海外競馬発売

ベルモントステークス(G1)

ベルモントパーク競馬場 2400メートル(ダート)3歳

発売開始時刻
日本時間6月8日(土曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:午前9時20分または午前9時30分
発走予定時刻
日本時間6月9日(日曜)午前7時37分

2019年ベルモントステークスコラム

太字はベルモントS出走予定馬
6月7日(金曜)時点での情報を基に執筆

プリークネスS覇者・ウォーオブウィルの二冠なるか

1位入線馬が進路妨害で降着になるという、前代未聞の幕開けとなった今年のアメリカ3歳三冠シリーズだが、あれから5週間が経過し、早くもシリーズの大団円を迎えようとしている。総賞金150万ドル(1億6500万円。1ドル=110円で換算)の3歳三冠最終戦ベルモントS(G1・アメリカ)が、コンパクトな頭数で争われるというのは、例年通りのことだ。

ベルモントパークの距離1.5マイル(ダート2400メートル)を舞台としたこの競走は、「テスト・オブ・ザ・チャンピオン」というのが別称だ。北米競馬の年間開催スケジュールの中に、ダートを舞台としたこの距離のレースは、他には滅多に見られず、ほとんどの出走馬にとって、この距離を走るのはこれが最初で最後になるわけだ。すなわち、不確定要素が多いだけに、勝ち馬を予想することが非常に困難なのである。言うまでもなく、予想を組み立てる上で主たる命題は、この距離をこなせるのは果たしてどの馬か、になる。

そして、ベルモントSを占う上で、カギとなるもう1つのファクターが、三冠シリーズの2戦を終えた段階で、各馬がどれだけ消耗しているか、どこまで余力を残しているか、である。

今年のベルモントS出走予定馬の中で、三冠初戦のケンタッキーダービーと2戦目のプリークネスS(G1・アメリカ)のいずれにも出走していたのは、二冠目のプリークネスS勝ち馬であるウォーオブウィル(牡3歳)ただ1頭である。2つの競馬場を転戦し、そして2競走を走り切ったことで蓄積されているであろう、心身両面のストレスを考えると、彼が置かれているのはライバルたちと比べて、決して有利とは言えない状況である。

  • ウォーオブウィル

  • タシトゥス

しかしその一方で、彼が今年の3歳世代の中で最強馬かどうかは議論の余地があるにしても、少なくともベルモントS出走予定馬の中では、最高の実績を残している馬であることは、疑いのない事実である。
ケンタッキーダービーの3から4コーナーに、マキシマムセキュリティの外に馬体を併せる形で突入したウォーオブウィルが、進路を妨害されながらも、大きく体勢を崩すことなく走り続けることが出来たのは、彼に機敏さという類まれなる能力があったからだ。あのレースを勝つチャンスは、あの段階で失われ、結果的には19頭立ての8番手で入線した後、7着に繰り上がった。その2週間後、ウォーオブウィルはピムリコ競馬場で勇敢に戦い、直線では内を突いて伸び、12頭のライバルたちを撃破した。

ニアルコス・ファミリーが生産し、ゲイリー・バーバー氏が所有する、父ウォーフロントの牡馬であるウォーオブウィルは、キーンランド競馬場にあるM.キャシーの厩舎から、6月2日にニューヨークへ向けて移動。ベルモントSへ向けての最終調整が行われている。アシスタント・トレーナーのデヴィッド・キャロルによると、馬の調子はすこぶる良いようで、飼い葉は毎回完食しているそうだ。すなわち、ここまで10戦を消化し、3重賞を含む4勝を挙げている同馬だが、ここに至ってなお、旺盛なエネルギーを維持しているのである。好調を維持しているのであれば、勝利に一番近いのは、この馬ではないかというのが、私の感触だ。

