海外競馬発売

香港スプリント(G1)

シャティン競馬場 1200m(芝)3歳以上

  • 発売開始時刻日本時間12月10日(日曜)10時00分

  • 発走予定時刻日本時間12月10日(日曜)15時40分

コラム

太字は香港スプリント出走予定馬
12月8日(金曜)時点での情報を基に作成

遂に完成の時を迎えたミスタースタニング

香港スプリント(G1)は、地元勢にとっての堅固な砦であり続けている。2002年に国際G1の格付けを与えられて以降、延べ15頭いる優勝馬のうち、実に12頭が香港調教馬であった。今年は、香港勢8頭に対し、海外勢5頭という顔触れとなったが、優勝トロフィーを地元にキープするのに充分な勢力を、香港勢は持ち合わせていると見る。

中でも、地元勢にとって主力となるのが、チャンピオントレーナーの座に就くこと9回というジョン・サイズが送り込むミスタースタニング(せん5歳)であろう。この馬はまだG1を勝ったことがないが、しかし、昨年2月のデビュー以降、レースを走るごとに強さを増し、メキメキ台頭してきた。そして、今年4月の香スプリントカップ(G2・芝1200m)で、ラッキーバブルズ(せん6歳)、ペニアフォビア(せん6歳)、ザウィザードオブオズ(せん6歳)、ブリザード(せん6歳)といったトップスプリンターたちを封じて優勝し、続くチェアマンズスプリントプライズ(G1・芝1200m)で2着に入った段階で、彼のローカルレーティングは128まで上がり、この段階で香港調教馬の中でレーティング首位に立った。

今季に入ってからも、ミスタースタニングは、既にプレミアボウル(G2・芝1200m)、香ジョッキークラブスプリント(G2・芝1200m)を制している。主戦のナッシュ・ローウィラー騎手は、この馬はまだ強くなるという感触を持っており、香港スプリント優勝に自信を深めている。「香港スプリントとなると、相手となる馬も強く、各馬とも調子を上げての参戦になります。しかし、ライバルたち以上に上り調子での参戦となる私の馬が、間違いなく、ライバルたちの前に立ちふさがることになるはずです」と、ローウィラーは語ってくれた。

香ジョッキークラブスプリントが2010年に国際G2の格付けを得たが、実はこれ以降、香ジョッキークラブスプリントの勝ち馬が香港スプリントを制した事例は一度もない。だが、そういうデータがあることを承知の上で、私は、遂に完成の時を迎えたミスタースタニングに、香港スプリントを勝つもっとも大きなチャンスがあると考えている。

  • ミスタースタニング(12月6日撮影)

  • ラッキーバブルズ(12月7日撮影)

ミスタースタニングが、ここまですべからく順調にきているのに対し、本番へむけて“ツキ”を変える必要があるのが、最大のライバルと目されているラッキーバブルズだ。今季初戦となったプレミアボウルでは、スタート直後に他馬との接触があり、なおかつ直線の入り口でも行き場のない場面がありながら、それでも、そこから猛然と追い込んでミスタースタニングの2着に来ることができた。ところが、前走の香ジョッキークラブスプリントでは、3〜4コーナーで何度も前をカットされる場面があった後、直線でも抜け出す進路を見つけることができず、10頭立ての9着に敗れて、彼の馬券を買っていたファンをがっかりさせる結果となってしまった。前走の結果は、度外視して考えるべきであろう。

香港スプリントでは、シドニー地区でチャンピオンジョッキーのタイトルを4度獲得しているヒュー・ボウマンが、ラッキーバブルズの手綱をとることになっている。昨シーズン、この馬がチェアマンズスプリントプライズを制した時も、鞍上はボウマンだった。今度は“ツキ”がこの馬を味方してくれるならば、ラッキーバブルズは恐い存在である。

これもジョン・サイズ厩舎からの出走となるザウィザードオブオズも、有力馬の一頭であろう。6月に香プレミアカップ(G3・芝1400m)を3馬身半差で快勝しているのを含めて、ここ2シーズンの彼は芝1400mでことさらに良い成績を収めているが、その堅実性は芝1200mでも損なわれることはなく、芝1200mでも10戦3勝、3着2回という成績を収めている。彼はプレミアボウル(9着)でも香ジョッキークラブスプリント(5着)でも上位を逃しているが、しかし、いずれのレースにおいても位置取りが後ろ過ぎて、追い込み切れなかったものだ。香港でリーディングの座に3度就いているジョアン・モレイラが、この馬を手放すことなく乗り続けているというのは、良いサインと受け止めることができる。スタートを決めて、好位で競馬をすることができれば、ライバルたちにとって脅威の存在となる可能性がある。

昨年の香港スプリントにおける、フランスからの遠征馬サインズオブブレッシング(せん6歳)の好走には、正直に言って驚かされた。13番という外枠から出て、ヨーロッパで走っている時のように先行することができなかった局面では、この馬のチャンスはついえたと思えたが、鞍上のステファン・パスキエが後方馬群で上手にこの馬の脚をため、4コーナー手前から徐々に外を回って進出。直線でよく追い込み、勝ったエアロヴェロシティからわずか1馬身3/4差の5着に入っている。同馬を管理するフランソワ・ロオー調教師は、昨年のレースが終わった直後に、早くも今年の再挑戦を決めたと言われている。10月のアベイドロンシャン賞(G1、芝1000m)では12着に凡走しているが、今季ここまでそれほど多くのレースを使われておらず、フレッシュな状態で香港にやってきたと見ている。サインズオブブレッシングは、昨年よりも良い競馬を見せてくれるはずだ。

ロードカナロアが連覇している事実を考えれば、香港スプリントにおける日本代表馬を見過ごしにすべきではないと思う。父アドマイヤムーンのワンスインナムーン(牝4歳)は、今年ここまで6戦し、3勝、2着1回、3着1回という成績を残している。中山競馬場のスプリンターズS(GⅠ)でレッドファルクスの3着に入ったのが、同馬のベストパフォーマンスだろう。見たところ、まだ成長の余地を残している馬のようだ。鞍上に指名されたザカリー・パートンともども、序盤から先頭に立ってレースを運び、この馬が持つスピードを存分に生かす競馬ができれば、あっと驚く激走をしてもおかしくはないと見ている。

私の推奨馬は、ミスタースタニングラッキーバブルズザウィザードオブオズサインズオブブレッシングワンスインナムーンの順である。

  • 文:Bart Vanders
  • 訳:合田直弘
  • ザウィザードオブオズ(12月6日撮影)

  • サインズオブブレッシング(12月8日撮影)

  • ワンスインナムーン(12月8日撮影)

Bart Vanders

バート・ヴァンダースは、競馬メディアに身を置いて20年以上になる。そのほとんどは、アップルデイリーの看板記者として過ごした歳月だが、今季の彼は新たなスタートを切った。シンタオ・デイリーに移籍したのである。海外取材の経験も豊富で、北米、シンガポール、フランス、ドバイ、そして日本に出かけ、ブリーダーズカップ、ドバイワールドカップ、安田記念などを取材している。ちなみに、日本でお気に入りの競馬場は、阪神と園田とのこと。かつてはマカオで騎手エージェントをやっていた時期もあり、現在は、マカオと香港の競馬サークルの橋渡し役ともなっている。

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当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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