6・佐々木晶三)は、上半期のグランプリ・宝塚記念でGI 初制覇を達成した。それも2番手追走から早めに抜け出す横綱相撲で、2着馬ブエナビスタに1馬身半差をつけて危なげなくゴールイン。走破タイム2分10秒1はコースレコードと、内容的にも堂々たる勝ちっぷりだった。2009年の秋シーズンに本格化を迎えてからは、安定した先行力で現役トップクラスの走りを続けてきている。前走の天皇賞(秋)では、14着と思わぬ大敗を喫したが、超ハイペースに巻き込まれて持ち味を出せずに終わった。持ち味の先行力を活かせる中山・芝コースに替わる今回は、地力を見直す必要がある。

今年の3歳クラシック戦線はオルフェーヴルの独壇場だったが、その陰に1頭の大物が隠れていた。約7か月ぶりの実戦となった前走の鳴尾記念を豪快に差し切ったレッドデイヴィス(せん3・音無秀孝)は、まだ能力の底を見せていない印象がある。元々、せん馬のためにクラシックの出走権はなかったものの、今年に入ってシンザン記念→毎日杯とGIII を連勝した逸材。そのシンザン記念では、のちの三冠馬オルフェーヴルを1馬身半差の2着に退けている。距離もコースも未経験のうえに、相手関係も一気に強化されるが、大駆けの可能性を秘めている。

ヒルノダムール(牡4・昆貢)は、今年の天皇賞(春)の優勝馬。その後のフランス遠征では、初戦の国際G2・フォワ賞で2着に好走したものの、本番の国際G1・凱旋門賞(いずれもロンシャン・芝2400m)では10着に完敗した。帰国後はジャパンカップに登録したが、調整期間が短いことなどを考慮して出走を回避。この有馬記念に目標を切り替えて、じっくりと乗り込まれてきた。調教で見せる動きは、ひと追いごとにグングン良くなっており、好調時の雰囲気に近づいてきている。皐月賞2着の実績から、中山・芝コースの適性にも太鼓判を押せる。

2010年の天皇賞(春)を制したジャガーメイル(牡7・堀宣行)も、まだまだ衰えは感じられない。東京・芝2000mでJRAレコード決着となった前々走の天皇賞(秋)は9着に敗れたが、距離が400m延びた前走のジャパンカップでは、14番人気の低評価を覆し、後方追走からゴール前で鋭い伸び脚を見せて3着に食い込んだ。過去3年は、いずれも12月に香港へ遠征していたため、7歳にして有馬記念は初挑戦。3歳秋のデビュー当初で条件クラスの戦績とはいえ、中山・芝コースにも〔1・1・0・2〕と良績があるだけに、侮れない存在だ。

この秋のパフォーマンスはひと息ながら、ハイレベルと謳われてきた現4歳世代の強豪たちも多数スタンバイしている。天皇賞(秋)→ジャパンカップの“王道”を歩んできた4頭に注目。昨年のダービー馬エイシンフラッシュ(牡4・藤原英昭)、昨年のジャパンカップ優勝馬ローズキングダム(牡4・橋口弘次郎)、今年の日経賞(阪神・芝2400mで開催)など重賞3勝のトゥザグローリー(牡4・池江泰寿)、天皇賞(秋)で2010年2着、2011年3着の実績があるペルーサ(牡4・藤沢和雄)は、いずれも前走のジャパンカップで8着、9着、11着、16着と大敗しているが、この1戦だけで見限るのは早計だろう。もう1頭、春の宝塚記念(5着)以来、半年ぶりの実戦となるルーラーシップ(牡4・角居勝彦)も、超一流の素質馬。休み明けを差し引いても、マークしておく必要があるだろう。
※ペルーサ号は12月24日(土)6:30に出走取消

(鳥谷越 明)

ご注意:当コーナーの情報は、制作段階の情報に基づき制作されております。出走回避などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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