ベルモントパークでウォーオブウィルを待ち受けていたのが、三冠最終戦で彼にとって最大の敵になりそうな牡馬だった。ジャドモントファームの自家生産馬で、ここまでキャリア5戦と、いかにも大事に使われてきたタシトゥス(牡3歳)が、その馬である。父がトップサイヤーのタピットで、母もチャンピオンホースのクローズハッチズという血統背景を持つ、この大柄な芦毛馬は、ここまで2つのG2競走を制している他、ケンタッキーダービーでも3着となっている(4位入線繰り上がり)。

タシトゥスは6月2日にベルモントパークで1000メートルの追い切りが行われたが、その場にいた全員が目を見張ったほどの素晴らしい動きで、その後記者たちに囲まれたW.モット調教師も「ベルモントSへ向けて、非常に良い動きでした」とのコメントを残している。トーナリスト、クリエイター、タップリットと、父タピットが既に3頭のベルモントS勝ち馬を送り出しているというのは、ここにぜひ記しておくべき事実であろう。

実績面で見て、これらに続く3番手グループにいるのが、プリークネスSの2着馬エバーファスト(牡3歳)と、ケンタッキーダービーで後方から追い込み7着で入線(その後6着に繰り上がり)したマスターフェンサー(牡3歳)であろう。
しかし、カルメットファームが所有するエバーファストは、ここまで11戦し、勝ち星はデビュー戦で挙げた1つのみだ。この戦績は、いささか見劣りすると言わざるをえない。
一方、日本調教馬としてベルモントS初優勝という歴史的快挙に挑むのが、吉澤克己氏のマスターフェンサーである。ケンタッキーダービーで素晴らしい追い込みを見せたことで、アメリカでも彼の支持者は増えている。ただし同馬は、5月29日にベルモントパークで追い切られた際に、直線半ばでつまずいて体勢を崩すという場面があった。この父ジャスタウェイの牡馬は、レントゲン撮影を含めた獣医師の入念なチェックで異常が全く見られず、健康な状態で出走出来ることを、追い切りでも騎乗していた調教助手の高野容輔氏が明らかにしている。だが、大小はともかくアクシデントがあったという事実が、私には気がかりとなっている。

ピーターパンS(G3・アメリカ)2着のサーウィンストン(牡3歳)、3着のイントレピッドハート(牡3歳)の2頭も、考慮するにたる長所がある馬たちだ。しかし、ウォーオブウィルと同厩のサーウィンストンは、ブルーグラスS(G2・アメリカ)で7着、タンパベイダービー(G2・アメリカ)で5着に敗れており、実績的には足りない馬かもしれない。一方、T.プレッチャーが管理するイントレピッドハートは、ここまでキャリア3戦と経験が浅い。新馬戦と条件戦を連勝して臨んだのがピーターパンSで、ここでは発馬直後につまずく場面があった。良化の余地を残しているという点で、この2頭の中ではイントレピッドハートに魅力を感じる。

ケンタッキーダービーで大敗を喫し、プリークネスSは回避しての参戦となるのが、G3勝ちの実績があるタックス(せん3歳)と、G2で2度3着以内に入っているスピンオフ(牡3歳)だ。だが、大敗からの一気の巻き返しというのは、彼らには困難なミッションであると思う。

私の推奨馬は、ウォーオブウィルタシトゥスイントレピッドハートエバーファストマスターフェンサーの順番である。

  • 文:Michele MacDonald
  • 訳:合田 直弘
  • イントレピッドハート

  • エバーファスト

  • マスターフェンサー

Michele MacDonald(ミシェル・マクドナルド)

ミシェル・マクドナルドは、サラブレッドメディアの分野で、国際的に様々な役割を担ってきている。編集者、ライター、カメラマンとして活躍する一方、競馬場の広報担当を務めた経験もあり、また、競走馬の生産・所有も手掛けている。現在は、レーシングポストのアメリカ通信員の任にあり、また、ドバイのアルアディヤットやアルカーヤル、南アフリカを拠点とする国際競馬雑誌などにも、コラムニストとして、カメラマンとして参画している。

ご注意

当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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