レース概要関連動画

圧倒的な知名度と人気を誇るオーストラリアを代表するレース

オーストラリアを代表するレースとして、圧倒的な知名度と人気を誇るのが、ヴィクトリア州メルボルンのフレミントン競馬場で行われるメルボルンカップだ。その総賞金620万オーストラリアドル(約4億9600万円)はオーストラリア・ナンバーワン。長距離戦としては天皇賞(春)を上回り、世界一を誇る。

メルボルンカップが創設されたのは1861年のことである。当時のヴィクトリア州は1851年にバララットやベンディゴで金鉱が発見されたことを機に始まったゴールドラッシュの好景気に沸くまっただ中。多くの人とカネが集まり、町も競馬も大きく成長していく過程で生まれたのがメルボルンカップだった。

1861年11月7日、芝2マイル(1972年にメートル法が採用されて3200mに変更)で争われた記念すべき第1回メルボルンカップを6馬身差で制したのは、シドニーから参戦したアーチャーだった。アーチャーはこの日のために、約900kmの道のりを厩務員とともに5週間かけて歩いてメルボルンまで遠征してきたという逸話が長く語り継がれてきたが、どうやらこれは事実ではなかったようで、今では船に乗ってやって来たというのが定説になっている。

メルボルンカップの価値と人気を決定的なものにしたのは、1866年に創生期のオーストラリア競馬を代表する名馬で、“黒い悪魔”の異名を持つザバーブが勝利を収めたことだ。以降、メルボルンカップはオーストラリアを代表するレースとしてすっかり定着。1890年のレースを145ポンド(約65.5kg)という史上最も重い負担重量で優勝し、今もなおオセアニア史上最強馬とする声もあるカーバイン、単勝1.73倍という史上最低配当で1930年に優勝したファーラップ、2003〜05年にかけて史上初となる3連覇を果たした名牝マカイビーディーヴァをはじめとする数多くの名馬が優勝を果たしてきた。その歴史には日本馬も大きく名を残しており、2006年にはデルタブルース(1着)とポップロック(2着)でワンツーフィニッシュを決め、オーストラリアの競馬ファンの喝采を浴びた。

現在のメルボルンカップは、短距離レースの割合が高いオーストラリアの重賞体系の中にあって、長距離レース、かつハンデ戦ということもあり、オーストラリアのチャンピオンを決める位置付けにはなっていない。しかし、その人気は極めて高く、「The race that stops a nation」(国の活動を止めるレース)と言われ、実際、レース当日(11月の第1火曜日に行われるのが慣例、2016年は11月1日)はヴィクトリア州の「祝日」に指定されているほど。また、レース前日にメルボルンの目抜き通りであるスワンストン・ストリートで行われる、過去の優勝馬とその関係者、さらにその年の出走馬の関係者によるパレードも大きなにぎわいを見せる。まさに国を挙げてのお祭り騒ぎとなるのだ。これほどまでに国民に浸透し、愛されるレースは、世界広しといえどもメルボルンカップだけだろう。

※1オーストラリアドル=80円で換算

文:秋山響(TPC)

フレミントン競馬場・芝3200m

ご注意

当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

ページトップへ戻る
表示モード: